この本で解ける疑問は?
- ただの箇条書きと、超・箇条書きとの違いは?
- 10倍速く、魅力的に伝える方法とは?
『超・箇条書き』って?
以外と毎日使っているのが、この「箇条書き」。
メール、パワポ、ワード、エクセル、そして口頭でのコミュニケーション…あらゆる場面を下支えする存在です。
そんな「当たり前」なスキルこそ、いついかなる場面でも頼りになります。
今回は、そんな「箇条書き」について触れてみます。
では、本書で紹介されている『超・箇条書き』と、普通の箇条書きとの差は、何なのでしょうか?
ずばり、普通の箇条書きとの差は、(構造化)×(物語化)×(メッセージ化)の3要素を網羅している点です。
いつも使っている箇条書きで、ここまで意識できている方は少ないのではないでしょうか?
- 「構造化」は、言葉や文章のレベル感を整えること。「自動詞と他動詞の使い分け」、「直列と並列で時間軸を整える」、「ガバニング(ポイントの数を宣言)」を意識するだけで、文の構造を大きく整理できる。
- 「物語化」は、相手の関心ポイントを仕込むこと。「イントロ」、「MECE崩し」、「固有名詞」を埋め込むことで、読み手/聞き手に当事者意識を植え付けることができる。
- 「メッセージ化」は、無難に走ることなく、自身のスタンスを明確に示すこと。「隠れ重言の排除」、「否定で退路を断つ」、「数字」によって、相手のアクションを促進できる。
明日から活用できて、一生モノにできるスキルが、この『超・箇条書き』です。
役員会議でもシリコンバレーでも通用するこのスキル、是非この威力を試してみてはいかがでしょう?
学び
このビジネス書を通して、次の学びを得ました。
必ずしも「MECE」がいいとは限らない
特に学びが大きかったのが「MECE崩し」でした。
MECE(=漏れなくダブりなく)は、ビジネスの情報を網羅的に整理する考え方です。
一見、非の打ち所がない、素晴らしいツールに見えます。
ですが、あまりにMECEに拘りすぎると、ただのビジネスバカになってしまいます。
例えば、「今後の営業の改善策について、Aさんが上司に報告するシーン」を想定してみます。
AさんがMECEに報告しようとすると、次のような報告になります。
4つの改善策をとる
- 大口の顧客には、先輩社員に協力してもらって価格交渉し、販売単価を上げる
- 中堅の顧客には、関連商品も併せて提案し、販売数を伸ばす
- 小口の顧客には、今までどおりコンタクトをとり、販売を推進する
- 超小口の顧客にも、今までどおりコンタクトをとり、販売を推進する
(125ページ)
このとき、もし、Aさんと上司との間に、すでに
「大口と中堅顧客へのアタックが課題」
…と、共通認識があった場合はどうでしょう?
その場合、わざわざMECEな報告に拘らなくても、次のように伝えればOKです。
2つの改善策に集中する
- 大口の顧客には、先輩社員に協力してもらって価格交渉し、販売単価を上げる
- 中堅の顧客には、関連商品も併せて提案し、販売数を伸ばす
(125ページ)
また、そもそも「大口や中堅顧客に集中して業績を伸ばすのが営業戦略の定石」です。なので、小口や超小口に対する策は「伝える必要のない情報」とも言えます。
「考える」フェーズでは、MECEは非常に有効なツールです。
しかし、「伝える」フェーズでは、時にMECEが、相手の理解を妨げるノイズになることもある。
MECEはあくまでも手段であり、目的ではない。
このことを改めて、思い知らされました。
明日から取れるアクション1つ
- 自分の箇条書きを、「構造化」「物語化」「メッセージ化」の3点で、必ずセルフチェックする(まずは今週欠かさずやってみる)