スキルセット ナレッジセット マインドセット 書評 独断MVP

【図解つき】Audibleのビジネス書おすすめ9冊を厳選してみた

(画像出典:https://unsplash.com/photos/2ALQUTD5MKc)

ちょうど先日、子どもの寝かしつけ中にAudibleを使っている友人から依頼がありました。

「Audibleで出ている本で、おすすめのビジネス書を教えてくれ」と。


Audible(オーディブル)とは、Amazonが提供しているオーディオブックサービスのことです。

散歩・ランニング中、通勤中、家事中などに、耳で読書ができます。

そんなAudibleで聴けるビジネス書を10冊厳選してみました。

すべて、私が実際に読んでみた本です。

…とはいえ、「本の選定基準」がないと不安かと思いますので、簡単にご紹介します。

おすすめ本の選定基準

今回おすすめのビジネス書を選定した基準は3つ。

基準1:ビジネスの基礎力を底上げしてくれる本であること

BIZPERA(ビズペラ)では、「マインドセット」「スキルセット」「ナレッジセット」の3つの枠組みを網羅する形で、ビジネス書評を提供しています。

以下のカテゴリーマップをご覧いただくことで、「自分は今、どのビジネス筋力を鍛えようとしているのか」を見える化できます。

今回はこのマップに沿って、おすすめのビジネス書をご紹介します。

基準2:良書の基準を満たしていること

BIZPERA(ビズペラ)では、おすすめのビジネス書を「わかりやすさ×深さ」の2軸で選定しています。

f:id:logichan:20201127170538p:plain

もう少し具体化すると、以下のチェックリストを使って、なるべく「わかりやすさ」と「深さ」を担保できるよう努めています。

f:id:logichan:20190908192445p:plain

もし、本の選定基準をもう少し詳しくしたい方がいらっしゃれば、こちらの記事も是非ご覧ください。

ビジネス書の良し悪しを見抜く「2つの軸」とは? - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで

基準3:音声で聞きやすい本

3つ目の基準が、音声で聞きやすいかどうか。

例えば、「図解がたくさん使われている本」は、目で見て読んだ方が理解がスムーズです。

音声だけで聞いても、スッと内容ができる本に絞ってみました。

マインドセット編

①『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン

最近忙しいから、もっと生産性を上げるべく、時間術の本でも読もう。

そう思っている方には、こちらの本をご紹介したいと思います。

本書の根っこにある考え方は「時間を支配しようとすればするほど、時間の支配が効かなくなる」というものです。

つまり、「時間は支配できるものである」という前提に立っている「生産性を上げる技術」とか「タイムマネジメント術」みたいなものは、無意味である。

これが本書のスタンスです。

例えば、メールを効率よく返信する方法を学べば学ぶほど、より多くのメールを捌く必要が出てきて、結果的に大量のメールに圧殺される。

ToDoを効率よくこなせばこなすほど、より多くのToDoの処理を期待されて、ToDoの海に飲み込まれる。

自由時間をより多く確保するための生産性の技術が、気づけば、自由時間をより少なくしている。

これが「生産性の罠」であると、筆者は表現しています。


Audibleを使用しているあなたも、まさに「生産性高く、本をインプットしたい」と思っている一人かもしれません。

そんなあなたにこそ、「生産性の罠」に一度触れてほしい。

そう思い、こちらを一冊目に紹介させていただきました。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

レビュー『限りある時間の使い方』

②『転職の思考法』北野 唯我

次に、キャリア系の本です。

キャリア系の本は、おすすめの本が多くて、どれをピックアップするか相当悩みました。

【マップつき】20代のぼくが同世代に本気でオススメしたいキャリア本5冊

そのなかで、音声で一番聞きやすい本として『転職の思考法』を選びました。

本書は物語形式で記されているので、音声で聞くのにも最適かと。


そんな本書は、転職の際に欠かせない物差し「マーケットバリュー」について語っています。

具体的には「マーケットバリュー=技術資産×人的資産×業界の生産性」と定義されています。

そして、「一生食える会社や仕事」を見つける手法を、次のステップに沿って解説してくれます。しかも物語形式で。

  1. 自分の「マーケットバリュー」を測る
  2. 今の仕事の「寿命」を知る
  3. 強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする
  4. 伸びる市場の中で、ベストな会社を見極める

ロジカル×エモーショナルな語り口で、自分のキャリアを見つめ直す機会を提供してくれる。

そんな素敵な本ですので、ぜひ聴いてみていただければと。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

一度でも今の会社に疑問を持ったあなたへ!『転職の思考法』北野 唯我

③『参謀の思考法』荒川 詔四

次は「プロフェッショナル・マインド」「仕事の心構え」について書かれた本をご紹介します。

※2022/08/14時点だと、なんとAudible無料体験の対象に

本書は、幾多もの修羅場をくぐり抜けた筆者にしか書けない「現場感」に満ち溢れたものでした。

ブリヂストンの社長の片腕として、ビジネスの最前線で活躍される中で培った「参謀の思考法」にはたくさんの金言が詰まっています。

その金言たちをピックアップしたものが次の図です。

この中で特に気に入っているのが、"すべては「合目的的」に考える"というものです。

合目的的とは「目的に適っていること」を意味します。

目的が果たせるのであれば、多少の恥は惜しまない。

自分の提案が通せるのであれば、時には他人に花を持たせることも厭わない。

それくらい「目的に忠実」であることが大事。

この点が、本書を読んだ中で一番の学びです。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

【書評】『参謀の思考法』荒川 詔四

スキルセット編

④『THINK AGAIN』アダム・グラント

続いて、思考力を鍛える本で聴きごたえのあるものをご紹介します。

「考えること」よりも「考え直すこと」のほうが重要である。

本書のメッセージを一言でまとめると、こんな感じです。

「ころころ考えを変えるな」と教わってきた私からすると、このメッセージはとても新鮮に映りました。


本書はまず、自分の考えに固執してしまう原因となっている「過信サイクル」の正体を暴いていきます。

そのうえで、過信サイクルから自由になるための「知的謙虚さ」なる概念を授けてくれます。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

レビュー『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』

⑤取材・執筆・推敲 書く人の教科書

本書は、私がこれまで読んだ中で「文章の書き方について、最も深い学びを与えてくれた本」です。

約500ページに渡って「ライターとは何なのか?」「取材、執筆、推敲、それぞれで必ず押させておくべきポイントは何か?」を教えてくれます。

ページ数が多くて本が分厚いので、移動中はKindleかAudibleで読むのがよいかと思い、ピックアップしてみました。


本書のなかで一番の学びは、次の一文でした。

「書かれたことではなく、書かれなかったことを考える」

これには痺れましたね。

「なぜ、こう書いたんですか?」と聞くのは簡単です。

別に、本を深く読み込んでいなくてもできる質問だからです。

しかし「なぜ、こう書かなかったんですか?」と聞くのは難しい。

なぜなら、本に書いていないものを、自分で見つけ出さなければならないから。

こういった「文章を書く人の心構え」について、じっくり時間をかけて教えてくれる本でした。

本書で学べることをまとめた図解も載せておきます。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

【書評】『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』古賀 史健

⑥『Think CIVILITY』クリスティーン・ポラス

無礼さは年間5000億ドル相当の多大な費用をもたらす。

そんな衝撃の事実を教えてくれるのが、この本です。

本書によると、個々人の礼節を高めていくためには、まず「笑顔」「相手の尊重」「傾聴」の原則をおさえなければなりません。

そして、相手に対する偏見を取り除くために、自分が持つ偏見を客観的に見つめる必要があるそうです。

そのために「偏見排除のチェックリスト」なるものが紹介されているのですが、これは永久保存版レベルで重宝するかと思います。

本書で学べることをまとめた図解も載せておきます。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

【書評】『Think CIVILITY』クリスティーン・ポラス

ナレッジセット編

⑦教養としての投資

「投資」を知らなければ、あなたは一生「奴隷」のままだ。

そんな痛烈なメッセージを教えてくれるのがこの本。

「投資の本?数字ばかり出てきて、耳で聴くのに適していないのでは?」と心配に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。

本書は、以下の疑問点について、丁寧にわかりやすく答えてくれます。

  • 他人に働かされている人と自分で働いている人の違いは?
  • 短期投資と長期投資どちらが優れているか?
  • 投資先の企業を見極める方法は?

特に「長期的視点と短期的視点のどちらを優先するか?」という究極の二択について考えさせてくれる、良本中の良本です。

Amazonでも1200以上のレビューがついており、★も4を超えているので、万人が認めるベストセラーと言えるでしょう。

本書で学べることをまとめた図解も載せておきます。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

【書評】『教養としての投資』奥野 一成

⑧シン・ニホン

次は、ビジネス書グランプリ2021で1位に輝いたこの本。

本書は、定期的に読み直している、数少ない本です。

というのも、著者の安宅氏の思考回路を全て読み解くために、一読だけでは足りないからです。

  • 2020年の我々を取り巻く変化をどう理解すればよいか?
  • 日本が直面している課題は何なのか?
  • 課題を解決し、日本がもう一度立ち上がるために取るべき戦略は何か?

…このように、驚くべき視座の高さで、日本全体が取るべき戦略が語られています。

この視座に自分は立てているか?と定期的に見直せる、稀有な一冊かと思います。

本書で学べることをまとめた図解も載せておきます。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

【書評】『シン・ニホン』安宅 和人

⑨アマゾンの最強の働き方

組織の仕組みづくりを学ぶのに、これ以上うってつけの本はない…と思わせてくれた本がこちら。

これまでAmazon社の制度や仕組みを紐解いた本をいくつも読んできましたが、個人的にはこの本が一番「Amazonの本質的な仕組み」に触れているように思います。

制度や仕組みの内容だけでなく、そこに至るまでの試行錯誤や失敗事例まで、500ページにわたって事細かに記されているからです。

なぜ、そこまで詳細に記せるのか。

それは、筆者が「Amazonが数十人規模の時期から、CEOの懐刀として事業拡大を支えてこられた方々」だからです。


よく「外資系企業で働いてみてわかったこと」みたいな本を見かけますが、そういった本とは比べようがないほど深いんですよね。

なぜなら、「外資系企業で働いてみてわかったこと」みたいな本って、基本的に「すでに出来上がった仕組みの恩恵を受けている人」が書いているからです。

でも、『アマゾンの最強の働き方』は、そういった仕組みを汗水流して作った人が書いています。

だからこそ、どんな課題に直面して、どんな施策を打ったら失敗して、どうやって解決したのか…まさに「思考の跡」が深く刻まれている本、それが『アマゾンの最強の働き方』です。


ちなみに、Amazonでは「パワポ禁止。資料はテキストで叙述的に表現すること」というルールがあります。

このルールがDNAレベルでしみついているだけあって、本書も「わかりやすいストーリー仕立て」で書かれています。

図解がなくても理解できる。そういう意味ではAudibleに適した本といえるでしょう。

↓書評をご覧になりたい方は、こちら。

レビュー『アマゾンの最強の働き方』

まとめ

以上、Audibleのおすすめ本を9冊厳選してみました。

この記事にピックアップしていない本についても、結構悩みました。

例えば『FACTFULLNESS』はAudibleのビジネス書部門でも人気1位をとっているのですが、この本にはたくさん「示唆に富んだグラフィックデータ」が出てきます。

このグラフィックデータにこそ、本書の価値が詰まっています。

ですので、本書を耳だけで聴くのはいかがなものか…などなど、「耳で聴くのに適した本か」を悩みに悩みぬいて選んだのが、今回の9冊です。

どれも素晴らしい本ですので、Audibleでも、Kindleでも、書籍でも何でもいいですが、ぜひ読んでみてもらえると嬉しいです。

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

-スキルセット, ナレッジセット, マインドセット, 書評, 独断MVP

© 2024 BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで