この本で解ける疑問は?
- 作業量を激減させて成果を最大化させる思考法とは?
- 「問題設定」をするために必要な手順とは?
『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』って?
本書は次の3つの人材タイプを提示しています。
A 問題を発見・設定する人
B 他人が設定した問題を解く人
C 他人がすでに解いたものを、効率良く再現する人
(4ページ目)
このブログを読んでくださっている方からすると「もうくどいよ」と思われそうですが、重要なことなので何度も繰り返して書いておきます。
もう「問題発見力>問題解決力」の時代になりました。
ソリューションは過剰供給されて「便利で飽和した市場」になってしまっています。
ですので、相対的に「問題」自体の希少性がグンと上がっています。問題は過少供給状態なのです。
だからこそ、最近は「問いの立て方」や「問題発見力」をテーマとした本が増えているように思えます。
今回はそのうちの一冊『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』をご紹介します。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 考える力とは、問題をシンプルにすることである。
- シンプルな問題とは、「解決ができて、解いて効果がある問題」のことである。
- 問題を解決する際は、そもそも解決できないような問題を捨てる勇気が大切である。問題の中でも「簡単に取り組むことができて、小さくても短期間で効果が出るもの」を選ぶと良い。また、問題を発見するときは、「モレなくダブりなく」にこだわりすぎないよう注意が必要である。
- 解いて効果がある問題を見極めるためには、いくつかステップが存在する。
- 第1ステップは、「問題」と「現象」の違いを知ることである。まず、「現象」ではなく本質的な「問題」を探す意識が何より重要である。目の前の出来事に飛びつかずに、「なぜ?」を繰り返して深堀を行ったほうがよい。
- 第2ステップでは、「フレームワーク」をチェックリストとして活用する。フレームワークは先人たちの経験がつまったチェックリストなので非常に有用なツールである。また、自分の経験を独自のフレームワークに落とし込む考え方もできると尚良い。
- 第3ステップでは、情報を収集して分析を行う。情報集めの際には、問題発見につながる一次情報を得るために現地現物を見る癖をつけておく。現場では、意見と事実を切り分けたうえでインタビューを行う。収集した情報は、「図式化」「"どこ?"と発生場所を特定する」「要素の絞り込み」「最終ゴールからの逆算」「極端な場合を考える」などを行うと非常に効果的である。
いかがでしたでしょうか。
問題解決や思考法の本は数多く出版されていますが、その中でも本書は次のような特徴が際立っています。
- 問題発見にフォーカスしている
- フレームワークやWhy×5などのベーシックな技法がすべて押さえられている
- 中学生からでも読むことが出来る
論理的思考が可能になるのが、ちょうど12歳くらいからだと言われているので、子どもの教育に活用するのも良いかもしれません。
問題解決(その中でも特に問題発見や問題定義)を復習したい方にもオススメです。
学び
「シンプルにいうと」を口癖にする
本書で繰り返し登場するキーワード「シンプル」。
「シンプルさ」はいつの時代も求められる普遍的な価値ですよね。
「日々のコミュニケーションも極限までシンプルにできたら、どれだけ効率が上がるだろうか…」
わかりづらいメールの文面や、ごちゃごちゃ文字列が並んだ資料を見かけると、上述の台詞を脳内で何度も反復させています。
…と、人の指摘をしてばかりだとイケていないと思うので、矛先を自分に向けてみます。
僕は極力「シンプルにいうと~」を口癖にするように、今まさに挑戦中です。
「シンプルにいうと~」で会話を始めると、一文を短く言い切らねば…と自分にプレッシャーがかかるんですよね。
とても良い訓練になります。
といいつつ、「シンプルにいうと~」で話始めたのに、「あ、今、全然シンプルじゃなかったよな…」と思うときが多々あって、いつも内心恥ずかしい想いをしています。
ですが、まずは「形から入る」のも非常に有効だと思います。
「結論からいうと」「端的にいうと」「一言でいうと」などを枕詞に据えるクセをつけてみると、日々訓練を積むことができそうですね。