この本で解ける疑問は?
- 副業ってブログ以外にどんな選択肢があるの?
- 大学講師って博士課程を取らないと、なれないんじゃないの?
- 副業に大学講師って、どんなメリットがあるの?
『一生モノの副業』って?
このビジネス書は、「副業について、より多くの知識を得たい」という動機から手に取りました。
知識が浅はかであったため、「副業としての、大学講師」はあり得ないと勝手に思い込んでいました。
しかし、その勘違いを見事にひっくり返してくれたのが、この『一生モノの副業』でした。
では、早速、本書の「ペライチ」を図1に示します。
-Why-なぜ書かれたのか?
本書の冒頭には次のことが書かれていました。
- 自分も大学で登壇したい!
- サラリーマン生活で学んだ実学を伝えたい!
- 士業を営んでいるけど、生活を守る法律を伝えたい!
- 自分のコンサルタントの経験を社会に出たときに役立ててほしい!
あなたが積み上げてきた経験や知識を若い世代につなぐことは、未来をつくることです。学生のためにそれらを伝えてあげたいと考えているなら、
- 大学で登壇するためには、どうすればいいか?
- 大学以外の高等教育機関で登壇するためには、どうすればいいか?
- 大学講師に求められる能力は?
- 人気講師とダメ講師の決定的な違いは?
などを書いた本編を読んでみてください。必ず役に立つ情報がこの一冊に詰まっています。(8ページ)
つまり「副業として大学講師を一つの選択肢として認知してもらう、そこに辿り着くための方法論を学び取ってもらうこと」が本書の目的と読み取れます。
-What-なにをすべきか?
タイトルからも、本書の結論は「副業やるなら、一生モノになる大学講師がおすすめである」ということがわかります。
では、なぜ大学講師が「一生モノ」といえるのでしょうか?
「ペライチ」をズームインしてみます。図2をご覧ください。
どうやら金銭的な有形資産というよりは、目に見えない無形資産に価値があるようです。
例えば、「教えることが大好きだけど、中々社内で教える機会を作ることができない」という方にとっては、図2に述べたメリットは大変魅力的ですよね。
金銭面といった有形資産は本業で担保し、やりがいやネットワークといった無形資産は副業で担保する。
こうした「自分の人生のポートフォリオ」を考えるうえで、大学講師という選択肢が有力だからこそ、筆者は「一生モノ」と表現しているのでしょう。
-How-どのようにすべきか?
大学講師が一生モノの副業である理由はわかったとして、では、どのようにして副業として実現していけばよいのでしょうか?
どうやって「講師」になるのか?
この答えについては、図3をご覧ください。
大学の非常勤講師だと、学術論文の有無や出版経験などのハードルがありますが、専門学校の場合は必ずしも学術論文が求められないなど、学校の種類や契約形態によって難易度が大きく異なります。
ただ、図3からわかる通り、難易度問わず、大学のキーパーソンや登壇者との関係構築、つまり「コネ」「つながり」「ネットワーク」が求められる世界のようです。
ですので、
- 社会人大学院に入学したり、講義に参加したり、教授や講師との接点を作る
- 登壇している教師や講師に声を掛け続ける
…という地道な行動が求められます。
20人に声をかけて、1人だけでも「話を聞こう」と言ってもらえれば成功。
これくらいの根気強さが必要です。
一方で、教授や講師との関係構築に成功すれば、公式の求人応募よりも何倍も有利になることは間違いないでしょう。
どういう能力が必要か?
次に、大学講師になるにあたり、必要な能力について、図4をご覧ください。
個人的に面白いなと思ったのは「一理三例」の原則でした。
よく、わかりやすい話の仕方として「PREP法」が挙げられます。
これは、次の順番で話すテクニックをいいます。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
本書では、この1つのReason(理由)に対してExample(具体例)を3つ挙げよ、といっているわけです。
確かに、人間は、自分の経験や知識と結び付けてしか、物事を理解できない。
だからこそ、具体例を3つ挙げることによって、「聞き手の経験や知識と結びつく確率」を高める必要があるのでしょう。
社会にまだ出ていない若者に対して、社会の実学を教える場合は、特に求められる能力ですね。
学び
本ビジネス書を通して、次の学びを得ることができました。
数ページでもいいから、本は好き嫌いせずに読んだ方がいい
冒頭にも述べたように、本書は「副業について、より多くの知識を得たい」という動機から手に取りました。
現在、「副業」「複業」「マルチプルワーク」「パラレルキャリア」というキーワードにハマっているためです。
先日ご紹介した『人生が変わる2枚目の名刺』も、上述の興味関心から手に取りました。
しかし、実際に『一生モノの副業』を読んでみると、「副業」や「パラレルキャリア」という文脈よりは、「大学講師になる意義や、ハードルを越える方法」という文脈が強かった。
これは想定外でした。
つまり、「本書を読む前に掲げていた目的」は正直達成できませんでした。
ただ一方で、「想定外の学び」を得ることができたことも、また事実です。
これが仕事だと、「目的からズレること」は最もやってはいけないことです。
許されないことですし、マイナスはあってもプラスはほぼゼロです。
(失敗できた、という点ではプラスかも)
しかし、読書は「目的からズレてもいい」わけです。
むしろ、「目的からズレた学び」は、自分の視野拡大に大いに役立ちます。
- 目的通りだったら、知見が「深まる」
- 目的とズレていたら、知見が「広まる」
…よっぽどの「駄本」と出会わない限り、読書にはプラスの効用しかありません。
仮に自分にとって「駄本」であれば、数ページ読んで、諦めて、売るなり貸すなり捨てるなりすればよいわけです。
下記の「良書の選び方」について、「目的に合っているかどうか」を基準に入れていないのは、上述のプラスの効用が理由です。
以上の理由から、「数ページでもいいから、好き嫌いせずに本を読む」ことが重要なのです。
明日から取れるアクション1つ
- 小説に全く興味はないが、妻に先日薦められた『コンビニ人間』を読んでみる