先日は『投資としての読書』の「はじめに」と「目次」を公開いたしました。
2023年2月9日に、1冊目の著書『投資としての読書』(フォレスト出版)が発売されます。 累計1500冊以上の本を読むなかでわかった、タイムパフォーマンスを最大化させる読書術について、余さずたっぷりと ... 続きを見る 拙著『投資としての読書』の発売日が近づいてまいりました。 本書を楽しみにしてくださっている方、読もうか迷っておられる方向けに、今回は本書の「目次」を紹介します。 ※「はじめに」も公開しております。よろ ... 続きを見る
【刊行前の無料公開】『投資としての読書』の「はじめに」全文
『投資としての読書』の「目次」を紹介
今回は「おわりに」をご紹介できればと思います。
このブログの記事は400以上ありますが、おそらくこの記事が、最も非論理的かつ情緒むきだしで書かれた内容かもしれません。
見苦しい記載もあるでしょうが、なんせ小さい頃からの夢の1つが「本を出すこと」だったもので・・・
本書に込めた想いが少しでも皆さまに伝わればと思い、書かせていただきました。
よろしければ、3分ほどお付き合いください。
『投資としての読書』おわりに
「時間をムダにしてはならない。人の2倍生きねばならない」
これは、私が物心ついたころから、信念として大事にしている言葉です。
きっかけは、私と同い年の従兄弟の存在です。従兄弟は、耳が聴こえず、足が不自由な状態で誕生しました。母と叔母が非常に仲が良かったこともあり、私は叔母にもこれ以上ないくらい可愛がってもらいました。そんなときに、ふと言われた言葉がありました。
「この子のぶんまで、充実した人生を送ってほしい」
保育園児だったため、当時の言葉を一言一句正確に覚えているわけではありませんが、今でもずっと心の中に残っています。
ですので、幼い頃から「人生の限られた時間をこのことに使う意味は何なのか?」「従兄弟のぶんまでがんばらなくてはならない」と強く強く感じていました。「この宿題に時間を割く必要があるのか?」「旅行の移動時間はなぜこうも長いのか? 旅行なんて行かなければいい」などと、恥ずかしいばかりの暴論で、周りを困らせてもいました。
そうやって調子良く生きていたわけですが、高校のときに挫折を味わいます。高校1年生の冬に、自律神経系の病気になり、不定期に訪れる動悸に苦しめられました。教室に入って授業が始まったときも「今、急に動悸がきたらどうしよう!?」と思うと、だんだんと息が苦しくなって過呼吸気味になる。友人と話しているときも、突然身体が熱くなって、心臓の動きが激しくなる。多感な時期にそんな症状に陥ってしまい、友人づきあいもうまくいかず、感情も大きく乱れました。高校3年生になっても症状は落ち着かず、勉強も十分にできなかったため、浪人をすることに。私は高校3年間のことを「暗黒時代」と呼んでいます。
そうして始まった浪人生活はイベントも少なく、高校よりも時間のやりくりを自由にできたため、少しずつ体調も回復。症状も少しずつ落ち着いてきたため、60分間教室のなかでパニックを起こさずに授業を受けられるようになりました。
このとき「周りと同じように、当たり前のように学べることが、どんなにありがたいか」を痛感しました。
それ以降、本を飽きずに大量に読み漁ったり、大学のゼミで1人で100ページ超えの論文を書いたり、MBA取得の怒涛の日々に夢中になれたりしたのも、病気を経て「学ぶ楽しみ」に気づけたからだと思います。暗黒時代として二度と思い出したくない高校3年間ではありますが、あの絶望の3年間がなければ、学ぶ楽しみに気づくこともなかったでしょう。「思い出は絶対値」です。マイナスに振り切った経験が、いつプラスに作用するかわからない。人生行き当たりばったりも悪くない。第2章で述べた「川下り型」の選書術も、この経験から着想を得ました。
この「学ぶ楽しみ」を原動力に、「はじめに」で述べたコンサル時代の激務を乗り切り、ほぼ定時で帰りながらも上位5%の評価を獲得。MBAも「限られた時間で、誰よりも学び倒してやる」と鼻息荒く、全科目A評価のトップ成績で卒業。そうやって調子に乗っていた矢先。
2022年5月に、叔母が突然他界しました。
「時間をムダにしてはならない。人の2倍生きねばならない」という信念を授けてくれた叔母が他界したことで、よりいっそうこの信念を強く抱くようになりました。同時に「いつ死ぬかわからない。今のうちから、自分が得たものを周りに還元しなくてはならない」と決心しました。
その後、MBAで学んだことを活用しながら友人の起業を本格的に手伝いはじめることに。時を同じくして、偶然にも、フォレスト出版さまにお声がけいただき、本書を出版する機会をいただきました。「自分が得たものを還元しなければ」と決心した直後の出来事だったので、これには挑戦せざるを得ませんでした。
この本を書くことは、私の信念とも重なる部分があります。「時間をムダにしてほしくない。読書のタイムパフォーマンス最大化に、何とか貢献したい」という想いをこめ、執筆いたしました。
執筆活動は、思ったよりも大変ではありませんでした。大学時代の某エグいゼミで300ページ超えの共同論文を6人で書いた(書かされた?)経験や、コンサル時代の無限赤入れ、MBA時代のレポート地獄を経験させていただいたおかげでしょう。これらの経験も当初は絶望感しかありませんでしたが、やはり「思い出は絶対値」です。あの頃のマイナスに振り切った経験がなければ、本書は完成していなかったでしょう。
ほかにも、本書を完成できた大きな要因があります。本業と副業がある中で本を執筆できたのは、限られた貴重な時間をサポートに充ててくれた妻と息子のおかげとしか言いようがありません。本当に頭が上がりません。
最後に、この一文を書くまでの人生で出会った1人1人の方々と、この本を手に取ってくださった読者の皆さまに心から感謝申し上げます。
2022年12月
本山 裕輔
(Photo:https://unsplash.com/ja)