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【要約・書評】『逆転の競争戦略』山田 英夫

この本で解ける疑問は?

  • 競合企業の強みを弱みに変えるには?
  • 追随する企業が取るべき戦略は?

『逆転の競争戦略』って?

弱いキャラが強いキャラを倒す。

スラムダンクしかり、キャプテン翼しかり、このストーリーに憧れを抱く方々も少なくないと思います。

また、スポーツだけでなく、企業もこのストーリーは当てはまると思います。

なぜ、「弱者が強者を倒すストーリー」に共感する人が多いのか。

それは、社会の大半が弱者側だからでしょう。

リーディングカンパニーは1業界に1つしか存在しない一方で、2位以下の企業は無数に存在しますよね。

そんな2位以下の企業が、強者を倒していく方法を論じた本『逆転の競争戦略』をご紹介します。

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • リーダーを脅かす敵とは、業界を破壊する「業界破壊者」と、業界は残しつつ他業界から参入してくる「侵入者」と、同業内から攻撃してくる「挑戦者」の3パターンが存在する。
  • 業界破壊者、侵入者、挑戦者が常にリーダー企業を脅かし、その座を奪い、それをまた新たな競争業者が攻撃していく構図こそが、環境変化に対応できる企業を生み出してくれる。これが、「逆転の競争戦略」の心髄である。
  • リーダーの追随を許せない戦略には4つのタイプが存在する。
  • 第一に、「企業資産の負債化」。これは、リーダーが持つ競争優位の源泉を攻めることによって、リーダーが蓄積してきた優位な経営資源を価値のないものにし、さらには負債にしてしまう戦略である。
  • 第二に、「市場資産の負債化」。リーダー企業に対して有利に働いていた競争のルールを変更し、顧客が持つ資産(ソフトウェア、交換部品など)を使えなくする戦略である。
  • 第三に、「論理の自縛化」。安易に追随すると、リーダー企業がこれまで顧客に対して発信してきたメッセージと矛盾することになり、企業イメージを低下させてしまう戦略である。
  • 第四に、「事業の共喰化」。リーダー企業が強みとしてきた製品・サービスと共喰い関係にあるような製品・サービスを市場に出すことで、リーダー企業内に追随するか否かの不協和音を引き起こす戦略である。

いかがでしたでしょうか?

かなり抽象的だと思いますので、1つ例を付け加えます。

例えば、「企業資産の負債化」について、モスバーガーの「バイオーダー方式」を取り上げてみます。

モスバーガーの「バイオーダー方式」は、顧客の注文を受けてから調理を開始する方式のことを言います。ハンバーガーはできたてが一番おいしいので、この方式を取っています。

一方マクドナルドが取っている「レディメード方式」は、見込み客の分まで前もって生産しておき、顧客を32秒以上待たせないことを重視しています。

当然、ハンバーガーはできたてが一番おいしいのは、マクドナルドも知っています。ですが、マクドナルドはうかつに「レディメード方式」を止められないのです。

なぜならば、マクドナルドは一等地に出店していることが多く、高い地価コストを回収するためにも、顧客の回転率を高く維持して、大量に売らざるを得ないからです。

回転率高く、大量に売ろうと思うと、「レディメード方式」を取らざるを得ません。

…これが、リーダー企業の資産(今回でいうと、レディメード方式や、地価の高い立地)を弱みに転換した「企業資産の負債化」です。

 

こんな風に、あらゆる業界の「逆転の競争戦略」を、具体的にストーリー立てて解説してくれる稀有な本です。

戦略を学びたい方には、強くオススメしたい一冊です。

学び

このブログが取るべき「逆転の競争戦略」とは?

このブログは「ビジネス書の要約サイト」ですので、「ビジネス書 要約」と検索して、一番上に表示されるサイトが、競合となるリーダー企業となります。

言わずもがな、「ビジネス書の要約サイトのリーダー」はflierですね。

www.flierinc.com

これが実に素晴らしいサービスでして。

毎月30冊ほど、今読むべき「良書」の要約を公開してくれる、ビジネスマン必携のサービスなんです。

要約の内容は、経営コンサルタントなどの専門家もチェックしており、まさにつけ入る隙もないサービスといえます。

競合と呼ぶにもおこがましいflierに対応する術はあるのでしょうか?

 

ここからは思い付きベースでツラツラと述べていきます(実行するか否かは置いておいて、あくまでブレスト)。

例えば、「論理の自縛化」の路線で考えてみます。

flierは、自社サイトでも次のように「4つの特徴」を打ち出しています。

■いま読むべき書籍をピックアップ!
話題の書籍や名著のなかから、経営者や大学教授などの著名人・専門家などが「ビジネスパーソンがいま読むべき本」を選んでいます。

■高い品質にこだわった要約!
経営コンサルタントや各分野の専門家が一冊一冊を精読し、要約を作成しています。社内外に何重ものチェック体制を設け、高い品質にこだわっています。

■いつでもどこでも読める!
PC・スマホ・タブレット端末に対応しており、通勤時間や休憩の合間など、いつでもどこでも1冊10分程度で本の内容を味わうことができます。

■気になった本はECサイトから購入!
要約を読んで気になった本は、Amazonなど普段お使いのECサイトから購入することができます。

出所:https://www.flierinc.com/doc/services

この「いま読むべき書籍をピックアップ!」に対抗して、当ブログで「最近出た本で、絶対に買うべきでないビジネス書をピックアップ!」みたいな打ち出し方をしてみるとどうでしょうか?

こんな打ち出し方をすることで、ビジネスパーソンが悪書と出会うことで被ってしまう「機会損失」を防ぐことができます。

また、他の特徴についても、次のようにカバーできるとしましょう。

  • 高い品質にこだわった要約!
    →(一応)元外資系コンサルタントによる、高い品質にこだわった「ビジネス書の批評」を行う。「なぜ、絶対に買うべきでないと言えるのか」を論理的にわかりやすく述べることで、品質を担保する。
  • いつでもどこでも読める!
    →このブログもいつでもどこでも読めます。
  • 気になった本はECサイトから購入!
    →そもそも購入すべきでない本を提示しているので、ECサイトへの誘導は必要ないでしょう。

このブログが、こんな路線を取ったとします。

そうすると、「いま読むべき書籍をピックアップ!」を特徴としているflierは追随できないはずです。なぜならば、「いま読むべき書籍をピックアップ!」という路線と「最近出た本で、絶対に買うべきでないビジネス書をピックアップ!」という路線は矛盾するからです。

 

…と、「逆転の競争戦略」の理解を深めるためにも、無理やり自分事しようと努力してみましたが、何だか方向性を間違えている気もしますね…

たまには、意図的に悪書も紹介してみようかしら。

明日から取れるアクション1つ

  • このブログが取れる「逆転の競争戦略」を引き続きブレストしてみて、来月までに1つアクションを試してみる

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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