(出典:https://unsplash.com/photos/gMsnXqILjp4)
はじめに
Amazonで「ファシリテーション」と検索すると、実に100冊以上もの本がヒットします。
まさに玉石混淆。
「うわ、他の本に書いてあることを言い換えて載せてあるだけだな…」と思う本もあれば、「これは本当にすごい、頭が上がらない」と思える本もあります。
そこで今回、私なりの「良書の基準」に照らして悩みに悩みぬいて、「20代がファシリテーションに苦しんだときに読むべき本」を2冊に絞りました。
心配に思われた方、大丈夫です。
私自身、年間300冊以上の本を読んでいるので、ビジネス書の目利きには自信があります。
それに、新卒で外資系コンサルに入社し、皆さまと同様に、数々の会議をもがき苦しみながらファシリテーションしてきました。
経営層が参加するものもあれば、1対5でアウェイに乗り込んで戦ったこともあります。
その戦いの中で、負けては本を読んで内省してまた戦って…を繰り返してきました。
そして、良書と出会った甲斐もあって、ありがたいことに、コンサルに新卒入社最短で昇進することができました。
そのときに「ああ、この本を読んでいて、本当によかった」と思った2冊を今回はご紹介いたします。
なぜ20代のうちにファシリテーション力を身につけるべきか?
本の紹介に入る前に、まず「なぜ20代のうちに会議を回す力を鍛えるべきか?」についてお話します。
私自身も、新卒でコンサルに入社して早々、ファシリテーション・会議力を徹底的に磨きました。
それは、次の理由があったからです。
- ファシリテーション力は、いつでもどこでも活用できるポータブルスキルであるから
- 限られた時間を無駄にしたくないから。せめて自分が主催する会議は、30分以内に最少人数でクイックに終わらせたい
- 自分が主導していることは自分でコントロールしたいから。目上の人にコントロールされたくない
特に、3の理由が一番強かったです(笑)
だって、嫌じゃないですか。
若手だからといって、いつまでも議事録担当だったり、アジェンダの1部に使う資料を用意させられたり…これじゃつまらないじゃないですか。
折角なら、偉い人が集う場を自分の手で舵取りしてみたい。
こういった思い切ったチャレンジができるのも、失うものが無い若手の特権だと思います。
…とまあ、ギラついたことを書いてしまったので、少し真面目な話も書いておきます。
若手のころは、特に自分でタスク量をコントロールしにくいじゃないですか。
上司から「あれやっといて、これやっといて」と次々とタスクが飛んでくる。
じゃあ、タスクはどこで生まれているか?
上司の思い付きで急に生まれるタスクもあるでしょうが、一番は「会議」で生まれているんじゃないでしょうか。
ミーティングや会議は極論すると、①何かを意思決定し、②意思決定に伴うタスクを洗い出す…この2点を行う場です。
なので、会議の場を制することができれば、タスクもある程度コントロールできるようになるわけです。
タスクがコントロールできるようになれば、週次でしっかり計画を立てて、遊ぶ時間や趣味の時間を確実に確保できます。
そうするためにも、ファシリテーション力は早めに鍛えておくに越したことはないのです。
ファシリテーションの両腕を担う2冊
ファシリテーションに限らず、何事も「理論」「実践」の両輪で捉えるべきだと思います。
なので、理論と実践それぞれ1冊ずつで計2冊、良書中の良書をピックアップしました。
『ファシリテーションの教科書』グロービス
ファシリテーションの原理原則や全体像を「理論・フレーム」としておさえるのであれば、この本が断トツでオススメです。
この本は、グロービスというMBAが学べる経営大学院で、数々のディスカッションをファシリテートされてきた方が書かれた本です。
経営大学院では、MBA取得を目指す学生(≒猛者)の方々による、激しいディスカッションが繰り広げられています。
その戦場ともいえる講義が長年こなされている裏側では、我々の想像を絶するレベルで「ファシリテーションの科学」が進んでいます。
この科学がまとまっているのが『ファシリテーションの教科書』です。
そんな本書の全体像を「ペライチ」に示してみました。
ファシリテーションに必要な知恵が見事に体系化されていますよね。
「理論」から入りたいからは、是非この本をオススメします。
※詳しいレビューは以下の記事にまとめていますので、ご参照ください。
【1枚でわかる】『ファシリテーションの教科書』グロービス - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで
『世界で一番やさしい会議の教科書』榊巻 亮
「明日から即使える、かつ本質的なノウハウは何か?」
この問いに答えてくれるのが、『世界で一番やさしい会議の教科書』です。
普通であれば、ビジネス書なるものは
- 即効的かつ表層的
- 遅効的かつ本質的
このどちらかであることが多い。
しかし例外的に、『世界で一番やさしい会議の教科書』だけは、即効性が高く本質的な学びを与えてくれます。
例えば、会議の開始時には「どういう状態になったら"会議終了!"と言えるのか?」と問いかけるだけで、効率が見違えるほどよくなる。
これは、即効性が高く、かつ会議の本質をおさえたノウハウですよね。
こういったノウハウが惜しげもなく披露されています。
しかも2,000円以下です。
本書の「ペライチ」も以下に示しますので、是非ご参照ください。
「社会人の必読書にすべき」と言っても大袈裟でないくらいオススメだと自信を持って断言いたします。
※詳しいレビューは以下の記事にまとめていますので、ご参照ください。
【1枚でわかる】『世界で一番やさしい会議の教科書』榊巻 亮 - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで
【おまけ】2冊のうち、どっちを先に読むのがオススメか?
いかがでしたでしょうか。
たくさんあるファシリテーション・会議本の中から、思い切って2冊に絞ってみました。
ちなみに「2冊のうち、どっちを先に読めばいいですか?」と聞かれると困るのですが(笑)
個人的には、実践から入る方が理解しやすいタイプなので『世界で一番やさしい会議の教科書』から読むのをオススメします。
逆に、教科書を読みこんで入念に準備されたい方は、『ファシリテーションの教科書』から読んでも大丈夫です。
以上長くなりましたが、「若手がバシバシ会議を仕切る社会」に少しでも貢献できますと幸いです。