「この本は誰に紹介したいか?」と問われたら、
- 「いつかは、○○企画部に異動したい」
- 「企画ってカッコよさそう」
そう思っている方々にオススメしたいです。
というのも、本書は、とにかく「企画の実態」を教えてくれる本だからです。
例えば「企画」の定義について。
私も含め、「企画って、何か新しくて面白いことを考えることでしょ」と捉えている方が多いんじゃないでしょうか?
しかし、それは間違っています。
本書によれば、企画の定義は「何かを実行するために必要な事を決めること」だと。
なぜ、この定義に辿り着いたのか。
筆者は次のように語っています。
企画がない状態とは、逆に「可能性が無限にある状態」ともいえます。選択肢があり過ぎると、何をすればいいのか分からなくなってしまいます。ものごとを決めていくことで、無限にある可能性がひとつずつ断たれていき、おのずと進むべき道筋があらわになるのです。道筋さえ決まれば実現に向けて進みやすくなります。これが、私が「企画とは決めること」だと考える理由です。
『企画「いい企画」なんて存在しない』p18
確かに、
- 企画の目的を決める
- 目的にあった選択肢を並べ、その中から選ぶ
- 誰を巻き込むかを決める
- いつやるかを決める
- いくら使うのかを決める
- …etc
このように、企画のあらゆる場面で「決める」が登場します。
「決める」を繰り返すことで、他の選択肢を削ぎ落していき、徐々に形を作っていく。
企画の場面を思い浮かべれば浮かべるほど、筆者が「企画とは決めること」と定義している理由がよくわかります。
他にもこの本は、「企画の生み出し方」「企画の伝え方」「企画の進め方」「企画の受け取り方」と、
いろんな角度から「企画」の正体を紐解いていきます。
まさに「企画とは何なのか?」を知りたい方に打ってつけの本です。
中でも、個人的に印象的だったのが「企画力の正体」について。
企画を実現するまでの一連のプロセスを思い浮かべればご理解いただけると思いますが、そもそも「企画力」という単独で存在するスキルはありません。企画力とは「システム」です。企画を世に出し、実現させるうえで必要な機能のネットワークなのです。
『企画「いい企画」なんて存在しない』p254
筆者が考える「企画力のネットワーク」が秀逸なんです。
一見すると、何気ない図に見えますが、例えば「インプット力」と「結びつけ力」について。
これは名著中の名著『アイデアのつくり方』でも触れられている考え方です。
アイデアをつくる原理原則は
- 第一に、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるということ。
- 第二に、新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す力に依存するということ。
そして、アイデアをつくっていくときは、まず最初に「情報の収集」からスタートさせる。
そのためにも、
- 直近で向き合うべきテーマに関連する資料を深く掘り下げて読み込む。
- 日ごろからあらゆる方面のどんな知識にも貪欲にアンテナを張っておく。
といったことが必要だと。そんな風に 『アイデアのつくり方』 では語られていました。
特に、情報収集については、ある上司から教えてもらった方法を今も続けています。
それは「1日1個でもいいから、その日の学びを書き留めておけ」というものです。
「1日1行日記」と表現してもいいかもしれません。
もし、1日1行日記が書けなけない日があれば、それは「1行たりとも成長していない、ムダな一日」だと思え。
こうやって言い聞かされたこともあって、もう5年以上この習慣を継続しています。
具体的には、1日最低1個、学びをEvernoteに書く。これだけです。
これを365日×5年くらい繰り返すと、Evernoteが学びとネタで溢れ返ってきます。
ブログを書くときは、本の内容とネタ帳のエピソードを組み合わせるだけ。
例えば、ネタ帳に書いてあった「飲み会で叱られた話」と、
『変える技術、考える技術』を組み合わせて、
次のような記事を寄稿させていただきました。
(1週間で1万PVを超えたので記事なので、きっと面白いはず)
一方で、「多産力」がまだまだ不足しているなと痛感しております。
今月書いた記事、少なすぎますもんね(笑)
コンテンツを数多く発信し「続けること」も、企画力の1つなので、
少なくとも週1本、コンスタントに書いていければと思います。