この本で解ける疑問は?
- 自分だけの才能を見つける方法とは?
- 誰もが持っている「天才性」とは何なのか?
『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』とは
私が大好きな著者の一人、山口 揚平氏の本がついに家に届いた。
その名も『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』。
何ともそそられるタイトルだ。
そんな本書のテーマを一言で述べると「天才性」である。
本書によると、天才性とは「個人が生まれたときに授かっている、他者とまったく異なる特性」を意味している。
この天才性を軸に、本書は次のような構造で展開されている。
まさに、本書のタイトル通り「天才性=ジーニアスを発見するための方法論」が体系的に表現されている。
その中でも、特に印象に残ったのは、「第3章 天才性を見つけよう」で書かれていた次の2点。
- 天才性マトリクスで自分の方向性を知る
- 天才性を文章で表現する
天才性マトリクスで自分の方向性を知る
本書で登場する「天才性マトリクス」については、山口 揚平氏が書いたnoteにも記載されている。
この記事によると、天才性マトリクスは次のものを指している。
縦軸は、算数(考える)と理科(感じる)。
横軸は、国語(想う)と社会(見る)。
私たちが生まれ持っている志向性は、大きくは上の四象限によって決まるそうだ。
これをさらに8つに分解して、「国語」「国算」「算数」「算社」「社会」「社理」「理科」「理国」のタイプが示されていた。
ちなみにこの図をみて、私自身は算数と社会の間の「算社」タイプだとわかった。
思えば、昔から数学と社会が得意で、国語と理科が苦手だった。
そのため、文系と理系どちらを選ぶにしても決め手に欠け、「数学と社会が得意なやつは、社会不適合者なのだろうか」と途方に暮れたものだ。
結果、現役生のときは理系で受験し、浪人生のときは文系で受験する羽目になるのだが…
まあ、それは置いとくとして、これまで自分が社会不適合者だと思っていたこともあり、「算社」という方向感を示してもらえたのは、すごく励みになった。
ところで、「算社」タイプとは、いったい何なのか。
それは、「人と人の集合体である社会を対象に、概念やシステムを構想すること」を関心事としているタイプらしい。
何だか、すごくしっくり来た感覚を得た。
天才性を文章で表現する
方向感はわかった。
しかし、まだ具体的な言葉に落とし込めない…と途方に暮れながらページをめくっていくと、「そら来た」と言わんばかりに、次の説明が待ち構えていた。
自分の天才性を文章にするに当たって形式に決まりはありませんが、はじめは、認知(何をどのようにとらえるのか)+行動(何をどのようにとらえるのか)+結果(何をもたらすのか)が含まれている形式で表現することをおすすめします。
p136
このフレームに沿って、私自身の天才性を表現してみると、
- 物事を全体観をもって捉え(認知)
- 理不尽のメカニズムを構造化し(行動)
- 合目的性のある仕組みで人を楽にすること(結果)
みたいに表現できそうだ。
いやはや、何とも至れり尽くせりな本である。
「誰もが天才性を発見できるメソッド」を描き切った筆者の力量には頭が上がらない。
vsではなくwithで考えましょう、という話。
ところで『ジーニアスファインダー』と聞いて、みなさんは何を思い浮かべただろうか?
そう、あの有名な『ストレングスファインダー』である。
しかも、偶然か意図的かわからないが、両方とも値段は1,980円。
こんな風に並べてみると、おそらく、
「ジーニアスファインダーとストレングスファインダーはどっちが優れているんだろう?」
「やっぱり、令和の時代も反映されているジーニアスファインダーの方が、最新で素晴らしいメソッドなんじゃないか?」
「いや、長年の実績があるストレングスファインダーの方がすごいんじゃない?」
…と、こんな疑問を抱く人も一定数いるのではないだろうか。
一言でいうと「ジーニアスファインダー vs ストレングスファインダー」の構図で捉えてしまう。
この見方は、少々危険じゃないかと思う。
確かに「vs」のように二項対立で物事を捉えると、その後の議論をシンプルに展開できる。
「A vs Bで勝った方を採用する」という単純明快な結論を出すことができ、とにかくわかりやすいのである。
一方で、二項対立に偏りすぎると、機会損失やミスリードを招く可能性もある。
A vs Bの結果、Aだけを選択すると、Bを捨てるハメになってしまう。
そこで、vsではなく「with」の可能性も探ってみたい。
ジーニアスファインダー with ストレングスファインダーで、両者の良い所どりをしよう、というわけだ。
私は、両者には「役割の違い」があると考える。
- ジーニアスファインダーは、「天才性=時間を忘れて夢中になれること」を発見するツールである。言い換えると、人生の「目的」を発見するツールともいる。
- ストレングスファインダーは、「強み=無意識レベルで備わっていてる資質」を発見する。言い換えると、目的に至るための「手段」を発見するツールともいえる。
以上の役割の違いを踏まえると、両者をvsよりもwithで捉えるほうが、より意味のある議論ができるのではないだろうか。
そんなわけで、私は「ジーニアスファインダーとストレングスファインダーの合わせ技」という新しい武器を手に入れることができた。
良書との出会いに、またまた感謝である。