この本で解ける疑問は?
- 問題解決の本を沢山読んだけど、いまいち「仮説」のつくり方がわからない…筋の良い仮説とは一体何者?
- わかるようでわからない「問題解決の手順」とは?
『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』って?
「もう二度と手に取るまい」
そう決めていたのですが、つい本屋で立ち読みがてら手に取ってみたのが本書でした。
「どうせ、他の問題解決本に載っていることでしょ」と思って手に取ってみたら、いい意味で期待を裏切られました。
読んだ瞬間、これまで読んできた数々の問題解決本の「点在していた学び」が「一本筋の通った、線として学び」に変わりました。
ああ、これが問題解決かと…そんな腹落ち感を生み出してくれるのが本書です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 問題解決には7つのステップと7つの武器が存在する。
- 「現状分析」では、こだわりを持って分ける武器が必要。分けることで「差がハッキリ」するような切り口を、MECEに考える必要がある。
- 「問題認識」では、イライラ・キラキラポイントを探す。具体的には、「本当に自分はその問題を解きたがっているか?」「あるべき姿は明確に描けているか?」と自問自答していく。
- 「情報収集」では、事業部長の視点から、あらゆる仮説を全体観を持って考えていく必要がある。事業部長の視点とは「市場」「ターゲット」「顧客」「商品やサービス」「バリューチェーン」「会計数値」「競争力(シェア)」「外部環境」を俯瞰的に眺める視点である。これらの視点を頭の片隅に置いておくだけでも、だいぶ見え方が変わってくる。
- 「課題抽出」では、先ほどまで収集した情報を結合させる必要がある。情報と情報の間にある「因果関係」を丁寧に矢印で結んでいくことで、問題の真因が見えてくる。
- 「解決の方向性」では、4つの戦略論をベースに解決策を構築する。戦略論には、コストリーダーシップ戦略などの定石となる戦略がある。
- 「アイデア創出」では、思いつきのアイデアを進化させる。「他にはないの?」「具体的には?」の2つの問いを自問自答しながら、アイデアにロジックを加えていく。
- 「評価」では、評価軸を定めて、冷静に選んでいく。評価軸には、「緊急性×重要性」などの軸が存在する。
いかがでしたでしょうか。
問題解決本が溢れる中でも、本書は「深さ×わかりやすさ」の観点で抜きん出ていると思います。
問題解決のスタートからゴールまで、一気通貫で学ぶことができる良書です。
学び
問題解決の一番の肝は「因果関係の紐解き」
- MECE
- ロジックツリー
…問題解決やロジカルシンキングにおいて、誰もが一度は聞いたことのあるキーワードかと思います。
確かに、いずれも、問題解決には欠かせないツールです。
しかし、問題解決の本質は、あくまで「因果関係やメカニズムを紐解くこと」にある気がします。
ロジックツリーに分けるのも、フレームワークを使って整理するのも、結局は「情報と情報の結びつき」を読み解くためです。
この「情報同士の結びつき」を探し当てるフェーズが一番苦しくもあり、楽しくもあります。
例えば、「属人化が発生するメカニズム」について。
属人化の周辺にある情報同士の因果関係を1つずつ丁寧に紐づけていくと、このようなメカニズムが描けます。
こうやって可視化してみると、属人化を生じさせている問題の本質は「自己保存の本能」だとわかります。
「本当か?」と思われた方は、下記の記事をご覧ください。
以上、「問題解決の一番の肝」について見てきました。
『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』を読んで改めて、「問題解決とは何か」を考えさせられました。
よい思考の機会をいただきました。感謝。