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【要約・書評】『対話型マネジャー』世古 詞一

この本で解ける疑問は?

  • 1on1ミーティング…結局何を話せばよいのか?
  • なぜあの人は仕事ができるのに、部下を伸ばせないのか?


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『対話型マネジャー』って?

最近はどの企業での「1on1ミーティング」が導入されていると耳にするようになりました。

「部下と上司の対話が大事なんだ」といった認識が少しずつ広まってきています。

一方で「1on1ミーティングを始めた当初は良かったけど、会話のネタも尽きたし…何を話せばいいかわからない」といった課題感も浮彫になってきました。

この課題感を放っておくと、「今週の1on1ミーティングはスキップでお願いします」みたいなやり取りが増えていって、徐々に形骸化する可能性もあります。

そこで今回は、1on1ミーティングを有意義な場にして形骸化させないためにも、この『対話型マネジャー』をご紹介できればと思います。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 対話(≒1on1ミーティング)を行う目的は、「従業員の継続的な成果創出、モチベーション向上、成長促進、働きがい向上のために必要な業務・個人・組織に関する諸認識をすり合わせること」にある。
  • 最初の論点「何を(What)すり合わせればよいのか?」については、「組織」「個人」「業務」の3つの枠組みを時間軸ごとに考えるとよい。具体的には、次の9つの項目について話す。
    ★組織×過去の観点:理念・制度・カルチャー
    ★組織×現在の観点:人間関係
    ★組織×未来の観点:組織方針
    ★個人×過去の観点:パーソナリティ
    ★個人×現在の観点:ライフスタイル
    ★個人×未来の観点:将来キャリア
    ★業務×過去の観点:振り返り
    ★業務×現在の観点:業務不安
    ★業務×未来の観点:業務改善
  • 次の論点「どう(How)すり合わせればよいのか?」については、「しゃべってもらう」と「フィードバックする」の2つに分けて考えるとよい。
    <しゃべってもらう>
    ★反応
    ・沈黙:相手にじっくり考えさせ、自分はゆったりと待つ
    ・頷き:話のタイミングに合わせて頷き、リズムをつくる
    ・表情:自然な笑顔・口角を上げて、目じりを下げる
    ・相槌:相手の話に調子を合わせて言うちょっとした言葉
    ★返し
    ・感情には感情で返す
    ・要約や確認を行い、相手の話を整理する
    ・相手の言っていることを別の側面から見て伝える
    ★質問
    ・具体的には?-縦に掘って具体化する
    ・他には?-横に広げて拡大化する
    <フィードバックする>
    ★ポジティブフィードバック
    ・具体的に伝える
    ・心から伝える
    ・結果ではなくプロセスに注目する
    ・変化に着目する
    ・メールや手紙も効果的に使う
    ★チェンジフィードバック
    ・事実のすり合わせ
    ・意味のすり合わせ
    ・期待のすり合わせ
    ・行動のすり合わせ

いかがでしょうか。

特に「組織」「個人」「業務」の枠組みには目から鱗が落ちました。

何となく1on1ミーティングをやるのではダメで、「何のために対話するのか」「何を対話で引き出すのか」「どう引き出すのか」を設計してから臨むからこそ、効果が得られるのでしょうね。

「対話」…簡単そうで、実は難しくて奥が深いですね。

上司の方も部下の方も必読の一冊です。

学び

仕事である以上、どんな会議・対話・雑談も丸腰で挑まないこと

「肩に力入りすぎでしょ」と言われそうですね(笑)

ですが、個人的には、仕事の時間中は1秒たりとも「無駄」な時間を過ごしてはいけないと思います。

「無駄」というのは、「何の目的意識も持たずに過ごして、結果的に何も得られなかった時間」を指します。

 

上司との1on1ミーティングを、ただただ「雑談して楽しかった♪」で終わらせるのではなく、

  • 今日は上司のパーソナルな価値観を知ろう
  • 愚痴から入りつつも、組織の問題点について議論してみよう

こんな風に、明確な目的意識を持ったうえで臨んだ方が、得られる果実は大きいはずです。

 

…と、かっこつけて書いてみましたが、これくらい目的意識を持って準備して臨まないと、私の場合コミュ障なので、話が続かないんですよね(笑)

  • 今日、雑談タイムが入っているAさんはどんなプロフィールなのか?
  • 自分との共通点はどこだろう?その共通点でどれくらいの時間会話できるだろう?
  • 他にどんな質問事項を用意しておけばよいだろう?

…みたいに準備しておかないと、雑談すらもこなせないくらいコミュ障なので、本書『対話型マネジャー』は大変参考になりました。

 


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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