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【要約・書評】『13歳からのアート思考』末永 幸歩

この本で解ける疑問は?

  • いまいち掴みどころのない「アート思考」の正体とは?
  • そもそもどうして「アート思考」が必要なの?
  • 「自分なりのものの見方」はどうすれば手に入る


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『13歳からのアート思考』って?

「13歳からの」

私がまず第一に引っかかったキーワードがこれです。

読む前は、「13歳のころから、アート思考を仕込んでおくことが大事だ」なんて内容なのかな?と思ってました。

しかし、この考えは浅はかなものでした。

13歳とは、我々が「美術」に強く苦手意識を抱くことになった「分岐点」なのです。

調査によると、小学校から中学校へ進むタイミングで、「美術」が最も人気を無くす教科だそうです。

理由は、美術に「正解」を求めた教育を施しているからです。

絵を描く「技術」と、過去の有名な芸術作品の「知識」の習熟度をスコア化して、順位をつける。

下位の順位に位置付けられた人が美術に関して自己肯定感を下げていってしまう。
これも仕方のないことでしょう。

この「13歳という分岐点」で失ってしまった「アーティストとしての自分」を取り戻すべく、本書『13歳からのアート思考』が書かれたそうです。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • アート思考とは、「自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界をとらえ、自分なりの探究をし続けること」である。
  • 【Why】アート思考が求められている理由は、外部環境ではなく、自分の内面ととことん向き合って「自分なりの答え」を作り出す力が問われているためである。
    これは、世界が変化するたび、その都度「新たな正解」を見つけに行くのは不可能だし無意味だからである。
    あらゆる変化の幅も速さも方向もバラバラで、世界の見通しがきかなくなった「VUCAワールド」が到来したためである。
  • 【How】上述のアート思考を鍛えるためには、次のように、「非日常の刺激」に触れて、日頃は考えもしないことに想いを巡らせるとよい。
    • 【初級編】アウトプット鑑賞
      - 作品を見て感じたことをアウトプットする
      - 「どこから/そこからどう思う?」と自問自答する
    • 【中級編】作品とのやりとり
      解説を見ずに、作品だけを見て解釈してみる
    • 【中級編】常識を破る鑑賞
      意図的に、これまでとは少し違った角度から作品を眺めてみる
    • 【上級編】背景とのやりとり
      作品背景を知ったうえで、それらを自分なりに考えてみる

いかがでしたでしょうか。

無理やりそれっぽく1枚にまとめてみましたが、正直これ、要約できていません。

そもそも要約すること自体に意味がない本でした。

というのも、本書は、とにかく1枚1枚の絵と、そして自分ともじっくり向き合いながら読み進める本なんですね。

本書の概要だけ掻い摘んでも、何の意味もなく、
1ページ目から時間をかけて向かいことにこそ意味がある本なんです。

こう書くと、このブログを自己否定することになってしまいますが、それもむしろ心地よく感じるほど素晴らしい本と出会えました。

学び

要は、「”好き嫌い”を解像度を上げて言語化する」ということ?

これまで、いくつかアート思考の本を読んできました。

複数の本を読んでみて思うのは、アート思考は要はこういう営みなんだと。

"好き嫌い"を解像度を上げて言語化する

特に「解像度」が肝だと思います。

ただ「何となく好き」とかではなく、「どういう部分がなぜ好きなのか」を具体的に表現する。

この表現の繰り返しが、作品を生み、あるときは共感をも生んでいくのだと思います。

絵画に限らず、自分が見聞きしたものについて、どこが好きでどこが嫌いだったかをメモする習慣を持ってもよいかもしれませんね。

 


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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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