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【要約・書評】『アートシンキング』エイミー・ウィテカー

この本で解ける疑問は?

  • (くどいようだけど)「アート思考」とは何なのか?
  • アート思考を定着させるために必要なこととは?


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『アートシンキング』って?

すでに何冊か「アート思考」の本をご紹介してきました。

なぜ何冊も同じテーマの本を読むのか。

それは「アート思考とは何なのか?」が、まだ100%理解できていないからです。

言葉を選ばずにいうと、何か「煙に巻かれている感じ」がするんですよね。

  • 「わからない」「理解できない」それがアート思考
  • 自分の内面と時間をかけて向き合うことで、少しずつ育っていくもの。それがアート思考

…うーん。左脳人間の私にとっては、どれも100%納得できる内容ではありません。いや、そもそも納得するしないの話ではないのかもしれない。

…とまあ、こんな風に上手く言語化できていない状況なんですね。

という理由から、今回も『アートシンキング』という本を読んでみたので、ご紹介します。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • アートとは、「その人らしい方法で考えたり作ったりする力」のことである。アートシンキングを進める上で、具体的なステップがいくつか存在する。
  • ズームアウトして全体像を見る
    • 仕事と余暇を分けずに「1つの生態系」として捉える
    • 仕事と余暇の中に「余白=工房タイム」を確保する
  • 結果ではなくプロセスに注目する
    • 作品の良し悪しを「判断」するのではなく、作品の状態を「把握」する
      ⇒どこが上手くいっていて、どうすればもっと良くなるのかを自問自答する
    • 自分の中の評価の物差しを疑う
    • 今、この瞬間に注意を向ける
  • 自分を前進させる問いを持つ
    • 灯台として、MDQ(メジャー・ドラマティック・クエスチョン)を立てる
    • 前進的な問い「それは改良できるだろうか?」ではなく、フロンティアの問い「それは可能なのか?」と向き合う
  • リスクを管理して利益を保つ
    • ポートフォリオ思考
      1)生活の一部を、リスクの少ない安定した仕事に充てる
      2)残りの時間を使って、創造的プロジェクトに取り組む
    • 分割所有権
      自分が労力や時間を費やしたものに対しては所有権(株式やロイヤリティ)を一部確保しておく
  • プロジェクトが育つ環境を作る
    • 心ゆくまで探求し、自分らしく取り組める環境を作る
    • お金のやりくりを支援するプロデューサーを置く
    • 短いタイムフレームで、明確な役割分担のもと、マイルストーンベースで進める
  • 芸術的なビジネスモデルを作る
    • 似ているものからビジネスモデルのヒントを得る
      1)事業内容は同じだが規模が異なるビジネス
      2)異なる手段で同じ機能を果たしているビジネス
      3)同じビジネスモデルを使用して全く異なる機能を果たしているビジネス

いかがでしたでしょうか。

この本は、アート思考そのものや、アート思考を浸透させるために必要な要素を、体系立てて説明してくれます。

海外の本らしく、豊富な具体例も理解を助けてくれます。

何より驚きなのが、翻訳本なのに、びっくりするくらい読みやすいんです。

翻訳家の技術も上乗せされた、素敵な本でした。

学び

アート思考に欠かせない〇〇という要素

アート思考を行うにあたって、絶対に必要な要素。

それは「余白」です。

頭を使わない定常業務で、朝から晩までこき使われて、夜には疲弊しきっている。

そんな日常では、とてもじゃないですけど、アート思考なんて無理です。

  • やはり日々の仕事の中でも、1日1時間、最低でも30分は余白時間を取れること
  • 休みの日は、緊急対応などのプレッシャーもなく、思いっきり休めること

こういった動き方を歓迎できる環境を作っていく必要があります。

 

しかしアート思考は「いつまでに、どれくらいの結果が出るかわからない」ものです。

なので、企業側の目線に立つと、いつ出るかわからない成果に対して、アート思考のための余白を社員に手配してあげる気持ちにはなりにくいでしょう。

 

では、そんな考え方の企業に勤めている場合はどうするのか?

その企業の仕事は「ライスワーク=生きていくために必要な収入を得るための仕事」だと割り切り、もう1本の軸「ライフワーク=お金はともかく没頭したい仕事」に割く時間を少しずつ増やしていくことが必要なんだと思います。

働き方改革の文脈がある今現在は、ライスワークとライフワークを両立するには、絶好のタイミングです。

こういった働き方も選択肢の一つになってきているのではないでしょうか。


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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