この本で解ける疑問は?
- 研修でもビジネス書でも散々学んだスキルを使っても、人が動いてくれないのはなぜ?
- 日本企業ならではの文化を踏まえ、人を動かしていくスキルとは?
『ダークサイド・スキル』って?
中二病筆頭の私の心を鷲掴みにしたのが、本書のタイトルでした。
「裏技」「闇」「ダークサイド」…こういったキーワードが潜在的に好きなんでしょうね。
まあ、半分冗談ですが、残り半分は次の問いを抱いていたことが、本書を手に取ったきっかけです。
「論理思考やコミュニケーションの本を読んでも、何かしっくりこない…なんで?」
この問いに答えるカギとなるのが、本書でいう「ダークサイド・スキル」でした。
- 日本の会社が持つ「古い価値観」を良い方向に作用させるには、ミドルリーダーたちが「ダークサイド・スキル」を発揮する必要がある。
- 論理思考やプレゼンテーションスキルのような「ブライトサイド・スキル」に対して、「ダークサイド・スキル」は人を動かすために必要な泥臭いスキルを指す。
- 「ダークサイド・スキル」は、1)思うように上司を操れ、2)KYな奴を優先しろ、3)「使える奴」を手なずけろ、4)堂々と嫌われろ、5)煩悩に溺れず、欲に溺れろ、6)踏み絵から逃げるな、7)部下に使われて、使いこなせ…これらの7つの要素から成り立つ。
いかがでしたでしょうか?
個人的には、本書の後半部分の「良品計画・松井忠三氏×IGPI・木村尚敏」の対談を読んだことで、学びが一気に深まりました。
経営者が置かれている「残酷なほどリアルな現場」において、どうやって「ダークサイド・スキル」を発揮していくか。
これが、実にナマナマしく、記されていたからです。
学び
このビジネス書を通して、次の学びを得ました。
「ブライトサイド・スキル」と「ダークサイド・スキル」の役割分担
- 「ブライトサイド・スキル」の役割=わかってもらうこと
- 「ダークサイド・スキル」の役割=動いてもらうこと
元々、外資系コンサルティング会社でキャリアをスタートさせたこともあって、
これまで、本書でいう「ブライトサイド・スキル」を中心に磨いてきました。
仮説を立て、分析やインタビューを通して実証し、美しいストーリーと共に資料をまとめ上げ、クライアントにプレゼンする。
これらは、相手に「わかってもらう」ために必要なスキルです。
しかし、「わかってもらった」として、「動いてもらえる」とは限りません。
理解はできても、納得はできない…よく耳にする状態ですね。
そんな状態を解決に導いてくれるスキルこそが、「ダークサイド・スキル」だと、やっと理解できました。
ところで、こういったスキルは、結構「暗黙知」になりがちだと思うんです。
そんな暗黙知を、「ダークサイド・スキル」としてまとめ上げた筆者の力量には頭が上がりませんね。
今一度、「自分の中に、暗黙知のままになっているスキルは無いか?」を問い直してみようと思います。
(いわゆる、ジョハリの窓の「盲点の窓」ですね)
明日から取れるアクション1つ
- 「盲点の窓」について、同僚からフィードバックをもらってみる