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【要約・書評】『マーケターのように生きろ』井上 大輔

この本で解ける疑問は?

  • 「あなたが必要だ」と言われ続けるための思考法とは?
  • 「自分の軸が無い」と悩む人にとって最強の武器となる生き方とは?


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『マーケターのように生きろ』とは

先週、本屋で目に飛び込んで来たのが、この『マーケターのように生きろ』でした。

というのも、「顧客視点で考える」、このビッグワードに頭を悩ませていたらからです。

「もっと、顧客視点で考えなさい」

「もっと、想像力を働かせなさい」

確かにごもっともなのですが、おそらく「人に言われて頭を悩ませるキーワードTOP5」くらいには入るのではないでしょうか。

そんな悩みで頭がいっぱいの中、書店で真っ先に見とれてしまったのが本書でした。

では、早速レビューに入っていきます。

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※★の基準は以下の通りです。
★★★★★:満足
★★★★:やや満足
★★★:普通
★★:やや不満
★:不満

わかりやすさ

「わかりやすさ」については、以下2つの観点で評価していきます。

  1. 本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?
  2. 中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?

詳しく見ていきましょう。

本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?

本書は、大きく次の4ステップで整理されて書かれています。

  1. 市場を定義する
  2. 価値を定義する
  3. 価値をつくりだす
  4. 価値を伝える

網羅感を重視しているというよりは、「マーケティングにおいて、特に重要なエッセンス」にフォーカスして、この4ステップが定義されている印象を受けました。

本気でマーケティングを網羅しようとしたら、価格や流通の話なんかも入ってきますからね。

そうではなく、マーケティングを考える上で特に大切なポイントに絞って書かれている。

ここに、本書のこだわりが詰まっている気がします。

中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?

さすがに一流のマーケターの方が書かれているだけあって、表現は非常にわかりやすいです。

いわゆる「マーケティング部門」みたいな仕事に関わっていない人でも、日々の自分の仕事やプライベートに引き寄せながら読めるよう、色々な具体例や体験談が書かれています。

要所要所で、図解やまとめが差し込まれているため、早ければ1-2時間でスラスラと読むことができます。

深さ

「深さ」については、元コンサルっぽく「So what?」「Why so?」「How?」と問いかけながらレビューしてみます。

具体的には、以下の3つの観点で見ていきます。

  1. 他の本に無いような「あっと驚く洞察」がなされているか?(So what?)
  2. 主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?(Why so?)
  3. 明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?(How?)

他の本に無いような「あっと驚く洞察」がなされているか?

筆者の経験と知恵が惜しげもなく書かれていて、「あっと驚く洞察」で溢れている本でした。

中でも感動したのが「価値の4象限」なる概念です。

何とも掴みどころのない「価値」の本質を抉り出す。

そんな秀逸なフレームワークが登場します。

百聞は一見に如かず。

少しでも気になった方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

ほとんどの方は「あ、なるほど。確かに。でも、その見方はしたことがなかった」と驚かれるかと思います。

主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?

筆者の体験談や制作物(著者のnoteはこちら)をベースに記されており、説得力ある内容にまとまっています。

欲を言えば、定量的なアンケートデータや研究結果が添えられていると、さらに納得感が増すと思います。

明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?

本書を読むことで、日々の仕事との向き合い方やマインドセットは大きく変わるはずです。

例えば、社内の人に向けた仕事をしていても「どうすれば、あの人をもっと楽させてあげられるだろうか」と、以前にも増して考えるようになるでしょう。

しかし一方で、具体的なアクションに落とすためには、もうワンクッション、自分なりに本書を解釈する必要があります。

ただ、個人的には、筆者がわざと「思考の余白」を残したうえで本書を書いているんだろうなと感じました。

学び

私なりに、本書で学んだことを整理してみました。

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■「市場を定義する」のポイント

  • 「市場の大きさ」と「自分にできること」のバランスを取りながら、自分が戦う市場を選ぶ
  • 自分なりの「新しい切り口」で市場を定義する
  • ①顧客が求めていて、②他の人にできなくて、③自分にできることをやる

■「価値を定義する」のポイント

  • 「役に立つvs意味がある」と「顕在的vs潜在的」の2軸で価値を考える
  • 普段の会話や議論を「顧客へのインタビューの場」と捉えて、相手が求めている価値を徹底的に考え抜く

■「価値をつくりだす」のポイント

  • 早く、頻繁に、顧客にサービスを提供することで、フィードバックを受けて改善する機会を増やす
  • 「誰かの、何かに役立つこと」を日々の決断の軸にする

■「価値を伝える」のポイント

  • 「言われてみれば、聞いたことがある」→「自分で思い出せる」→「好きで選ぶ」のステップで、顧客のパーセプションを支配する
  • 上記のステップを、仕事でもプライベートでも実践し続ける

これらのポイントを意識しつつ、改めて目の前の仕事やブログに向き合っていきたいなと思えました。

久しぶりに、心を燃やしてくれるような本と出会えて、今週もすごくいいスタートを切れました。

良書との出会いに感謝です。

 

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  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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