この本で解ける疑問は?
- とことん生産性にこだわっているAmazonの会議術とは?
- 会議の種類ごとに気を付けるべきポイントは何?
https://www.amazon.co.jp/dp/4492503137
『amazonのすごい会議』って?
「世界トップクラスの生産性を誇る企業は?」と聞かれたら、私は真っ先にAmazonと答えます。
あれだけ規模を拡大しながらも、顧客満足を維持しつつ収益も確保できている。
コンスタントに高い生産性を発揮できる仕組みづくりができているからなのでしょう。
では、そんなハイパフォーマンスなAmazonは、毎日いったいどんな「会議」をしているのか?
そんな純粋な興味から手に取ったのが、本書『amazonのすごい会議』でした。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- amazonでは「意思決定会議」「アイデア出し会議」「進捗管理会議」の3つに力を入れている。
- 意思決定会議では、次を意識するとよい。
★プロジェクトリーダーが会議のオーナーになる
-タイムマネジメント
-議事録
-参加者の巻き込み
★What(何を)、Who(誰が)、When(いつ)を目標として明確にする
★会議は資料の黙読から始める - アイデア出し会議では、次を意識するとよい。
★ブレスト会議ではホワイトボードとポストイットを使う
★きれいなアイデアを出すよりも、荒削りのアイデアをたくさん出す
★オフサイトMTGは、会社から離れた場所・外部から隔離された場所で行う - 進捗管理会議では、次を意識するとよい。
★目標とするKPIを達成し、それが積みあがったものをKGIとする例)
-KGI:売上
-KPI:訪問数、受注率
★進捗管理会議では、異常値を徹底的に深掘る。異常値がなければ会議はスキップする
★高速でPDCAを回す(一番遅くても1週間以内に検証する) - 以上の会議をスムーズに行うために欠かせないのが「良い資料」である。良い資料を作るためには、次を意識するとよい。
★資料はパワポや箇条書きではなく、「ワードの文章」で書くことで、行間を読む必要がない状態にする
★簡単な報告は1ページ、大胆な報告は6ページで書く
★「結論ファースト」「文章を短く言い切ること」を意識して書く - これらの会議を支えるマインドセットがAmazonのOLP14か条である。
いかがでしたでしょうか。
詳しく読んでみると、目から鱗が落ちる最新のメソッドもいくつか紹介されています。
特に印象に残ったのが、資料へのこだわりです。
Amazonでは、とにかく資料は「文章」で書かせるそうです。
なので、Amazonの採用では「文章力」を非常に重要視しているとのこと。
そして、資料1つひとつを「プレスリリース」を書く意識で書いていくそうで、これには驚きです。
実際にAmazonは、社内用の資料を「インターナルプレスリリース」と称して運用しています。
この「インターナルプレスリリース」について気になった方は、以下の記事に詳しく書かれていましたので、よろしければご覧ください。
学び
会議術を極めるだけでは、会議は効率化されない?
今日ご紹介した『amazonのすごい会議』をはじめ、世の中には本当に素敵な会議術の本がいくつも出版されています。
ですが、まだまだ周囲には、不効率な会議が山ほどあるのではないでしょうか?
最近は、「会議が不効率なのは、実は会議術を身につけるだけでは解決しないのではないか?」と疑問に思います。
- 会議の回数が多い
- 会議の参加者が多い
…これらの問題は、いくらアジェンダを明確にして、論点が整理された資料を作って、テキパキとファシリテーションをして、綺麗にまとまった議事録をタイムリーに共有したところで、全然解決しないことがあります。
…となると、どうやら会議が不効率な原因は会議の外にある気がしてなりません。
では、何が真因なのか。
それは、責任や意思決定権の所在・役割分担が不明確だからです。
責任範囲をごちゃっとしているから、1つ物事を決めるために、何人も集めて合意を取らないといけない。
そして1人でも会議に不参加者が出たら、その人に説明をして回らないといけない。
…実に不効率です。
いくら会議術を鍛えても、会議の回数と参加者の人数を減らすことは中々できません。
会議の質は「会議術」で、会議の量は「組織変革」で決まる
で、結局思うのは、以下の2点です。
- 会議の質は、会議術=ファシリテーションやら資料作成やら議事録などのスキルセットを鍛えればどうにかなる
- 会議の量(会議の回数や参加人数)は、組織のロールを明確にしたロール型組織に変革しないとどうにもならない
なので、今後は「どうすれば、組織内の役割分担や意思決定プロセスをクリアにできるか?」を科学していきたいなと思います。