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【要約・書評】『DXの真髄』安部 慶喜、柳 剛洋

この本で解ける疑問は?

  • なぜ日本企業のDXはうまくいかないのか?
  • DXを成功させるための秘訣は?

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『DXの真髄』って?

今年の流行語大賞なんじゃないかと思うくらい浸透しつつあるDX(デジタルトランスフォーメーション)。

一言でいうと、デジタルで経営や業務を変革することを意味しています。

おそらく「DXは大事だと思いますか?」と聞いたら、100人のうち99人くらいは「大事だ」と答えるのではないでしょうか?

しかし一方で、「総論賛成、各論反対」になりがちなのもDXの特徴の1つでもあります。

実際にITに詳しい友人や大企業の若手と話していると「いざ現場業務に手を入れようとすると、抵抗勢力のせいでなかなかDXが進まないんだよね」という声をよく聞きます。

誰もが大事だとわかっているのに、DXがなかなか進まないのはなぜなのか?

この問いに答えを出してくれるのが、今からご紹介する『DXの真髄』です。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 日本企業でDXが進まないのは「業務」「組織・人財」「IT」の3分野に渡って「21の習慣病があるから」である。
  • 「進化しない業務」については、以下の習慣病が見受けられる。
    ①不明瞭な観点で何度も承認
    ②おもてなし精神で過剰サービス
    ③些細なことまで完璧主義
    ④やめられない紙文化
    ⑤長い・決まらない会議だらけ
    ⑥組織に合わせた縦割り業務
    ⑦職位と業務内容のミスマッチ
  • 「硬直化した組織・人財」については、以下の習慣病が見受けられる。
    ⑧人財戦略なき人事制度
    ⑨パッチワークの人事制度
    ⑩全社視点なき足し算経営
    ⑪組織間の壁を生むピラミッド構造
    ⑫世間知らずの職人集団
    ⑬事なかれ人事評価
    ⑭自分で考えない指示待ち人財
  • 「IT・新技術の誤解」については、以下の習慣病が見受けられる。
    ⑮IT戦略なきIT投資
    ⑯責任・検証なき投資プロセス
    ⑰「つくる」ことが目的化
    ⑱過剰な完璧主義・安全志向
    ⑲同業他社との横並び
    ⑳ベンダー依存体質
    ㉑低いIT・デジタルリテラシー

いかがでしたでしょうか。

例えば、「⑤長い・決まらない会議だらけ」についても、上記の画像のような図解や事例を使って丁寧に解説されてます。

1つひとつの習慣病について、踏み込んで分析している点が非常に魅力的です。

学び

進化しない業務の本質は「自己保存の本能」?

いつまでたっても属人化したままで一向に進化しない業務。

こういった業務が色々な職場に根を張っているのではないでしょうか?

おそらく、属人化を引き起こしている張本人たとも問題意識を感じているはず。

なのに、なぜ属人化が習慣病と化しているのか。

その1つの答えは、「自己保存の本能」が働いているからではないでしょうか。

 

以前、↓のような記事を書いたときに、ある図をお見せしました。

「仕方がない属人化」と「イケてない属人化」 - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

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この図のメカニズムが正しいとするならば、「自己保存の本能に勝てるか勝てないか」が習慣病を克服してDXを推進できるかどうかの鍵を握っています。

「DXだ」と聞くと何だか格好よく映りますが、現実は人間臭いドロドロした感情との闘いこそがDXの本質なのかもしれません。

 


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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