インスタ運用で大事なこと、ご存知ですか?
そんなの聞くまでもないですよね。
「いいね」をたくさん集めるために、エモい写真を撮ることですよ。そして、タグ付けをサボらずにやることです。
おそらく、多くの人が「100%同意。てか、なにを当たり前なこと言っているの」と思ったでしょう。
・・・実は、違うみたいですよ。
エモい写真なんて撮る必要ないし。
テキスト検索できるんだから、タグ付けに気合入れすぎるのもズレているし。
「いいね」よりも数倍大事な指標は「保存率」である。
これら「インスタの真実」を、これ以上ないくらいわかりやすく教えてくれるのが、『平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法』です。
『プロ目線のインスタ運用法』とは?
本書は、株式会社SAKIYOMIの代表を務める石川侑輝氏の本です。
この企業、「平均4.2か月で1万フォロワーを達成」と、驚きの実績を持っているようです。
しかも、運用実績を見てみると「オフィス紹介業」や「ウォーターサーバー業」など、一見すると「インスタ映えするの?」と思えるような事業も成功に導いています。
いったいどんな運用方法で回しているのか?
本書を読んでいくと、そのカラクリが余すことなく解き明かされていました。
「いいね」「インスタ映え」「ハッシュタグ」は不要である
本書を読む前はてっきり
「映える、写真の撮り方」
「狙いたいユーザの投稿に、地道に"いいね"を押していって、フォローバックを狙いましょう」
「ハッシュタグをたくさんつけましょう」
とか、そんな内容が書かれているんだと思っていました。
ところが、表紙にすでにしっかり書いてあるんですよ。
- 「いいね」不要
- 「インスタ映え」不要
- 「ハッシュタグ」不要
…ほんとかよ?って思いますよね。
一方で、これまでのインスタに対する認識が180度覆されるんじゃないか…そんなワクワク感もありました。
疑いが半分、ワクワク感が半分、そんな気持ちで読み進めてみたところ、19ページ目で圧倒されることになります。
企業も個人もフォロワー増が止まらない、必殺「PECTサイクル」
本書のエッセンスは、19ページ目のあるサイクルに凝縮されています。
その名も「PECTサイクル」。
以下の図は、19ページ目を参考にして、読書メモがてら作成した図です。
PECTサイクルを概観すると
- Profile:プロフィールを見たユーザにフォローしてもらう
- Engagement:投稿がフォロワーのタイムラインに表示されるようにする
- Collection:フォロワー以外の「発見タブ」「検索」で表示される
- Trafic line:投稿を見た人にプロフィールを訪問してもらう
こんなサイクルでした。
そして、
「各サイクルで重視すべき指標は何か?」
「その指標を達成するために取るべきアクションは何か?」
これらの論点にすべて、ロジカルかつ実践的に答えてくれます。
有益な投稿かどうかを左右する「保存率」
特にハッとさせられたのは「保存率」の考え方です。
繰り返しますが、いままで私は「いいね」を重視していました。
「いいね」をたくさん押してもらえたら嬉しいし、少なければ悲しい。
そんな感じで、単純に承認欲求の満たされ具合で一喜一憂していました。お恥ずかしい限りです。
「いいね」を重視するのは、投稿者目線に立ってしまっている証拠です。
ユーザ目線に立てば、「いいね」の数なんてそんなに重要ではありません。
だって、どの投稿にいくつ「いいね」がついているかなんて、表示されませんもんね。
では、ユーザ目線に立ったときに、重要になる指標は何か?
それが「保存率」です。
ユーザがインスタを見るときに何を思っているかというと
「おしゃれな服を買いたいけど、参考になる情報はないか?」
「いい料理のレシピがないか?」
「明日の仕事のヒントになるような本がないか?」
…など、こんな目線でインスタを眺めています。
そして、参考になる情報が見つかったときに、何をするかというと…「保存」しますよね。
あとで買い物するとき、料理をするときに見返すために、「保存」をする。
もっとシンプルに表現すると、価値のある情報だから「保存」するわけです。
だからこそ、映える写真なんかよりも「保存してあとで見返しやすい投稿」のほうが大事なんです。
大事なのは、ユーザ目線で重要指標を設定すること
「いいね」よりも「保存」。
この話から学んだのは、「重要指標を設定するときは、提供者目線でなく、ユーザ目線に立つことの大切さ」です。
言葉にすると当たり前に聞こえるのですが、「ユーザ目線で重要指標を設定するとは、どういうことなのか?」をインスタというツールを例に教えてくれるのが、まさに本書の魅力ではないでしょうか。
インスタ運用を担当する人にはもちろん、「数字を追いかけながらビジネスをしていく人」に広く遍くおすすめしたい一冊です。