「他人任せな抽象的な質問は嫌いです」
こう思うシーン、こう思われるシーン、たくさんありますよね。
他人任せで読み手に負担を強いる文章を書いてしまって、相手に「クソが!」と思わせてしまうシーン。
今回は自戒の念を込めて、「読み手に余計な負荷をかけてしまう文章」を書き留めておこうかと思います。
「補足」を多用する
よく文章中に「補足」って使う人、いますよね。
あれ、あんまり好きじゃないんですよね。(といいつつ、私も使っちゃうことがあるので、反省しているのですが)
なぜなら、「補足」を使うときは、「適切な枠組みが思いつかないとき」だから。
「文章のどこに書けばいいか、よくわからん」
「でも、書いておかないと後で何か言われそうだから、とりあえず補足に書いておくか」
・・・これが、「補足」を使うときの王道パターンです。
要は、上手く分類とか枠組みを作れないから、やむを得ず「その他」的な扱いとして使うもの。
それが「補足」なわけです。
で、読み手からすると「補足」って文章に書いてあると、読解するのが面倒なんですよ。
例えば、仕事の依頼のメールに、3つのことが書かれていたとします。
- お願いの背景
- お願い事項
- 補足
この場合、「補足」が
- 「お願いの背景」に関連する話なのか
- 「お願い事項」に関連する話なのか
- どちらにも関連しない、まったく別の話なのか
を、いちいち、読み手が解釈して埋め合わせないといけないんですよね。
当然、解釈が必要であればあるほど、文章を読み解く負担は大きくなります。
哲学書とか古典であれば、解釈の余地があるほうが読み応えがあるのですが、
ビジネス文書とか仕事のやりとりであれば、解釈の余地は少ないほうがよいでしょう。
「補足」という言葉はなるべく使わない。
「補足」に逃げない。
ちゃんと考え抜いて、適切な枠組みで整理しながら文章を書く。
こういう習慣を持っておけば、おのずと「補足」は減っていくはずです。
「確認をお願いします」とだけ書いて、依頼する
「この資料、確認をお願いします」
「以上、ご確認をお願いします」
普段何気なく使っているこれらの言い回し。
実は、知らず知らずのうちに、読み手に余計な負担をかけてしまっていることがあるんですね。
なぜなら、「いったい何がどうなっていることを確認すればいいか」がわからないからです。
私もコンサル会社にいたころ、「確認をお願いします」と書いて依頼して、ハッとさせられたことがあります。
システムを導入するプロジェクトをやっていたときの話です。
クライアントにプロジェクトの進捗報告するための資料を30ページくらい作って、上司にレビューをお願いしたんですね。
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私「Aさん、来週の進捗報告資料できたので、確認をお願いします」
Aさん「確認って、何を確認すればいいの?」
私「え、だから、進捗報告の資料です」
Aさん「30ページ全部確認するの?あと"確認"って、プロジェクトの進捗が正しく書かれているかを確認すればOK?それとも、誤字脱字がないかだけ見ておけばいいの?」
私「えっと、主に20~25ページの"X機能の開発に進捗に遅れが出ている要因とリカバリー策"の部分に納得感があるかを確認してほしいです」
Aさん「その確認であれば、まず"内容の正しさ"については、エンジニアのBさんにお願いしたほうが確実だね。"クライアントにも伝わる表現になっているか"は僕でも確認できるけど」
私「そうですね。まずはBさんに確認をお願いしてみます」
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このやりとりでの学びは「読み手が持っている知識量や権限によって、確認できる範囲が変わる」ということです。
単なる誤字脱字がないかの確認であれば、上司でなくても確認は可能ですし、
1機能の開発状況みたいな細かい話であれば、その機能を担当しているエンジニアが一番詳しいでしょうし、
最終的に報告資料にGOサインを出せるのは上司だけです。
こんな風に、読み手が持っている知識量や権限が異なるわけです。
そんな中「確認をお願いします」とだけ書かれて依頼をされると、「私は何の立場で、何がどうなっていることを確認すればよいのか」がサッパリわかりません。
だからこそ、
- 何がどうなっていることを確認してほしいのか?
- その確認をお願いするにあたり適切な相手は誰なのか?
この2つを明らかにしたうえで、「具体的に何がどうなっていることを確認してほしいのか」まで書いて依頼をする。
そうすると、確認をお願いされた側も、スムーズに確認ができます。
箇条書きで「・」と「1,2,3」の使い分けができていない
箇条書きには大きく2パターンあります。
- XXX
- XXX
- XXX
と書くやつと
- XXX
- XXX
- XXX
と書くやつです。
この2つの使い分けができていないと、読み手に余計な負担を押し付けることになります。
まず、番号には「順番」の意味が込められています。この点を理解せずに、以下の文章を書いたとします。
- A機能を開発する
- B機能を開発する
- C機能を開発する
書き手としては、「A機能~C機能は同時並行で開発する」という前提を置いていたとしましょう。
でも読み手からすると、番号が振られているので、「A機能~C機能を順番に作っていくのかな」と思っちゃいますよね。
あと、質問を複数したいときに、以下のように書いたとします。
- A機能の開発が難しい理由はなんでしょうか?
- B機能はいつまでにリリースされますでしょうか?
- C機能の要件定義はいつごろスタートしますでしょうか?
すると、質問された側は、以下のような返信をしなければなりません。
>A機能の開発が難しい理由はなんでしょうか?
XXXという理由で難しいです。
>B機能はいつまでにリリースされますでしょうか?
XXXまでにリリース予定です。
>C機能の要件定義はいつごろスタートしますでしょうか?
XXXごろにスタート予定です。
こんな感じで、いちいち質問を引用してコピペしなくてはなりません。
でも、
- A機能の開発が難しい理由はなんでしょうか?
- B機能はいつまでにリリースされますでしょうか?
- C機能の要件定義はいつごろスタートしますでしょうか?
みたいに質問をしてもらえると
1については、XXXという理由で難しいです。
2については、XXXまでにリリース予定です。
3については、XXXごろにスタート予定です。
こんな感じで、サクサク回答できます。
「細かいな、大した差じゃないでしょ」と思うかもしれません。
でもメールとかチャットを毎日数十件さばかないといけませんから、こういう積み重ねが大事だと思うんです。
以上、「読み手に余計な負荷をかけてしまう文章たち」を紹介してきました。
今後も何か見つけたら、この記事に追記していこうと思います。
皆さんも「こう書かれて苦労した」と思う文章があれば、ぜひ問い合わせフォームとかに書いてもらえると嬉しいです。