この本で解ける疑問は?
- 「で、何が言いたいんだっけ?」と言われないためには?
- 「簡潔に話して」と言われてもどうすればいいの?
『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』って?
コロナ禍によって、対面でやり取りする時間が減ってきましたよね。
一方で、メールやチャットでのコミュニケーションが増えてきましたね。
文章を読む行為は中々のエネルギーを消耗します。
そんな中、ながーい文章を送ってしまうと、当然読み手は手ひどいダメージを追ってしまいます。
頭が比較的リフレッシュされている月曜の朝はまだ我慢できます。
しかし、疲れてきた木曜の夕方なんかに、長くて冗長で何を言いたいかわからん文章を見たら、さすがにノックアウトされますよね。
…と、そのような問題を解消してくれるのが、本日のテーマ「要約力」です。
文章力の本といえば、この山口 拓朗氏の本が有名です。
その山口氏が今月に新刊を出版されました。
それが今日ご紹介する本『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 要約力とは、「情報のポイントをつかみ、場面に応じて、簡潔かつ論理的にアウトプットする能力のこと」である。
- 要約には、1)情報収集、2)情報管理、3)情報伝達の3ステップがある。
- 情報収集のステップ
>信頼するに足るソース(情報源)を確保する
>質問を有効に活用する
*自分自身に「Why」「How」「If」で
質問を投げかける
*クローズド・オープンクエスチョンを
使い分ける
>メタ認知力を上げて、認知バイアスを防ぐ
>具体と抽象の行き来を習慣化する - 情報整理のステップ
似たもの同士の情報ごとに整理(グループ分け)する。「大きなグループ分け」から「小さなグループ分け」まで行う
グループごとに優先順位をつける。優先順位は「聞き手によって重要な順」にする - 情報伝達のステップ
>くどい前置きはしない
>幹→枝→葉の順番で伝える
>用件+結論優先型で伝える
*用件
*結論
*理由
*詳細
>列挙型で伝える
*全体像(ポイントの数)
*1つ目のポイント
*2つ目のポイント
*3つ目のポイント
*まとめ - 以上の根底として、究極の要約は「死んでもこれだけは言っておく!」と心得ておくことが重要である。
いかがでしたでしょうか。
個人的に一番心に刺さったのは、究極の要約は「死んでもこれだけは言っておく!」と言えるくらい絞りに絞り込んだメッセージだということです。
ここまでの覚悟を持って、日々要約をできているか?と問われると、まだまだその領域には達することができていません。
久々にドシッとくる本でした。
学び
ちなみに私が考える「要約」とは
私自身は、「要約=要点×約する」だと捉えています。
中でも「要点」を押さえることこそが、何よりも重要だと考えます。
この要点というのは、「要点=問い×答え×根拠」で表現できます。
より具体的に構造を示そうと思うと、以下の図に落ち着きます。
一見すると、今日ご紹介した本と違うようにも見えますが、本質的には同じことを言っているように思います。
★詳しくはこちらの記事をご覧ください★
それ、本当に「要約」といえますか? - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで
得てして、「要約力」と叫んでいるブログや書籍には、文章をただただ短くすることにフォーカスしているものが散見されます。
しかし、『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』でも述べられているように、大事なことは、要点を押さえ、聞き手に応じて優先順位をつけ、幹→枝→葉の順番で話すことです。
肝心な「幹」を外さないためにも、まずは文章を短くすることよりも、「要点」を正確に押さえるところからスタートしたいものです。
自戒の意を込めて、そう思います。