この本で解ける疑問は?
- 日本の未来は暗い?それとも明るい?
- 日本の未来を明るくするための処方箋は?
https://www.amazon.co.jp/dp/4492396462
『日本人の勝算』って?
とある上司に勧められて読んだ本が、この『日本人の勝算』です。
最近は、こういった「マクロ環境の動向」を知れる本を読んでこなかったので、即購入して読んでみました。
ハッキリ言って、この本は日本人全員が読むべきです。
あまり「べき論」は好きじゃないので、いつも「オススメします」とか「〇〇な人は、読んでみてくださいね」くらいの書きっぷりでしたが…
この本、若者とか高齢者とか、そんな区分けは一切関係なく、日本人全員が読むべき本です。
「何となく日本の未来が不安だなー」と思っていた自分が恥ずかしくなる。
それくらい「現実」を突き付けられる本です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 日本が直視すべきパラダイムシフト(日本が直視すべき「パラダイムシフト(これまでの常識が大きく移り変わること)」は7つある。「デフレ圧力の常態化」「"高付加価値・高所得"資本主義への展開」「供給過剰を調整するための輸出振興」「企業規模拡大のためのM&A促進」「最低賃金引き上げて生産性を高める」「日本に好循環をもたらす"要石"の政策」「教育を子ども向けから大人向けに拡張する」の7つである。
- 中でも、特に我々が問題視しなければならないのが、「デフレ圧力の常態化」である。この要因は、需要側と供給側それぞれに存在する。特に需要側の中でも、「人口減少」が最も深刻である。人口減少が進むと、不動産価格が下がることで、物価全体に与える影響が増大してしまう。裏を返すと、人口が増えると、不動産価格が上がりやすくなるため、全体の物価上昇につながる。これは、不動産規制や物理的な制限などがあって、そう簡単に供給が増加しないためである(供給が限られている中、需要だけが増えると、価格が上がる)。
いかがでしたでしょうか。
正直、この本の構造全てを「ペライチ」に要約するのは難しかったです。なぜならば、1つ目のパラダイムシフト「デフレ圧力の常態化」の要因を1つ説明するだけでも、上の図のような丁寧な論理構造が構築されているからです。
これらのきめ細やかな論理構造全てを見える化しようとすると、おそらくA1用紙くらいは必要になるのではないでしょうか。
それほど、緻密な論理で、各国の論文データも用いながら、論を展開されている本です。
そしてもっと驚きなのが、これほど緻密で複雑な論理を展開されているのにも関わらず、「読みやすい」のです。
今回、この本をオススメする理由はこの2点です。
- 日本の未来について、蓋然性の高いストーリーで語られている
- 本来は複雑で専門的な内容のはずだが、この上なく「わかりやすい」
1人でも多くの方に、本書を手に取っていただけると幸いです。
学び
個人として何ができるか?やはり「生産性」がキーワード?
「デフレ圧力の常態化」を解消する鍵の一つは、「生産性向上」です。
ところで「生産性」とは何でしょうか?
「労働時間を減らすこと = 生産性を上げること」は間違い
よく「生産性向上のために、何をやっていますか?」と質問してみると、こんな答えが返ってきます。
- 仕事を減らして、残業時間を無くしました
- 自動化が進み、定時に帰れるようにしました
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれらの意見は「労働時間」のことだけをフォーカスしています。
ここには、間違った前提が隠れています。
「労働時間を減らすこと = 生産性を上げること」
これは間違いです。
「生産性 = 付加価値 ÷ 労働時間」が正しい
始めの問いに戻ります。
「生産性」とは何か?
答えはこれです。
「生産性 = 付加価値 ÷ 労働時間」
先ほどの議論は、分母の「労働時間」だけがフォーカスされています。
本来は、分子の「付加価値をどう上げるか?」も議論されるべきです。
しかし、この「付加価値」の議論が難しいことも事実です。
なぜならば、付加価値を測定する「確かなモノサシ」が存在しないからです。
ですので、「色々なモノサシの存在を理解し、それぞれのモノサシを持った人間が活き活きと働ける環境づくり」が重要になってきます。
例えば、『天才を殺す凡人』では3つのモノサシが登場します。
- 凡人が持つモノサシ=「共感性」
- 秀才が持つモノサシ=「再現性」
- 天才が持つモノサシ=「創造性」
「付加価値」は、これらのモノサシの組み合わせで生まれるものだと思います。
だからこそ、この3つのモノサシを持った人材が働きやすい仕組み・仕掛けを練っていく必要があります。
明日から取れるアクション1つ
- 自分が出せる「付加価値」の種類を書き出した後、その「付加価値」を上げるためのアクションを並べてみる