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値段が1,000円前後、もしくはそれ未満が大半の新書や文庫。
ハードカバーなどの本よりはインパクトが薄くて見つけづらいのですが、実は良書の宝庫なのです。
今月も、コスパ大賞に輝いたビジネス書3冊をご紹介します。
※コスパの良い新書・文庫の選び方が気になる方はこちらをご覧ください。
『臆病者のための億万長者入門』橘 玲
この本は800円で、1億円の資産を築くノウハウが手に入る本です。
しかも、そのノウハウというものが、実に「現実的」。
別に株や不動産投資でギャンブルしろ、なんて言っておらず、シンプルに「長期的な目線を持って、世界市場に丸ごと投資する、インデックス投資をコツコツやるのが堅実」というメッセージを発しています。
ただ、そのメッセージの根拠となるロジックが実に辛口。
マイホーム購入や保険、銀行窓口の金融商品やFX、さらには宝くじまで、容赦なく切っています。
その「切れ味鋭い論調」を知るだけでも、一読の価値ありの本です。
『劣化するオッサン社会の処方箋』山口 周
この本は「会議でふんぞり返っている、無能なオッサンをいつか倒してやろう」と思っている人におすすめです。
それは、二重の意味でおすすめです。
第一に、ちゃんと「オッサンをやっつける方法」を教えてくれる点です。
そして第二に、これが重要なのですが、「なぜオッサンが、オッサンたるものになってしまったのか?」の背景や、そのオッサンたちが組織に貢献する処方箋まで知ることができます。
「やっつける」前に、オッサンの背景にある時代の変遷を把握しておきましょう。
本書を読んだ次の日から、冷静に、達観した視座を持って、職場に足を運ぶことができるようになります。
『哲学思考トレーニング』伊勢田 哲治
この本は、一言で言うと「疑うとは?」を知ることができる本です。
より具体的に言うと、「意見を鵜呑みにすることなく、1)本当に必要な情報か?、2)本当に正しい情報か?をふるい分けする思考法」を知ることができます。
中でも印象的だったのが「暗黙の前提の洗い出し」についての記述。
いわゆる「行間を読む」という、「ホワイジャパニーズピーポー」なコミュニケーションコストとの向き合い方を教えてくれます。
以上、月間コスパ大賞をお送りしました。
引き続き、良書を探してまいりますので、ご贔屓の程よろしくお願いいたします。