この本で解ける疑問は?
- 難しい本に出会ったら諦めるべき?それとも粘り強く読むべき?
- 結局、飛ばし読みすべき?すべきじゃない?
- 一流と二流を分ける要素ってなに?
『できる人の読書術』って?
早速リクエストフォームから「ペライチのご要望」をいただきましたので、リクエストいただいた『できる人の読書術』を記事にしてみました。
あれ、リクエストフォームなんてあったの?ペライチの要望出せるの?と疑問を抱かれた方はこちらの記事をご覧ください。
また、「そもそも、ペライチって何ぞや?」と思った方は、こちらも是非ご覧ください。
-Why-なぜ書かれたのか?
本書の「はじめに」には次のように綴られています。
私は自他ともに認める読書好きだ。だから、以前にも読書術の本を著したことがある。今回の本も、それと同じく読書術がテーマになっている。(2ページ)
(中略)
今回は角度を変えて、未来志向で読書術を掘り下げてみる。
具体的には、AI(人工知能)が、生活にもビジネスの世界にも、現在以上により深く浸透するようになる近未来を想定した読書術だ。(3ページ)
(中略)
読書を習慣にしていると、ディープラーニングを繰り返すことでAIが賢くなるように、ビジネスパーソンも二流から一流へ、そして一流から超一流へと自らを成長させられる。(4ページ)
つまり我々がAIの如く「二流から一流へ、一流から超一流へと自らを成長させるためのできる人の読書術とは何か?」という問いに答えることが本書の目的といえます。
-What-なにをすべきか?
先ほどの問いに答えるためにも、問いをさらに細分化する必要があります。
そこで、次の3つに細分化してみます。
- できる人とは?
- できる人に、なぜ読書が必要か?
- できる人は、どうやって読書するのか?
この3つの問いに答える形で「ペライチ」に整理したものが図1です。
できる人とは?
「知識」「教養」「洞察力」を兼ね備えた超一流のことを指します。
筆者は「二流」「一流」「超一流」の3パターンを示しながら「できる人」を定義しています。
この3パターンを整理したものが図2です。
どうやら二流や超一流を構成する要素として「知識」「教養」「洞察力」の3つがあるようです。
超一流は、これら3つの構成要素をすべて持った人物を指します。
そうなると、次に気になるのが、「知識」「教養」「洞察力」はそれぞれどういったもの?という観点でしょう。
これらを図3に整理してみます。
なるほど。特に「教養」「洞察力」はググっただけだと出てこないわけですから、手に入れることが難しそうです。
いったい、どうやって手に入れるのでしょうか?
できる人に、なぜ読書が必要か?
読書により「教養」と、その先の「洞察力」を養うことができるからです。
その根拠として、主に図4のようなことを挙げています。
なるほど。「知識」「教養」「洞察力」の3点を養うにあたり、「読書=人間本来のディープラーニング」が最適である、と。
では、そうした「人間版ディープラーニング」の具体的な方法とはいったいどのようなものなのでしょうか?
-How-どのようにすべきか?
一言でいうと「読む前、読むとき、読んだ後で、洞察力を磨く習慣を持っておく」ことが、「できる人の読書術」だそうです。
図5に整理してみます。
とりわけ印象的だったのは「難しいと感じたら、3回読んで理解する」という部分です。
特に哲学の原著は、難解なものがほとんどです。
目次や「はじめに」だけを読んでも理解できませんし、「まとめ」的な記述も書かれていることは極めて稀です。
以上の理由で哲学は「解説書」に頼りっきりでした。
しかし、「時間をかけてもよいから、何回でも読んで、自分の血肉にする」という読書術も有用であると筆者は述べています。
具体的には次のように記述しています。
ハンバーガーのように柔らかい食べ物ばかり食べていると咀嚼力が落ちるように、読み飛ばしがクセになっていると、読解力は一向に伸びない。
堅いものをゆっくり時間をかけて噛んで食べていると咀嚼力が高まるように、難しい部分が理解できるまで粘り強く読んでいると読解力はアップしてくる。
難所に差しかかっても、私は決して読み飛ばさない。読み飛ばして本を理解できるほど、私は器用ではないと思っている。
読み飛ばしが多くて歯抜けのような状態では、本当に読んだとは言えない。(111ページ)
何とも痛烈なご指摘です。
解説書で楽してばかりでは、いつまでたってもハンバーガーしか食べられないようになってしまいますね。
学び
本ビジネス書を読みながら次の疑問が沸きました。
飛ばし読みすべきなの?しちゃダメなの?
この「問い」に悶々としていましたが、次の答えを得ました。
- 「理解できると確信できる本」は飛ばし読みする
- 「難しそうな本」は読み飛ばすことなく3回通読する
順に説明します。
「理解できると確信できる本」は飛ばし読みする
『読書を仕事につなげる技術』の記事でも紹介したように、「本は全て読む必要はない」というメッセージがありました。
これは、自分の中では「半分あたりで、半分外れの考えだ」と理解し直しました。
確かに、「全部読まなくても、30分で、本の全容を捉える自信がある」と確信できる本であれば、
- 飛ばし読みしてもよし
- 1回しか読まなくてもよし
…でしょう。
1回読んで理解できるものを、何度も読むのは時間の無駄です。
では、難解な本と出会った場合はどうすればいいでしょうか?
「難しそうな本」は読み飛ばすことなく3回通読する
この場合は、本書のアドバイスに従いましょう。
何度も読み返すことによって、「自分の言葉で語れるレベルまで、腹落ち」させる必要があります。
- 1回目は難しい所は迂回しつつサッと通読する
- 2回目は1回目よりも迂回部分が減ってくる
- 3回目はほとんど迂回せずに読めるようになる
…これを信じて、「解説書」に頼ることなく、粘り強く難本と向き合ってみようと腹をくくることができました。
明日から取れるアクション1つ
- 本書で紹介されていたフロムの代表作『自由からの逃走』を図書館で借りて読んでみる