幸福の定義は人それぞれ。
この一言で片づけてしまうのもよいのですが・・・
「とはいえ6~7割くらいは共通の法則がありそう」と思ってしまうのもまた、幸福に対する見方の1つでしょう。
だからこそ、「幸せになる法則」みたいな本を手に取りたくなるわけです。
ただ「幸福」「幸せ」と名のつく本の中には、胡散臭いものも多々混在しています。
私も毎年300冊以上読み中で、多くのハズレ本と出会ってきました。
だからこそ、「これはマジで読んでよかった」と思える本を4冊ご紹介します。
いずれも、幸福になるための最大公約数的なロジックを紐解いた、地に足の着いた本です。
そもそもの「オススメ本」の基準とは?
とはいえ、いきなり「オススメはこの4冊です」とか言われても、あまり説得力もないですよね。
そこで、まずは「オススメ本の選定基準」について認識をそろえておきましょう。
常連さんにとっては「またか」という感じかもしれませんが…大事なことなので、何度も何度も書かせていただきます。
それは「わかりやすさ×深さ」のモノサシです。
わかりやすさを測るためには、以下の2点をチェックしていきます。
- 本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?
- 中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?
一方の深さを測るためには、以下の3つのツッコミに耐えうるかをチェックします。
- 他の本に無い「あっと驚く洞察」がなされているか?(So what?)
- 主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?(Why so?)
- 明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?(How?)
これらのツッコミに耐えうる本を、今回4冊厳選してみました。
オススメ順に紹介していきます。
『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』
元々、この本を手に取ったきっかけは、「この本、控え目にいってヤバい」というツイートを見かけたからです。
本書のタイトルの「ナヴァル・ラヴィカント」というキーワードを見てもピンと来ず、何のテーマの本なのかもよくわからない。
しかし、日本にやってくる前の原書は、Amazonで7200超のレビューがついて、星4,7という異例の評価がなされている・・・何やら只者ではない気配に惹かれ、本書を手に取ってみました。
実際に読んでみた感想は、マジでヤバい本でした。語彙力がなさすぎて申し訳ないのですが、文字通りヤバい本なのです。
個人投資家としてUberやTwitterに初期投資を行うなど、圧倒的な行動力と先見の明を兼ね備えた「ナヴァル・ラヴィカント」が語る、幸福の原理原則。
ジャンルとしては自己啓発書なのですが、巷にあふれる自己啓発書とは一線を画しています。
あえて名づけると「合理的な自己啓発書」といいますか。
ナヴァル氏の圧倒的な思考力や経験量に裏付けされた、「幸福の原理原則」がロジカルに解き明かされています。
ナヴァル氏は、幸福を次のように定義しています。
「幸福=よい人間関係+健康+富」
本書はこの方程式を骨子として、目から鱗が落ちる原理原則を教えてくれます。
語り口はいずれもシンプルだけど奥が深い。実践し続けるのは容易ではないが、本書で提案されている行動をし続ければ、確実に幸福度を高めていくことができると確信できる。そんな一冊でした。
もし詳しいレビューをご覧になりたい方は、以下の書評をお読みいただければと。
『シンプルで合理的な人生設計』
本書は、「社会資本」「人的資本」「金融資本」の3つを土台に、合理的な人生設計を行う方法を教えてくれる本です。
筆者は、作家として小説・評論・投資術など幅広いジャンルの本を世に出されている、橘玲氏です。
これまでも、橘玲氏の本は何度か紹介してきましたが、いずれの本を読んでみても、グーの音も出ないくらい現実を突き付けてくる良本ばかり。
例にもれず、今回の『シンプルで合理的な人生設計』も非常にパンチのきいた本でした。
表紙の帯を見てみると、こんな一言が書かれていまして。
「日本人は合理性を憎んでいる。だからこそ合理的に生きることが成功につながる」
「何事も合理的にばかり考えればいいわけではないよ」なんてセリフはよく聞きますが、結局は合理的に考えた方がトータル幸せなんだと、ド正論をかましています。
そして、合理的な人生設計に欠かせないのが、この3つの土台。
「社会資本」「人的資本」「金融資本」
大量の文献や研究から導き出される「社会資本」「人的資本」「金融資本」の積み立て方は、いずれも徹底して合理的に書かれています。
今回ご紹介している4冊のなかでは、一番地に足のついた本です。
もし詳しいレビューをご覧になりたい方は、以下の書評をお読みいただければと。
『幸せになる技術』
本書は、秋元康、稲盛和夫、孫正義、養老孟司、香取慎吾、古舘伊知郎、池谷裕二といった、実業家・知識人・芸能人まで幅広くインタビューし続けた筆者が見つけた「最終的に人生がうまくための大原則」が書かれている本です。
筆者がこれまでインタビューしてきた人数は3000人を超えるとのこと。
3000人以上にインタビューする中で見えてきた「幸せになるための最大公約数的な原則」が惜しげなく披露されています。
原則の中には「やりたいことを仕事にしない」など、一見すると直感に反することも書かれています。
しかし、内容を読み進めてみると「なるほど。これは知っておかないと、多くの人がドツボにハマりそうだ」と思える学びが詰まっています。
一方で本書を読むときに注意すべきは、この本に述べられている話はあくまで「3000人への取材で見えた最大公約数」である点です。
もしかすると、本書で紹介されている技術の中には、賛同できない部分もあるでしょう。
なので、「騙されたと思って、試しに実行する」→「自分に合っていたら習慣化する」→「自分に合っていなければやめる」
・・・こんな感じで色々試しながら読み進めてみるのがオススメです。
この本で解ける疑問は? 続きを見る
【要約・書評】『幸せになる技術』上阪 徹
『精神科医が見つけた3つの幸福』
本書は、毎日30問、計10万件以上の悩みに答えてきた精神科医の方が書かれた本です。
個人的に、本書において最も重要なメッセージだと感じたのは
「幸福には優先順位がある」
この一言につきます。
本書によると、
一番優先順位が高いのは「心と体の健康=セロトニン的幸福」であり、
二番目は「つながり・愛=オキシトシン的幸福」であり、
三番目は「成功・お金=ドーパミン的幸福」だそうです。
この優先順位は、多くの人にとって盲点なのではないでしょうか。
というのも、病気もしたことがなく友だちにも困ったことがない人からすると、気づきにくいポイントだからです。
だからこそ、本書を読んで、この盲点をカバーすることができます。