この本で解ける疑問は?
- ロジカルシンキングを超える思考法とは?
- 解決策を考えることよりも大事なことは何か?
https://www.amazon.co.jp/dp/4838730810
『哲学シンキング』って?
物事を考えるうえで、一番大事なことは何か?
それは「解くべき問い」を見極めることです。
どれだけロジカルシンキングやらデザインシンキングに長けていても、解くべき問いを間違えていたら無意味です。
いかに美しい回答を書き上げても、解く問題が違っていたらテストでは0点です。
逆に言えば、解くべき問題さえ見極めることができれば、ほとんどの問題は解けたも同然です。
かの有名なアインシュタインも次のように語っています。
私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59 分を. 問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう
アインシュタイン
しかし、世の中に「問いの見極め方」について語った本はほとんど見かけません。
そんな中、最近やっと「問いの見極め方」をメインテーマにした本『哲学シンキング』と出会いましたので、ご紹介します。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 「哲学シンキング」はビジネスや日々の現場で現れる、さまざまなモヤモヤの糸をひもとき、思考を前に進めるためのメソッドである。
- STEP1「問いを集める」では、課題に対する「答え」ではなく「問い」を出していく。ぶっとんだ問いもどんどん書き出していく。
- STEP2「問いを整理する」には2段階の手順がある。
まず、似ている問いをグルーピングして整理する。
次に、解決策から遠そうなモヤモヤを感じる問いからスタートする。決して「解決策の出しやすい問い」に逃げない。 - STEP3「議論を組み立てる」では、哲学レコーディング=哲レコを描きながら、自分の考えを整理していく。
- STEP4「新しい洞察・視点を加えていく」 では、課題解決の前に必ず「問い」で「問題の中心」を整理していく。問いを重ねていく中で、真因を特定する。
いかがでしたでしょうか。
エッセンスだけを抜き出してご紹介しましたが、それだけだと100%の理解は難しいと思います。
本書は「おばあちゃんの和菓子屋の危機を救え」というテーマで、中学生の勘太くんが哲学シンキングを駆使しながら挑んでいく物語形式になっています。
具体例がふんだんに盛り込んであるので、「哲レコは、具体的にどう書いていけばよいのか」もすんなり理解できます。
是非、勘太くんと共に、哲学シンキングをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
学び
課題解決力<課題発見力
この「課題解決力<課題発見力」をどこかで見かけたことがある人もいらっしゃるかと思います。
そうです山口周氏の『ニュータイプ』ですね。
すでに解決策は飽和しており、レッドオーシャンになっている。
それよりも、課題を発見する力の方が相対的に貴重になってきていると。
確かに、今後もこの構図はますますハッキリしてくると思います。
例えば、これからの高校生なんかはロジカルシンキングやプログラミングを学んだうえで社会に出てきます。
「漏れなくダブりなく考える」「ピラミッドストラクチャーでコミュニケーションする」なんかは当たり前の世界になってくるのです。
そんな中で、どうすれば周囲と差別化できるのか?
それはやはり「課題発見力」つまり「良い問いを立てる力」だといえます。
では、どうすれば「良い問い」を立てることができるのか?
それはやはり「哲学」や「アート」を極めることだと思います。
自分の中から湧き出てくる感情に自覚的になって、ハッキリと言語化して、問いの形で表現する。
当たり前のように聞こえますが、非常に難易度が高い思考です。
この思考をとことん極めるためにも、「問う力」を鍛えるためにも、今回ご紹介した『哲学シンキング』は大きな武器になると思います。
私も今年は「問う力」を第一優先で鍛えます。
また良書を見つけましたら、真っ先にご紹介します。