企業内起業が17件
独立起業が21件
週末起業が14件
合計52の事業を立ち上げた守屋氏。
「起業・新規事業」の本を書くにあたり、守屋氏以上に適任の人物はいないのではないでしょうか。
そんな筆者が、ついに起業の本を出版されました。
タイトルは『起業は意志が10割』。
ぶっちゃけ話を申し上げると、表紙だけを見たときの第一印象は決して良くはなく、
「意志が10割って。結局は気合や根性!みたいな精神論ですか?」
と失礼ながら思ってしまいました。
しかし、本書を読んでいくうちに「起業は意志が10割」の本当の意味を思い知らされることになります。
第1章の途中まで読むとわかりますが、
「起業して勝つための方法論は何か」
「逆に、何をすれば負けるのか」
が生ナマしくリアルに記されています。
「起業は意志が10割」と書かれていますが、
経営資源のヒト・モノ・カネすべてについて体系的に整理されてるんですね。
第1章を読み終えたころには「精神論の本だと決めつけてしまって、申し訳ありませんでした」と、誰もがこの本に頭を下げることでしょう。
…と、私の感想ばかり述べてしまったので、本書で特に印象に残った具体的なポイントを2つご紹介します。
イシ・コト・ヒト・カネの5つのステップ
1つ目は、p53に記されていた「イシ・コト・ヒト・カネの5つのステップ」です。
経営資源であるヒト・コト・カネに加えて、筆者は「イシ」を加えて整理をしています。
まず、起業のはじまりは「10割のイシ」であると。
たしかに、いくら儲かるネタを見つけたとしても、「イシ」がない限り、継続して戦いぬくことはできません。
比較するのもおこがましいですが、「記事を書くこと」だって同じです。
いくら「SEO的に大量アクセスが見込めるネタ」があったとしても、「このネタを書きたい」というイシがない限り、2-3記事書いてギブアップしてしまうでしょう。
では「イシ」だけでよいかというと、そんなことはありません。
イシを具体的に実現するうえでのコト=戦略が必要です。
コトを大きくするために、ヒト=仲間を集めなくてはなりません。
ヒトを食べさせるために、カネ=給料を確保しなければなりません。
こんな風に、起業のステップに応じて、必要な経営資源が増えていきます。
その過程を、実際の起業経験を交えながら、具体的に示してくれるのが、本書の大きな魅力の1つです。
ここまでの話を読んで、たぶん3人に1人くらいの方が
「いやいや、起業経験もないお前が褒めちぎっても、説得力に欠けるぞ」と思っているかもしれません。
ご安心ください。『転職の思考法』『天才を殺す凡人』の著者でもある北野さんも、次のようにコメントされています。
加えてこちらのNoteでは、先ほどの「イシ・コト・ヒト・カネの5つのステップ」について「10万円以上の価値がある」ともコメントされています。
べた褒めです。
https://note.com/kuhga20/n/ne9e5617631fb
起業においても重要な「Why not yet ?」の問い
印象に残ったポイント2つ目は、ビジネスを組み立てるうえでの「問いの立て方」です。
例えば、以下のような問いは、起業を志す人であれば誰でも考えたことがあるでしょう。
- 顧客が抱えている課題は何なのか?
- 顧客が抱える課題を解決するためには、どんなサービスを提供すればよいか?
そこに筆者は、次の問いを付け加えます。
- どうして顧客の課題は解決されないまま放置されていたのか?
- 上記の課題を解決するサービスがなぜ提供されないままだったのか?
一言でまとめると「Why not yet?(なぜ、まだそうなっているのか)」を問うているわけです。
この問いかけの方法は、以下の記事でも紹介したものですね。
この「Why not yet ?」の問いかけをどのように使い、サービスを組み立てていくのか?
本書はその思考プロセスを、実際に立ち上げた事業の例を用いながら、丁寧に説明してくれます。
他にも、『起業は意志が10割』では
- 筆者が経験を通して手に入れた「失敗のロジック」
- 起業家にとっての必須スキル「道徳」「国語」「算数」の正体
なんかも語ってくれています。
52事業分の実践知が、たったの1500円で手に入る。
そんなおそろしい本でした。
『起業は意志が10割』の本当の意味
以上でご紹介したように、ぱっと読んだ感じ
「起業は意志が10割と書いてあるが、めちゃくちゃ実践的な本じゃないか」
と思いますよね。
しかし、しっかりと方法論が書かれているからこそ
「方法論は揃った。あとは、君の意志次第だ」
と語りかけられている気がします。
よくよく考えれば、本書以外にも
- やりたいことを見つける本
- ビジネスのネタをたくさん教えてくれる本
- ビジネスの勝ち方を教えてくれる本
はたくさんありますよね。
言ってしまえば「方法論」はもう十分すぎるほど与えられているわけです。
となると、あと必要なのは「意志」のみ。
だからこそ、あえて『起業は意志が10割』と言い切っているのでしょう。
筆者からの力強いエールが伝わってきます。
最後に
最後に、個人的な趣味の話。
いろいろとビジネス書を読んでいくうちに、「私にとっての経営の体系図」を日々Updateするのに最近はハマっています。
そして今回『起業は意志が10割』を読むことで、この体系図をさらに進化させることができました。
それが次の図です。
赤字の部分が、新しく『起業は意志が10割』から学んだポイントですね。
とはいえ、まだまだスカスカのキャンバス状態です。
少しずつ充実させていければと思います。