この本で解ける疑問は?
- 初対面や目上の人とも堂々と接するために必要なこととは?
- 人見知りで度胸が無くても、誰とでも上手く話すために必要なことは?
『対峙力』とは?
この本を読んだ感想を一言で表すと…
「自分でもできるかも?と思わせてくれる本」
こんな表現がピッタリな本でした。
だいたいのビジネス書は「何らかの成功を収めた人」が書いているので、著者との「距離の遠さ」を感じることが多々あります。
この本の著者も「何らかの成功を収めた人」ではあるのですが、どこか「身近さ」を感じさせてくれる本でした。
ただ理路整然とノウハウが書かれているのではなく、著者が試行錯誤で色々と苦悩したうえで必死に見つけ出した気づきが書かれている。
こういった「等身大な文章」が、親しみやすさの要因なのかもしれません。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
【人との対峙】
- 対談の台本は用意しない。順番が自由な「チェックリスト」を用意する
- 場の空気をつくる2つのポイント
★無理にでも明るいテンションを保ち続ける
★「何を話すべき場所なのか」という目的を把握した状態でいる - 結論を考えながら人の話を聞く
【仕事との対峙】
- 弱点に気付いたうえで、それを認めないことや助けを求めないことはNG
→自分の弱点を認めた上で、相手のいいところを尊敬して学ぶことが大事 - 「評価されたい」と思った時点で、仕事に本気になれていない→その場で期待されている自分の役割を全うすることに集中する
- 「自分がここにいることには必ず意味がある」と気づくことから始める
【自分との対峙】
- 周りの評価に自分のキャラを近づける(周りのプラス評価が一番正しい)
- 近くにいる人の言葉を信じる。正当な理由なき批判からは逃げていい
- 失敗したことを振り返らないことが失敗。ただし、失敗を振り返るのは本番が終わった後
【夢との対峙】
- 人目が気になるのは自惚れだと自覚する
- やるべきこと(Must)に対してできること(Can)を続けていけば、やりたいこと(Will)に近づくこともある
- まずは小さなことで良いから、自分を応援してくれる人を10人探す。そして、その10人を楽しませようと必死に努力する
いかがでしたでしょうか。
1行1行に励まされたのですが、特に印象に残っているのが次の文。
自分がその場にいることには必ず意味がある。
p144
この言葉には本当に勇気づけられました。
対人コミュニケーションに苦手意識を持った方だけでなく、自分の今一つ自信が持てない方にも読んでいただきたい一冊です。
所感
逆算型キャリアじゃなくても別にいいじゃないか
最近思っていることですが…
「〇年後にやりたいことは何?」「〇年後にどうなっていたい?」という質問が正直好きではありません。
もちろん、びしっと答えないと「考えてないんだ」とバカにされそうなので、とりあえず仮の答えをいつも用意しています。
しかし、どこか息苦しさを感じるこの質問。
就活の延長線上で、「〇年後にどうなっていたいか?」という質問に答えられる人は肯定され、答えられない人は「ちゃんと考えなよ」と諭される。
でもよく考えてみると
- そもそも色々とやってみたいと、本当にやりたいことなんてわからない
- 終身雇用とか年功序列でOKだったころよりも、世の中の変化が目まぐるしくなっていて、正直3年後に自分がどうなっているかも不確実
…みたいな条件の中で、本当に「〇年後どうなりたいか?」を即答できる人だけが偉いのでしょうか?
そんなことは決してないと思います。
今日ご紹介した『対峙力』でも書かれていたように、「どう生きたいか」を大切にしながら1日1日の幸せや気づきを重ねていく「積み上げ型キャリア」も肯定されて然るべき。
「将来何をやりたいか」ではなく「どう生きたいか」を大事にするキャリアもアリではないか。
…こういった疑問について改めて考えさせられた一冊でした。