この本で解ける疑問は?
- 相手にわかってもらって動いてもらうためのプレゼン術とは?
- プレゼンの質は何によって決まるのか?
- 適切なターゲットや目的の定め方とは?
https://www.amazon.co.jp/dp/4492557768
『外資系コンサルのプレゼンテーション術』って?
一言でいうと「プレゼン術の全体像を知りたければ、この本がオススメ」です。
プレゼンの型を忘れないように、今でもこの本は本棚に保管してます。
最近は、タイトルに「外資系の~」と書かれた本が大量に出回っていますね。
こういった本、当たりが多い分、ハズレも多いです。
ですので、今まで以上に、中身を慎重に吟味するようにしています。
今回ご紹介する『外資系コンサルのプレゼンテーション術』は、「わかりやすさ×深さ」を兼ね備えた良本ですのでご安心ください。
きちんと「Why→What→Howストーリー」で語られており、全体観がばっちり押さえられる本です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- プレゼンテーションは、Why「プレゼンテーションのゴール確認」、What「コミュニケーション戦略のストーリー作り」、How「プレゼンの資料化と実演」から成り立っている。
- 特に、Why「プレゼンテーションのゴール確認」の部分では、次の3つが重要になる。
- 第一に、プレゼンテーションの相手を入念に確認する必要がある。「意思決定者が必ずしもキーパーソンではない」ことに注意。「意思決定者に、誰が、どんな影響を与えているか」を紐解くことで、真のキーパーソンが特定できる。
- 第二に、良い課題設定をする必要がある。課題とは、「答えを出せる範囲で最もインパクトのある問題」を意味する。良い課題設定をする手順は、次の通り。
1)「現状はどうなっているのか?」を問いの形で表現する
2)Should+主語を加えて、問いを表現し直す
3)What/How/When/Who/To Whom/Which/Whereを加えて、さらに問いを磨く。
4)How muchを加えて、問いのインパクトを表現する - 第三に、相手とプレゼンターのゴールをすり合わせる必要がある。その際には、お互いのBATNA(代替的選択肢)とZOPA(合意可能領域)の把握が鍵となる。
いかがでしたでしょうか。
内容が非常に濃密なので、Why「プレゼンテーションのゴール確認」の部分のみ抜粋してみました。
プレゼンと聞くと、つい「内容のストーリー作りや資料化、話し方」に目が行きがちですが、実はそれ以前にもっと大事なことがあります。
それは「聞き手と話し手のゴールをすり合わせること」です。
このことを、痛いほど思い知らされる良本でした。
プレゼンに課題感をお持ちの方は、是非この一冊を手元に置いてみてはいかがでしょうか。
学び
プレゼン力を上げたいならプレゼン術の本ばかり読むべからず
今回よくわかったのは、「プレゼン力を上げたいならプレゼン術の本ばかり読むべからず」ということです。
特に「プレゼンの本を何冊も読んでいるのに、中々提案が通らない人」は、これ以上プレゼン本を読まない方がよいかもしれません。
どういうことか?
それは、プレゼンは「組織力学の読み解き」と「交渉術」が大前提になっているからです。
まず「組織力学の読み解き」について。
これはこの2冊を読むのが手っ取り早いでしょう。
まず、一冊目『マーケティングとは組織革命である』は、提案の通し方について、「これでもか」というくらいナマナマしく書かれています。
その内容は、プレゼンの内容ではなく、「聞き手の理解」について深く深く語っています。
また、二冊目『社内を動かす力』も同様に、「抵抗勢力をどう巻き込むか」など、非常に実践的な内容が書かれています。
こういった本を通して、誰も教えてくれない「組織力学の紐解き方」を学んでおくと、プレゼン・提案が面白いくらい通るようになります。
次に「交渉術」について。
これは、このテーマについて率直に語っている本がオススメでしょう。
この本は、先ほども登場した「BATNA」や「ZOPA」の読み取り方、コントロールの仕方について解説してくれます。
「BATNA」や「ZOPA」の理解度は、合意形成の得やすさに直結します。
ひょっとすると、プレゼンのストーリーや話し方を磨くよりも、「BATNA」や「ZOPA」の理解に全力を注いだ方が、プレゼンが通りやすくなるかもしれませんね。
それくらい重要な概念です。
以上の学びを通して何を伝えたかったかというと・・・
「何事も、対処療法に飛びついてはいけない」ということです。
プレゼンが課題だから、プレゼン術の本に飛びつくようではいけない。
プレゼンが合意されなかった要因を分析・特定し、その解消に適した学びをしていく。
そうして、プレゼンの課題を「根治」していく。
こんな学び方を心がけたいものです。
自戒の意を込めて。