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【要約・書評】『考える術』藤原 麻里菜

この本で解ける疑問は?

  • 「もっと面白いこと考えてよ」「斬新なアイデアないの?」と言われたけど、どうすればそんなアイデア思いつくの?
  • あの鬼才ユーチューバーは、あんなに面白いことをどうやって考えているの?

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『考える術-人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』とは?

2021年に入ったことですし、新しい取り組みということで、今日からガラッと書評の書き方を変えてみました。

もう少し、本格的に「書評」らしく、自分なりの軸で本を評価してみようかと。

独自の項目を作って、5段階評価でオススメ本をレビューできればと思います。

 

さて、今回ご紹介するのは『考える術-人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』です。

著者は、「SNS総再生回数4000万回を超えるユーチューバー」の藤原 麻里菜さんです。

4000万回。

これだけの再生回数を積み重ねるためには、連日止まることなく新しいコンテンツを生み出し続ける必要があるはずです。

しかも、いずれも「誰も思いついたことがないアイデア」ばかり。

そんな気の遠くなるようなことをコンスタントにやってのける著者は、いったいどんな思考術を持っているのか。

今回、『考える術-人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』によって、その全貌が明らかになったわけです。

では、本書のレビューに入っていきます。

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※★の基準は以下の通りです。
★★★★★:満足
★★★★:やや満足
★★★:普通
★★:やや不満
★:不満

「わかりやすさ」のレビュー

「わかりやすさ」については、以下2つの観点で評価していきます。

  1. 本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?
  2. 中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?

詳しく見ていきましょう。

本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?

本書では、人と違うことがひらめく思考テクが、71個ズラリと列挙されています。

71個…驚愕の数ですよね。

この71個の思考テクを以下の8つのカテゴリーに分類してくれているので、自分が知りたい種類の思考術に辿り着きやすい「思考の辞書」のような立て付けになっています。

  1. 「言葉」から考える
  2. 「半径1メートル」から考える
  3. ひねくれて考える
  4. 「みんなが知っていること」から考える
  5. 「自分のこと」から考える
  6. 「情報」から考える
  7. 「感情」から考える
  8. 「考え方」を考える

個人的には、もう少し「抽象的な概念から具体的な概念」まで、奥行きを持たせて整理してもらえると、文句なしの★×5になっていたと思います。

ただ、繰り返しになりますが、なんせ71個も思考術を授けてくれている本です。その膨大な数を考えれば、十分満足いく内容です。

中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?

この本の文章は、誰でもわかるよう平易に、かつ面白おかしく表現されています。

256ページ、全く飽きることなく、ノンストップで読み進めることができます。

また、大事なポイントがハイライトされていたり、要所要所にまとめページも用意されていたりします。

どの思考術も「結論→具体例→まとめ」の順番で書かれているので、スッと頭に入ってきます。

「深さ」のレビュー

「深さ」については、元コンサルっぽく「So what?」「Why so?」「How?」と問いかけながらレビューしてみます。

具体的には、以下の3つの観点で見ていきます。

  1. 他の本に無いような「あっと驚く洞察」がなされているか?(So what?)
  2. 主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?(Why so?)
  3. 明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?(How?)

他の本に無いような「あっと驚く洞察」がなされているか?

「あっと驚く洞察」…これについては、本当は★×10つけてもいいくらい、示唆に富んだ本でした。

特に、個人的に心に残った考え方が「やっちゃダメなことをする」というもの。

具体的には、次のように書かれていました。

社会性とか理性とかを逆手に取った考え方は、商品やサービスにつながるようだ。

抑圧された感情を解放させることは気持ちがよくて、人に「やりたい」と思わせる力がある。「ものを壊していい部屋」は、その感情を解放させようというシンプルなアイディアだ。

このようにストレートに考えるのは簡単で、なおかつおもしろいアイディアが浮かびやすい。生活の中で「抑圧されているな」と感じる部分に焦点をあてて、それを解放させる方法を考えてみよう。

p72

この箇所を読んだときに、「自分がどれだけ枠に囚われた思考をしていたか」を痛いほど思い知りました。

良い意味でフルボッコにされました(笑)

主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?

「なぜその思考テクの有効なのか?どういう点で有効なのか?」については最低限述べられている印象です。なので、★×3をつけてしまいました。

ただ、本書の価値は「圧倒的な数の具体的な思考テク」なので、1つひとつの思考法の説明はあえて省いてあるのかもしれません。

明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?

これは文句なしの★×5です。

著者が具体的に思いついたアイデアの具体例と共に、「どんな場面で、どう考えれば、新しい発想が得られるか」が順序立てて説明されています。

本来、「ひらめき」というものは、言語化が非常に困難な概念です。

しかし本書は、帰納的にあらゆる角度から「ひらめきの具体例」を提示してくれます。

71もの角度で書かれた具体例を読んでいくうちに、おぼろげながら「ああ、ひらめきは、こうやって降りてくるものなんだなー」とわかってくる。

そんな不思議で、実用的な本でした。

総合評価は…

総合評価は「4.2」でした。

この本を誰かにオススメするときは、必ず次の言葉を添えておきたい。

「アイデアが湧きすぎるから、注意したほうがいい」

まるで「脳を活性化させるドーピング剤」のような本でした。

良書との出会いに感謝ですね。

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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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