この本で解ける疑問は?
- そもそも「仕事ができる人」って、どんな人?
- 日々指摘されすぎるんだけど、なにから手をつければ?
- 今日からすぐできる工夫って?
- どうしたら、仕事が楽しくなる?
『「仕事ができるやつ」になる最短の道』って?
-Why-なぜ書かれたのか?
本書の目的について、筆者は次のように述べています。
マスメディアや本、ネットには「偉大な成功者たち」のエピソードが数多く並んでいる。私もかつてはそのような方々に憧れを持ち、情報に飛びついた。
しかし、長く働くうち、「偉大な成功者たち」に関するエピソードよりも、身のまわりにいる、普通の人々に学ぶことのほうがはるかに多いこともわかった。
(中略)
一度に大きな変化を起こることは誰にもできない。何かを成し遂げようとするならば、それなりの準備や時間をかけて物事に取り組む必要がある。
この本の目的は、仕事で悩みを持つ方々の一助となることである。
(8ページ)
つまり、わざわざハードルが高そうな「偉大な成功者たち」の真似をしなくとも、時間をかけて、ちょっとした工夫をコツコツ積み重ねていけばいい、ということでしょう。
ちょうど、ジョブズのプレゼン術の本を読んで、「無理だこりゃ」と落ち込んでいたところだったので、これは朗報です。
では、筆者が述べている「普通の人々に学ぶこと」とは、どういったものでしょうか?
-What-なにをすべきか?
筆者は章立てにおいて、やるべきことを時系列に沿って、提示してくれています。
第1章:今日からできること…決意する
第2章:1週間程度でできること…小さな変化を起こす
第3章:1か月以上しっかりと取り組むべき事…信頼を積み上げる
第4章:1年程度かけてじっくりと取り組むこと…努力を結果につなげる習慣
第5章:3年は取り組むべき大きなテーマ…リーダーシップとマネジメント
第6章:一生かけてやる価値のあること…仕事で良い人生をつくる
(9ページ)
時系列で「順番」を示してくれているので、とっつきやすいですよね。
ここでは、即効性がありそうな、第1章:今日からできること…決意する、について詳しく見てみます。
-How-どのようにすべきか?
第1章のテーマ「決意する」。確かに、「決めるコト」くらいであれば、今すぐできそうです。
「21時以降、スマホをいじるのはやめる」「タバコをやめる」…といったように。
「継続できるか?」は次の論点として、とりあえず「決意」しないことには始まらない。
だからこそ、「今日からできること」として書かれているのでしょう。
この「決意する」の具体的な内容として、個人的に次の言葉が印象的でした。
「やってみたい」は迷信、「やってみた」は科学(23ページ)
この言葉を、筆者は次のように補足しています。
- やってみれば、データが取れる。それをもとに、もっとうまいやり方を考えられる。
- やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。
(26ページ)
確かに、一度「やる」と決意して、とりあえず「試してみる」と、実にいろいろな学びを得ることができます。
最近書き始めたこのブログも、まさしくそうです。
一回「やってみる」と、「10人アクセスしてくれ、そのうちの9人は20:00前後に読んでくれている」みたいなデータが取れます。最低でも「誰もアクセスしてくれない」というデータは手に入ります。
すると、「次も20:00に投稿してみよう」「誰もアクセスしてくれないなら、twitterにリンクを載せてみよう」など、次の行動に一歩グレードアップすることができます。
こうした「やってみることによるメリットや意義」を理解しておくこと自体が、「決意すること」のコツなんだと思います。
他にも、第2章の「会話のコツは2つだけ」など、「理解するのは簡単だけど、奥が深い」ノウハウが、このビジネス書にはたくさん詰まっています。
学び
私がこの本と出会ったきっかけは、社会人2年目で、しかもすごく打算的な考えからでした。
1年以内に結婚式の費用を確保したい。そのためには、ボーナスをたくさんゲットしないといけないし、最短で昇進しないといけない。そのためには、早く「仕事ができる人」にならないといけない。
…なんていうお恥ずかしい動機で、気づいたら「仕事ができる」で検索していました。
そんな軽いような重いような気持ちで読んだ本で、一番気に入った学びが、先ほどご紹介した「やってみたい」は迷信、「やってみた」は科学でした。
ちょうど社会人2年目の後半に、最先端のマーケティングのツールを使ったプロジェクトを任せていただきました。
お客様が、とあるシステム会社からツールを購入したものの、使い方がわからず、2年ほど放置していたそうで、「〇〇さん、これ、使い方教えてよ。」と頼んでいただきました。
ところが困ったことに、お客様はもちろん、グローバルファームとやらの自社にも、そのツールに詳しい人が誰もいませんでした。
ググっても、出てこない…。
そんなときに、「やってみた」は科学という言葉を思い出し、とりあえずツールに表示されているコマンドやボタンを全部押してみました。
そして、押してみた結果を、そのまま資料化して、お客様に説明したら、すごく喜んでもらいました。
運よく、この出来事なんかが評価されて、さっき述べた「お恥ずかしい動機」を達成することができました。
まあ、こんな自己満なエピソードは端折っていただいて、何が言いたかったかというと、誰もよく知らない領域をやると、出来栄えが30点でも、十分価値提供ができるということです。
明日から取れるアクション1つ
- 「第2章:1週間程度でできること」に書いていることを、1つだけ試してみる