スキルアップ マインドセット 書評

【要約・書評】『「劇薬」の仕事術』足立 光

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この本で解ける疑問は?

  • マクドナルドを300億円の大赤字から、V字回復させた筆者の仕事術とは?
  • P&Gや外資系コンサルで見につく仕事のスタイルとは?


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『「劇薬」の仕事術』って?

世の中にはいくつか「人材輩出会社」と呼ばれる会社がありますよね。

優秀なOBOGをコンスタントに輩出し続ける会社のことです。

いくつかそういう会社はありますが、個人的に一番魅力を感じるのは「P&G」です。

私自身コンサル出身なのもあって、左脳一辺倒の考え方を矯正し直すのに苦心しているわけですが…

P&Gの方々の「論理と感性のバランス感覚」に、嫉妬と憧れの両方を強く感じるんですよね。

いわゆる無いものねだりです。

 

今回はそんなP&G出身のマーケターである足立 光氏が語る『「劇薬」の仕事術』をご紹介します。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

本書の中で特に心に刻みたいものを独断と偏見でピックアップしました。

  • すべての「選択」は自分が決めている。
    自分で考えて自分で決める。人と同じ選択をしない。考えの理由を問われたら「3つある」と答えるようにする。
    相手の効率性を最大にできる働き方をする。ワンページメモで、①目的、②背景、③結論、④理由を端的に示して、読み手の思考負荷をなるべく減らすようにする。
  • 「修羅場」が一番、人を成長させる。
    ストレスという言葉はないと考える。嫌な事があったときは、①出ていく、②ルールを変える、③我慢する、の3つしか選択肢がないと思う。
    「サプライズ」のある仕事をする。時間のかからないもの、すぐできる施策からやっていくことで、結果を重ねていく。その際、何か違うこと、プラスαを追加でやっていく。
  • 人の倍の速度で「成長」する。
    説得ではなく、理解を得る。仕事の意思決定は私情を入れてはならないが、人付き合いは義理人情を大事にする。
    上にお伺いを立てる必要はない。どのみち責任は自分が取りもの。であれば、正しいと信じることは、自分の権限内ならば、上の承認を得ずに勝手にやる。
  • マネジメントには「意志」がいる。
    感情で意思決定してはいけない。経営の意思決定は論理で行うべき。ただし、そもそもそれなりのポジションにいなければ、大きな意思決定はできない。
    数字で成果を測ることができない人員はいらない。評価するための明確な数字がないということは、要は達成したいことも、責任もない、ということを心得る。
  • どんな「逆境」でも、やりようはある。
    ポテンシャルを冷静に眺めてみる。大量の良いニュースがあれば、悪いニュースを見えなくすることができる。
    ヒントは世界中の成功事例になる。海外の成功事例や、過去や他業界の成功事例を紐解くのも、新しい「コト」のアイデアを得る1つの方法である。

いかがでしたでしょうか。

「え、ここまでやっていいの?」と感じるくらい、劇的な仕事術が沢山述べられています。

もちろん「劇薬」と書いてあるので、短期的に人から嫌われるなど「副作用」もあると思います。

しかし、短期的な「副作用」以上に、長期的な「希望」を作り出せる仕事術だなと感じました。

劇薬ですので、本書に書いてあることを1つでも実践できれば、大きな効果(と若干の反発)を生むことができるはずです。

是非、この劇薬を手に取ってみてほしいと、強くオススメできる一冊です。

学び

読み手のコストを最小限に抑えるコツ

個人的に、本書で紹介されていた「ワンページメモ」の効用に大いに共感しました。

この「ワンページメモ」のパターン、2つあると思います。

パターン1:目的⇒背景⇒結論⇒理由

これは、本書で紹介されていたパターンですね。

よく、人から質問された際や、意思表示をするシーンで使います。

パターン2:Why⇒What⇒How

提案書を作るときや、トレーニング資料に使うとき、人にお願い事をするときに使うパターンですね。

以下の3点を端的に伝えるわけです。

  • なぜやるべきか?…Why
  • 何をすべきか?…What
  • どうやってすべきか?…How

例えば、以前ご紹介した「スライド作りのコツ」もWhy⇒What⇒Howで展開しています。

Why、What、Howで頭の中を整理しておけば、「A4 1枚程度」「メールをスクロールしない程度」「口頭で30秒程度」「プレゼン用に30分程度」…と、シーンに応じて柔軟に対応できます。

ここまで考えに考え抜いておくと、読み手の貴重な時間や体力を奪わずに済みます。

時間は誰もが平等に持っていて、かつ限りある貴重なリソースです。

冗長で何を言っているかわからない文章で人を苦しめるなど、あってはなりません。

…と、ちょっと大袈裟に書きましたが、それくらいの気概を持っておくだけでも、文章がグッと引き締めるのではないでしょうか?


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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