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【要約・書評】『発想力』大前 研一

この本で解ける疑問は?

  • AI時代に必要な能力をあえて一つ挙げるなら、どれ?
  • 「0から1を生み出す」…ってどうやって?
  • 天才でなくても真似できる「発想」の方法って?

『発想力』って?

この本は、「他のブログとどう差別化させるか?」「本ブログのコンセプトはどうするか?」の着想を得るために手に取ったものです。

著者の大前研一氏は、世間で「天才」と呼ばれる人物の一人です。
一次情報となったソースは不明ですが、IQ216という噂もある方です。

そんな人物が書いたんだから、「天才がいっていることは、やっぱりよくわかんない、となるのでは?」という不安を抱きながら、本書を読み進めました。

結果的に、「本書がいっていることには、再現性がある」ことを確かめることができましたので、ここに紹介いたします。

「発想力」という雲を掴むようなテーマに「再現性」を持たせた点では、天才と言わざるを得ませんね。

-Why-なぜ書かれたのか?

本書の「まえがき」には力強く、こう記されている。

明治時代の欧米に追いつけ・追い越せから戦後の加工貿易立国、そして高度経済成長期の大量生産・大量消費時代までは、従来の延長線上でひたすら頑張ればよかった。だが、これからの時代は、前述したように、いま人間がやっている仕事の大半はAIやロボットに置き換えられてしまう。

しかも「人生100年時代」と言われ、今や何歳になっても新しいチャレンジやリブート(再起動)、リスタート(再出発)が必要になっている。つまり、学生だけでなく、若手や中堅からベテランまですべての年代で、AIやロボットにはできない「0から1(無から有)」を生む発想力と問題を解決する「セオリー・オブ・シンキング」が求められるのだ。(9ページ)

つまり「対AI競争力として、0から1を生み出す力を身につける方法」を伝授することが、本書の目的と読み取れます。

-What-なにをすべきか?

ここで、「0から1」を生み出す力について詳しく見てみます。

この力を身につけるにあたり、筆者は11個の「基本」があるといいます。
この「基本」を「ペライチ」にまとめたものを図1に示します。

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図1

「こんなにあるのか」というのが率直な感想でしょうか?

一気にできるようになるのは厳しいので、「1つずつの精神」でトレーニングを積みましょう。

本書には、各章でトレーニングの例題も用意されていますので、是非取り組んでみてください。

-How-どのようにすべきか?

ここでは、11個目の「構想」に注目してみます。図2をご覧ください。

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図2

日ごろ何気なく使っている「構想」という言葉ですが、これは「構想>コンセプト>ビジョン>事業計画」というくらい、大きな概念だそうです。

このような摑みどころのない「構想」について、筆者は次のように注意しています。

ただ、注意したいのは、「構想」は「自分の頭の中に描いた絵」にすぎないということだ。したがって、口で説明するだけでは理解してもらうことが難しい。イラストやCGにして見せていくのが、1つのテクニックだ。そもそも「見えていないもの」について語るわけだから、視覚化が大切なのである。"見える化"することで「見えないもの」が徐々にイメージとして人の心に伝播していく。構想が人に伝えられてコンセプトやビジョンになり、事業へと発展していくのである。(207ページ)

つまり構想とは「見えないものを、見える化すること」を指すようです。

この「構想」について、実際の経営者を例に出しながら紹介されています。

■ビル・ゲイツ/マイクロソフト創業者

  • 実際に見えていたもの=コンピューターは特別なもの。
  • 他人に見えないもの(構想)=すべてのデスクと家庭にコンピューターがある。必要な時に必要なソフトウェアを使える。(219ページ)

(中略)

■孫正義/ソフトバンクの創業者

  • 実際に見えていたもの=インターネットでできることは限られている。
  • 他人に見えないもの(構想)=すべての生活シーンがインターネットでつながる。(221ページ)

いかがでしたか?

「具体的なイメージは沸けども、実行は難しそう」というのが率直な感想かと思います。
しかし、一方で「訓練すれば、少しずつできるようになりそう」とも思えたのではないでしょうか?

本書はいくつもの企業の事例を用いながら、「0から1が生み出された具体例」を示してくれます。

こうした「事例の豊富さ」こそが、日本のコンサルタントの第一人者である大前研一氏の著書の「価値の源泉だと思います。
是非、この「価値」を体感してみてはいかがでしょう。

 

学び

本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。

まずは「ユーザーの目的」から考える

本書で何度も出てくる「ユーザーの目的」「目的関数」というキーワード。
紹介されている方法論は、いずれも「ユーザーの目的」が起点です。

そこで本ブログでも、「ユーザーの目的」を考えてみます。

ブログという概念を取っ払って、「本についての情報を調べる目的」を考えてみると、

  • 本を買うかどうかの意思決定をすること

…が目的として浮かびます。

ですので、「ユーザーが、本を買うかどうかの意思決定を手助けすること」の1点に絞って思考を進めてみます。

本ブログの価値を「構想」してみる

次に実践したみたのが、「構想」です。

つまり、本ブログを通して実現する「まだ見えていない世界観」を「見える化」するわけです。

その営みの結果出てきたものが、何度か紹介している図3の絵です。

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図3

つまり「デジタルの世界で、本を買うために必要な情報量を得ることができる世界」を構想したわけです。

とても大袈裟に表現しましたが、要は、こういう「見えないものを、見える化する訓練」を積むことが、「0から1を生み出す」ことに繋がります。

明日から取れるアクション1つ

  • 小さなテーマでもいいから、1日1つ「構想」してみる

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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