この本で解ける疑問は?
- 少額からでも投資を始めて、お金持ちになれるの?
- 一流でなくても、地道に10倍株を狙い撃ちできるって本当?
『10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資』とは?
「胡散臭い…と思いきや、すごく堅実な本だった」
本書を読むと、タイトルと中身のギャップに驚くと思います。
表紙だけを見ると「10万円から」「200倍」「7000万円」と、一見すると「非現実的」な数値が並んでいます。
しかし、中身を読み進めると、
- 小型成長株を探す地道なプロセス
- 決して短期のデイトレードやテクニカル分析などではなく、数十年の長期戦を見据えた投資
- 少額から無理のない範囲で、複利の力を見方につける戦略
…と、地に足のついた議論が展開されています。
一瞬「200倍」は言いすぎだろとは思いましたが、長期で勝負すれば狙えるのかもしれません。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 本書では「時価総額300億円未満の小型成長株への長期投資」が提案されている。
■二流投資家あるある失敗例
- 仕掛けられた罠(=ポジショントークなどの二次情報)に引っかかる
- 余裕がない状態で投資をしている
- 軍資金を本気で貯めていない
- 市況を見れば株価が予測できると勘違いしている
- 感情に流されてしまう
- 専門家の意見を信じてしまう
- 昔の常識(預金の方が安全でお金が貯まるetc)にとらわれてしまう
■小型成長株を探す5つの条件
- オーナー企業であること
★どんなに事業が大きくなっても意思決定がスムーズにできる
★オーナーは事業の成果が自分の資産に直結する(その分、株価への思い入れも深い) - 上場10年未満であること
★財務諸表には表れないポテンシャルを発揮するのには十分な時間が必要
★ただしIPO直後が割高の可能性があるため、うかつに買ってはいけない - ビジネスモデルがユニーク
★独特のビジネスモデルで参入障壁を築いていること
★長期トレンドの恩恵を受ける事業であること
★10年後も社会に必要とされていること - 時価総額300億円未満の企業
★時価総額が大きい企業ほど、これ以上株価を伸ばすのは大変
★経営者の手腕と長期トレンドによって、時価総額が1000億、2000億と伸びる可能性あり - 増収増益を続けている
★企業価値の源泉となるキャッシュフローを増やせていることが大事
★「連続増収増益」であること自体が、投資家を惹きつける強い材料となる
いかがでしたでしょうか。
「投資をスタートしたばかりのときに陥りがちなトラップについての丁寧な解説 」
「小型成長株を狙う理由や、探し方の解説」
どれをとっても、等身大で具体的に書かれています。
また、「え、いいの?」と声に出したくなるくらい、筆者の運用実績が赤裸々に公開されているのも魅力の一つです。
所感
小型成長株を狙うときも、結局はあの3つの視点に立ち返る
- 付加価値の高い産業:「本当に世の中にとって必要か?」という問いに答えられるか?
- 圧倒的な競争優位:今更その人たちの向こうを張って勝負しようだなんて、誰も思わないほど圧倒的に強いか?
- 長期的な潮流:「不可逆的なトレンド」だと言い切れるか?
結局は、『教養としての投資』で述べられていた、この3つの視点につきるんだなと、改めて実感しました。
この3つの視点を満たしていて、かつ小型成長株を見つけることができれば、数十年後に株価が10倍をこえることもあり得るんじゃないか。
投資の本を何冊も読んでいると、これまで得てきた学びが頭の中で繋がっていく感覚を味わうことができます。
今回は詳しく書きませんが、いつか「投資の本を20冊読んでみた得られた学び」を整理してみたいなと思います。