この本で解ける疑問は?
- 1on1ミーティング…結局何を話せばよいのか?
- なぜあの人は仕事ができるのに、部下を伸ばせないのか?
https://www.amazon.co.jp/dp/4820727877
『対話型マネジャー』って?
最近はどの企業での「1on1ミーティング」が導入されていると耳にするようになりました。
「部下と上司の対話が大事なんだ」といった認識が少しずつ広まってきています。
一方で「1on1ミーティングを始めた当初は良かったけど、会話のネタも尽きたし…何を話せばいいかわからない」といった課題感も浮彫になってきました。
この課題感を放っておくと、「今週の1on1ミーティングはスキップでお願いします」みたいなやり取りが増えていって、徐々に形骸化する可能性もあります。
そこで今回は、1on1ミーティングを有意義な場にして形骸化させないためにも、この『対話型マネジャー』をご紹介できればと思います。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 対話(≒1on1ミーティング)を行う目的は、「従業員の継続的な成果創出、モチベーション向上、成長促進、働きがい向上のために必要な業務・個人・組織に関する諸認識をすり合わせること」にある。
- 最初の論点「何を(What)すり合わせればよいのか?」については、「組織」「個人」「業務」の3つの枠組みを時間軸ごとに考えるとよい。具体的には、次の9つの項目について話す。
★組織×過去の観点:理念・制度・カルチャー
★組織×現在の観点:人間関係
★組織×未来の観点:組織方針
★個人×過去の観点:パーソナリティ
★個人×現在の観点:ライフスタイル
★個人×未来の観点:将来キャリア
★業務×過去の観点:振り返り
★業務×現在の観点:業務不安
★業務×未来の観点:業務改善 - 次の論点「どう(How)すり合わせればよいのか?」については、「しゃべってもらう」と「フィードバックする」の2つに分けて考えるとよい。
<しゃべってもらう>
★反応
・沈黙:相手にじっくり考えさせ、自分はゆったりと待つ
・頷き:話のタイミングに合わせて頷き、リズムをつくる
・表情:自然な笑顔・口角を上げて、目じりを下げる
・相槌:相手の話に調子を合わせて言うちょっとした言葉
★返し
・感情には感情で返す
・要約や確認を行い、相手の話を整理する
・相手の言っていることを別の側面から見て伝える
★質問
・具体的には?-縦に掘って具体化する
・他には?-横に広げて拡大化する
<フィードバックする>
★ポジティブフィードバック
・具体的に伝える
・心から伝える
・結果ではなくプロセスに注目する
・変化に着目する
・メールや手紙も効果的に使う
★チェンジフィードバック
・事実のすり合わせ
・意味のすり合わせ
・期待のすり合わせ
・行動のすり合わせ
いかがでしょうか。
特に「組織」「個人」「業務」の枠組みには目から鱗が落ちました。
何となく1on1ミーティングをやるのではダメで、「何のために対話するのか」「何を対話で引き出すのか」「どう引き出すのか」を設計してから臨むからこそ、効果が得られるのでしょうね。
「対話」…簡単そうで、実は難しくて奥が深いですね。
上司の方も部下の方も必読の一冊です。
学び
仕事である以上、どんな会議・対話・雑談も丸腰で挑まないこと
「肩に力入りすぎでしょ」と言われそうですね(笑)
ですが、個人的には、仕事の時間中は1秒たりとも「無駄」な時間を過ごしてはいけないと思います。
「無駄」というのは、「何の目的意識も持たずに過ごして、結果的に何も得られなかった時間」を指します。
上司との1on1ミーティングを、ただただ「雑談して楽しかった♪」で終わらせるのではなく、
- 今日は上司のパーソナルな価値観を知ろう
- 愚痴から入りつつも、組織の問題点について議論してみよう
こんな風に、明確な目的意識を持ったうえで臨んだ方が、得られる果実は大きいはずです。
…と、かっこつけて書いてみましたが、これくらい目的意識を持って準備して臨まないと、私の場合コミュ障なので、話が続かないんですよね(笑)
- 今日、雑談タイムが入っているAさんはどんなプロフィールなのか?
- 自分との共通点はどこだろう?その共通点でどれくらいの時間会話できるだろう?
- 他にどんな質問事項を用意しておけばよいだろう?
…みたいに準備しておかないと、雑談すらもこなせないくらいコミュ障なので、本書『対話型マネジャー』は大変参考になりました。