書評 番外編

紙1枚にまとめきれなかった3冊の良書たち


はじめに

もし本ブログに初めていらっしゃった方は、記事のタイトルをご覧になって「…ん、何じゃそりゃ?」を思われたかもしれません。

 

このブログでは、どんなビジネス書も「紙1枚=ペライチ」にまとめることをポリシーとしています。

例えば、下の図のイメージです。

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※画像をクリックすると、PDF版が開きます。

 

しかし実はですね…

  • 私の技量不足で「ペライチ」にまとめきれなかった本たち
  • いや、そもそも「ペライチ」にまとめることすらおこがましい、素晴らしき本たち

…そんな本たちが本棚に、ずっと大事に保管されています。

このブログは「良書と出会うきっかけ」を提供することが目的のはずです。

それにも関わらず、「"ペライチ"にまとめきれなかったから」という私のくだらないプライドを理由にご紹介しないのはおかしい。

このような経緯で、今日は「紙1枚にまとめきれなかった3冊の良書たち」をご紹介します。

『企業参謀』大前 研一


https://www.amazon.co.jp/dp/4833416948

この本は、誰がもがよく知る大前 研一氏の代表作です。

おそらく「経営戦略」を語ったものとしてはこれ以上の本はありません。
バイブルです。

本書のさらに恐るべきポイントは、著者が30歳~31歳の頃に書き留めたメモがベースになっている点です。

30代前半で、これだけ高い視座を持って物事を広く深く見通している…この事実に驚きを隠せません。

なんせ普段の床屋で髪を切っている瞬間も、「床屋ビジネスの不合理な点」を抽出して、まだその時代に存在しないQBハウスのビジネスモデルを予見しているわけですから…

 

この本は未だに何度も定期的に読み直していますが、消化不良のままです。

いつか本書のエッセンスを紙1枚にまとめきれるよう、研鑽を積みたいものです。

『意思決定のための「分析の技術」』後 正武


https://www.amazon.co.jp/dp/4478372608

「分析の本質を知りたい」

そう思われる方には、この一冊をオススメします。

本書いわく、分析とは「物事の実態・本質を正しく理解するための作業」の総称だそうです。

具体的には、こんなエッセンスが紹介されています。

  • 大きさを考える
  • 分けて考える
  • 比較して考える
  • 時系列で考える
  • バラツキを考える
  • プロセスを考える
  • ツリーで考える

約20年前に書かれている本ですが、どのエッセンスも未だに使われていますね。

これらのエッセンス1つ1つを、ビジネス・政治・環境問題…と分野を問わない具体例を用いながら説明する。

そんな「底知れぬ筆者の技量」には頭が上がりません。

おそらくこれからも、このエッセンスが変わることはないでしょう。

この本も1年に1回、定期的に読み直しをしている一冊です。

『「ミライの兆し」の見つけ方』御立 尚資


https://www.amazon.co.jp/dp/4296103652

これは最近発売された本ですね。

久しぶりに「ペライチ」に整理しきれない本に出会いました。

筆者の御立 尚資氏は、「未来を見通す千里眼の持ち主」と称して差し支えないでしょう。

例えば、去年から今年にかけて、Googleが「データ寡占」でEU競争に引っかかってしまいましたね。

これを2017年時点で、御立氏は予見していたそうです。

…この千里眼はどうすれば手に入るのか?

この本は日経ビジネスオンラインの記事をまとめたものなので、具体的な方法は書かれていません。

しかし、何度も読み直すうちに、筆者のモノの見方の「輪郭」が少しずつ浮き上がってくるときが来るのかもしれません。

そのときが来るまで、鍛錬を積むのみです。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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