この本で解ける疑問は?
- 心のライフがゼロになりそう…どうすれば?
- 自分を追い詰める「見えない敵」との向き合い方は?
『メンタル・クエスト』って?
最初のこの表紙を見たときは、「なんだか、ゆるい本だな」と思いながら手に取りました。
ゲーム「ドラゴンクエスト」を感じさせる、遊び心が随所に散りばめられたこの本。
実は、めちゃくちゃ奥が深い本でした。
- なぜ人は自分で自分を追い詰めてしまうのか?
- なぜ負のループから抜け出せないのか?
- なぜ周りの目が気になってしまうのか?
…こうした、当事者からすると「わかってるよ!でもどうしようもないんだ」と叫びたくなるような状況1つひとつと丁寧に向き合っている本です。
ここまで、「誰にとってもわかりやすい、そして誰に対しても身近に寄り添ってくれる本」は見たことがありません。
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- 生きづらさを抜け出すためには、「自分というキャラのタイプ・能力・特性をよく知る」「なぜ自分がハードモードに陥っているのかを構造的に理解する」「人間関係構築やストレス対処の知識・スキルをインストールする」の3ステージを歩むとよい。
- 特に「自分というキャラのタイプ・能力・特性をよく知る」ステージでは、自分が①うつになりやすい「真面目な英雄」タイプ、②敏感すぎて生きづらい「魔法使い」タイプ、③「心の間合い」における「近接型・遠隔型」タイプのどのタイプにあたるのかを知ることが大事。
- うつになりやすい「真面目な英雄」タイプは、以下の特徴を有している。
★秩序を重んじるあまり変化に弱い
★融通がききにくい
★人に頼れない
★うまく手を抜けない
★他人の評価を気にしすぎる - 以上の特徴を少しでも和らげるためにも、以下のことを心がけるとよい。
★自分はストレス耐性が強いわけではないと自覚する
★相手が求める成果物のレベル感を確認しておく
★「しょぼい頼みごと」でヘルプの練習をする
★他人の期待のみをエンジンにするのをやめる - 敏感すぎて生きづらい「魔法使い」タイプは、以下の特徴を有している。
★あらゆる刺激に敏感に反応しすぎる
★相手の感情に引きずられる
★ひらめきや直感が冴え、危険察知センサーが強い
★一人の時間、自分のペースが大事 - 以上の特徴を少しでも和らげるためにも、自分がどういう状況に置かれると「つらい」と感じるかを正確に把握するとよい。
★五感の特定の感覚に対する刺激に敏感
★ストレスや環境の変化が体調に出やすい
★対人関係に敏感 - 「心の間合い」における「近接型・遠隔型」タイプは、以下のいずれかの愛着タイプに分類される。
★安定型:性善説で相手を信頼情緒を安定的
★不安型:相手から捨てられる不安強い依存心
★回避型:他人を「脅威」だと捉え、距離を取りたがる - 以上の特徴を少しでも和らげるためにも、以下のことを心がけるとよい。
★「自分を一人の人間として尊重してくれる人」がたった一人でもいれば、人間関係の道が開ける
★失敗も糧にして、「信頼すべき人物像」「信頼すべきでない人物像」を頭の中で明確にしていく
いかがでしたでしょうか。
- 何かに追い詰められている人にとっては、突破口までのパートナーとなってくれる本
- 特に何ともない人にとっては、身近な人を助ける力を授けてくれる本
…それくらい、誰にとっても強くオススメできる本でした。
学び
ハードモードの当事者は本当に余裕がない…だからこそ、こういう本の存在が大事
実は高校時代、自律神経が頻繁に不安定になっていた時期がありました。
今はゼロではありませんが、だいぶよくなりました。
しかし、昔はひどかったです。
- 例えばテスト中、「途中で気分が悪くなったらどうしよう」と不安な気持ちが押し寄せてきて、パニックになってしまう。
- あるいは、「~しなきゃいけない」「~すべきだ」という言葉で頭が埋め尽くされて、日々険しい顔で一日中過ごしている。
- そして、「ああ、パニック気味になる私のことを、周りはどうせ冷ややかな目で見ているだろう」と勝手に周りと距離を取ってしまう
…と、負の感情が頭の中をグルグルしていました。
今思い返せば「事実と解釈を切り分けようよ」とか「気分悪くなったら、気にせず帰って寝ればいいじゃん」とか思ってしまいます(笑)
しかし、当時の私にそんな余裕はありません。
そんな余裕のない時代に、この『メンタル・クエスト』と出会いたかった。
おそらく読み始めは「綺麗事ばかりぬかしやがって」と思ってしまうでしょう。
でも、読み進めるうちに、自分がどのタイプなのかを知り、自分を追い詰めてしまっている原因に気付き、解決に向けてのアクションを少しずつ取って行けたと思います。
それくらい、この本には不思議な力を感じ取りました。
エモく文章を書くのが苦手なので、どこまでこの本の魅力を伝えることができたかはわかりませんが、とにかくたくさんの人に読んでほしい。
久々に、そう思える本と出会うことができました。感謝。