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【要約・書評】『ザ・メンタルモデル』由佐美加子、天外伺朗

この本で解ける疑問は?

  • 無理をしない、自分に嘘をつかない生き方をしていくためには?
  • 本当の自分を知るためのモデルがあるって本当?

『ザ・メンタルモデル』って?

この本は、今通っているMBAのリーダーシップの教授にオススメされた本です。

その方曰はく、「リーダーシップとは、本来の自分を1mmも譲らずにパフォーマンスを出すこと」とのこと。

何とも深い定義ですね。

何はともあれ、まずは「本来の自分」を理解しないことには始まらない。

これがまた難しい…100%理解することはほぼ不可能でしょう。

しかし、大枠を理解する手段はいくつか存在します。

その中でも今回は「メンタルモデル=我々が無自覚に持っている信念・思い込みや痛みに感じる部分」に着目してみます。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • メンタルモデルとは「自分はどうせ〇〇だ」という思い込みのことである。この思い込みは、自分が最も避けたい「痛み」から逃避するために行われている。一方で、メンタルモデルは自分の行動の裏側にある信念にもなり得る。
  • メンタルモデルには「価値なしモデル」「愛なしモデル」「ひとりぼっちモデル」「欠陥欠損モデル」の4種類がある。
  • 「価値なしモデル」は"私には価値がない"と思い込むメンタルモデルである。
    まず特徴として、①成果を通して自分の価値を認めてほしい、②何もしないことが耐えられない、③やる気がない人が理解できない、という3つが挙げられる。
    この思い込みから進化するためには、①自分で自分の価値を認める「自己承認」へと転換する、②自分の内なる声を聞いて、自分につながって行動を選ぶことが必要になる。
    進化した先には、「絶対的な存在価値で、この世界におけるすべての人々の価値が認められている」世界が待っている。
  • 「愛なしモデル」は"私は愛されていない"と思い込むメンタルモデルである。
    まず特徴として、①人に与えてばかりで疲れている傾向あり、②相手を不快にさせる言動は避ける。③素顔の自分では愛されないと思い込む、という3つが挙げられる。
    この思い込みから進化するためには、①相手に何かをする/相手に何かを求める…の取引をやめる、②自分をありのまま理解し、相手のあるがままも愛せる、常に無条件の愛を抱く必要がある。
    進化した先には、「誰もが自分自身を無条件に愛し、真実からありのままを理解し合える関係性で人間同士がつながっている」世界が待っている。
  • 「ひとりぼっちモデル」は"私は所詮ひとりぼっちだ"と思い込むメンタルモデルである。
    まず特徴として、①所詮人は独りで生きているという孤独感、②「好きにしたらいい」が口癖、③去る者は追わず来る者は拒まず、という3つが挙げられる。
    この思い込みから進化するためには、個として独立しながらも本当は生命としてひとつの世界ですべてつながっている、と感じられるワンネスの世界へと回帰する必要がある。
    進化した先には、「個として誰もが自立していながら、人が命の全体性の一部を担っている…というワンネスの感覚の中で、誰もが自分の人生を生きている」世界が待っている。
  • 「欠陥欠損モデル」は"私には何かが決定的に欠けている”と思い込むメンタルモデルである。
    まず特徴として、①自分はポンコツ…漠然とした自己不振、②自分の至らなさが気になる、③実は隠れて色々努力している、という3つが挙げられる。
    この思い込みから進化するためには、ありのままの自分でここにいていい、と安心した状態で場にいる必要がある。
    進化した先には、「凸凹のままで人は完全で、誰もがどこでも自分のままでいいと安心できる…と思える」世界が待っている。

いかがでしたでしょうか。

我々は、先ほど挙げた4つのメンタルモデルのうち、どれか1つを必ず有しているそうです。

幼少期から数十年間は、このメンタルモデルの「痛み」を避けるために、周囲に適合しながら過ごしていくそうです。

しかし、この「痛み」に自覚的になって、「自分はこういうことに痛みを感じるんだ」と認めてあげて、痛みを避けずに生きることを決断できた瞬間、次のステージに進化できるそうです。

…とだいぶ解像度が粗くなってしまいました。

それはまだまだ、私自身、メンタルモデルを認めて行動を変え切れておらず、次のステージの景色が見えていないからでしょう。

「メンタルモデル」…人生を通して向き合いたい1つのテーマだと感じました。

学び

ちなみに僕は「価値なしモデル」

ピッタリ、この「価値なしモデル」が当てはまりました。

「頑張ってくれてはいるけど、所詮そんなもんか」と言われるのが怖い。

なので、過剰に努力したり、あるいは「いや~、今回のテスト、全然勉強してないんだよね~」と逃避に走っていたように思います。

前職のコンサル時代までは、このメンタルモデルを自覚していなかったように思えます。

メンタルモデルを自覚したのは、コンサルに入社して3年目に、結婚式を挙げるために実家の佐賀に帰ったときです。

これまでの目まぐるしく過ぎ去った3年間とは対照的に、これまでの家族やこれからの家族と一緒に「のんびりと穏やかな時間」を過ごしました。

この「のんびりと穏やかな時間」を過ごしているとき、自分のメンタルモデルがむき出しになって、凄くズキズキとした痛みを感じました。

「一体誰に認めてほしくて、昇進とかを狙ってゴリゴリ働いていたのか」

「自分が価値があると思えば、誰がどう言おうと関係ないのではないか」

…こうした違和感を抱いたからこそ、転職をしたり、ライフスタイルをドラスティックに変えようと踏み切れた気がします。

この行動や決断が、果たして「次の進化のため」なのか「価値なしモデルからの逃避」なのかはまだわかりません。

…が、次の進化のためのアクションを取った自分を「自己承認」してあげようと思います。

こう割り切りしつつも、1年後もう一度この本を読み返そうと思います。

また「1年に1回読み直す本」が増えました。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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