この本で解ける疑問は?
- 良い企業と偉大な企業の違いとは?
- 経営において戦略よりも大事な要素とは?
https://www.amazon.co.jp/dp/4822242633
『ビジョナリー・カンパニー 2』って?
今更感がありますが、名著『ビジョナリー・カンパニー 2』に手を出してみました。
この本を読んだのは、以前から次のような違和感を抱いていたからです。
- この会社、確かに居心地はいいし、「優良企業ランキング」にも入っているけど、何か違和感がある…
- 就活性が羨む、世界でも有名な企業なのに、いざ中を見て見るとイマイチな部分がある。別に「辞めたい」とまでは思わないけど、何かが変…
少なからず、このような感覚を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これらの違和感から、「もしかすると、優良企業と偉大な企業には、何か決定的な差があるんじゃないか?」という問いが生まれました。
この問いを解くべく、本書『ビジョナリー・カンパニー 2』を読んでみたのです。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 優良企業のさらに上を行く偉大な企業は「規律ある人材」「規律ある考え」「規律ある行動」を少しずつ育てていき飛躍していく。
- 「規律ある人材」を集めるには、まず経営者が「第五水準のリーダーシップ」に辿り着く必要がある。
第一水準
★有能な個人
第二水準
★組織に寄与する個人
第三水準
★有能な管理者
第四水準
★有能な経営者
第五水準
★第五水準の経営者
- 職業人としての意思の強さ
- 個人としての謙虚さ - 「規律ある人材」を集めるもう1つのポイントは、「最初に人を選び、その後に目標を選ぶ」ことである。
★「何をすべきか」よりも「誰を選ぶか」を先に選ぶ
★冷酷にレイオフやリストラは使うことはしない
★しかし、人事の決定には厳格であるべき
- 疑問があれば採用しない
- 必要だと分かれば、配置転換を行う
(まず「座っている席が悪いだけなのか」を確認) - 次に「規律ある考え」を組織に浸透させるためには、リーダーが「厳しい現実を直視」する必要がある。
★自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視する
★まずは、上司が意見を聞く機会を設定するのが大事
★最後は必ず勝つという確信を持つ - 「規律ある考え」を拡げるためのもう1つのポイントは「針鼠の概念」である。具体的には、次の3つの円が重なる部分に注力するとよい。
★情熱をもって取り組めるもの
★自社が世界一になれる部分
★経済的原動力になるもの - 最後に「規律ある行動」を促進させていくためには、「規律の文化」を作る必要がある。
★自律して3つの円が重なる部分を重視できる企業文化を作る
★規律の文化には二面性がある
- 一貫性のあるシステムを守る人が必要
- システムの枠組みの中で自由と責任を与える - 「規律ある行動」を根付かせるためのもう1つのポイントは「促進剤としての技術」である。
★技術の流行に乗るのは避けるが、
慎重に選んだ分野の技術の利用では
先駆者になる
★「3つの円に直接関係ある技術」
に絞って導入する - 以上の要素を一気に浸透させるのではなく、一貫した思想のもと1つひとつ積み重ねることによって、偉大な企業へと少しずつ近づくことができる。
いかがでしたでしょうか。
個人的には「何をすべきか」よりも、まず「誰を選ぶか」が最重要論点というポイントが響きました。
私自身も「何をやるかよりも、誰とやるか」を重視して生きてきた人間なので、強く共感したのだと思います。
おそらく本書を10年後に読み返しても、違った深い学びがあるのだと思います。
大切に本棚に保管しておこうかと思います。
学び
「針鼠の概念」は個人のキャリアにも当てはまる
本書の重要なキーワードで「針鼠の概念」がありました。
企業として、下記3点が重なる部分に注力することが大事だという概念でしたね。
- 情熱をもって取り組めるもの
- 自社が世界一になれる部分
- 経済的原動力になるもの
この3点は個人のキャリアにも当てはまると思うんです。
次の図をご覧ください。
こんな風に表現してみました。
- 自分の価値観に適した、時間を忘れるくらい没頭できるような仕事を取りに行くようにする。
- 自分の強みが活きる仕事を取りに行く。そして、自分の強みが活きない仕事、弱みが発揮されそうな仕事はスルーする。
- 市場価値が高く、平たくいうと「お金を稼げる仕事」を選ぶ。
実際にこの3つを満たすように行動するには相当な努力や覚悟が必要ですが、こんな風に仕事できると活き活き生きていけそうですよね。
個人的には、この「針鼠の概念」を指針に、仕事を取捨選択していこうと思っています。
人生の時間は限られていますので、可能な限り、この3つの円が重なる仕事に割く時間を最大化させたい。
これが最近の私のこだわりだったりします(笑)