この本で解ける疑問は?
- 聞き手の感情は自由自在に操れるって本当?
- そもそも、プレゼンの目的とは?
https://www.amazon.co.jp/dp/4799108220
『エモいプレゼン』って?
「内気な人やテレ屋さんにも有効です」
表紙のこの記述を見たとき、気付いたら本書を買っていました。
私の中で勝手に「内気な人はプレゼンが下手である」と思い込んでいたんですね。
(なぜならば、私は内気でプレゼンが下手だから)
「内気な人でもプレゼンが上手くなれるのか」
…と一縷の望みを胸に読んでみたのが『エモいプレゼン』です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- プレゼンの目的は「相手に行動してもらうこと」である。行動してもらうためには、「自分で納得」してもらう必要がある。納得してもらうためには、まず感覚的に「いいな」と思ってもらうことが重要。「先に感情、あとから理屈」がセオリーである。そのためにも、エモーショナルなアプローチである「エモいプレゼン」を習得すると良い。
- まず、エモいプレゼンの大原則として、次の3つを意識しておく必要がある。
- プレゼンの目的を伝えて、事前に心の準備をさせる
- 具体的な物語(=ストーリー)の要素を組み込む
- 感情を乗せて、偽りなく話す
- 大原則をおさえた上で、事前準備として、3つの観点からコンテンツを作っていく。
- 満面の笑みと大きな声で、プレゼン開始直後にギャップを演出する
- シンプルにストーリーを語る
- プレゼン終了直前に「主張の整理」「行動の依頼」をまとめる。
- リハーサル第一段階では、まず「わかりやすい」かどうかをチェックする
- 「わ」:笑える
- 「か」:簡単
- 「り」:理由を話す
- 「や」:やるべきことが具体的
- 「す」:数字で語る
- 「い」:意味がある
- リハーサル第二段階では、感情を揺さぶる練習をする。
- 「4区画視線分配法」で会場全体を味方にできる
- 手の動きでメッセージを強調、感情を表現する
- 話すスピードと大きさで抑揚をつける
- 「強調の間」と「思考の間」を確保する
- プレゼン当日には、緊張・不安・恐怖を遠ざける習慣を持っておく。
- 自分以外の誰かを演じてプレゼンする
- ひとりの味方に意識を集中して話す
- プレゼン冒頭1分を、最大の熱量で話す
いかがでしたでしょうか。
他にも、「応用編のテクニック」が紹介されています。
この「応用編」を読むと、いかに筆者がプレゼンの「細部」まで設計されているかがわかります。
「神は細部に宿る」のがよくわかります。
プレゼンに苦手意識をお持ちの方に、是非読んでいただきたい一冊です。
学び
ストーリー=結論に至るまでの思考の跡
本書で頻繁に出てくる「ストーリー」というキーワード。
この「ストーリー」の解像度を上げるために、もう少し深堀りしてみたいと思います。
個人的には、「ストーリー=結論に至るまでの思考の跡」だと定義しています。
これはコンサル時代に、何度も「思考の跡が見えない」「なんかストーリー性足りないんだよなー」と言われ続けたことがきっかけです。
当初は、「思考の跡」と「ストーリー」を別々に考えていました。
「ストーリー」と言われて、普通の「物語」を思い描いたからです。
「情緒的に書くのかな?」と思ってストーリーを書き直したら、またまた上司にボコボコにされる…そんなやりとりが日常化していました(笑)
何度かそんなやりとりを繰り返すうちに、やっと「あ、ストーリーって、思考の跡のことか」と気づくことができました。
具体的には、
- 目的は何か?
- 現状はどういう状態か?
- 現状の状態から目的に向かうために、おさえておくべき「論点の全体像」は何か?
- 全体像のうち、論点①の仮説はAとBとCがある。
- Aを検証した結果、aという結論が出た。
… - 結論をまとめると、aとbとcのアクションプランが望ましい。
…といったように、読み手や聞き手に、「思考の跡」をたどってもらう。
この「思考の跡」こそが、「ストーリー」だと思います。
あとは、結論を急ぐ人に伝えるときは「思考の跡」は最小限にカットして、思慮深い人には「思考の跡」を余さず伝える。
こうした努力を惜しまずやっていかねばと、改めて実感しました。