この本で解ける疑問は?
- 強い営業組織の作り方とは?
- 育成やりっぱなし問題を解決するには?
- 人事部、マーケティング部、営業部の連携を取るためには?
https://www.amazon.co.jp/dp/4761274581
『セールス・イネーブルメント』って?
セールス・イネーブルメントとは「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」を意味します。
みなさんの会社では、「営業の育成」はどのように行われていますか?
- 人事が研修を行ってくれる(といっても、マナー研修的なもの)
- 各部署内で、それぞれで行われている
- そもそも、何も行われていない
おそらく上述のパターンがほとんどかと思います。
そしてだいたいは、「営業なんてものは、試行錯誤しながら自力で学べ」と言われて終わるのがほとんどです。
そうやって個々人の努力に任せっきりになると、後々どうなるでしょうか?
はい、ご想像の通りです。
- いつまでたっても「再現性」がないまま、
- 属人化がどんどん進行して、
- 営業エースの業績に頼りっきり
このように、「営業エースの退職が経営リスク」の会社が出来上がります。
そうならないためには、どうすればよいのでしょうか?
その答えを提示してくれるのが、本書『セールス・イネーブルメント』です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- セールス・イネーブルメントとは「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」を意味する。具体的には、1)「営業成果・行動・知識/スキル」を一気通貫でつなげる、2)顧客視点の営業プロセスを整備する、3)セールス・イネーブルメントの仕組みを整備する…の3つを行っていく。
- セールス・イネーブルメントを導入することで、1)育成のPDCAサイクルが出現し、2)ラーニングカルチャー(学ぶ文化)が醸成され、3)育成の投資対効果を検証できるようなる。以上のメリットを享受するためにも、営業に特化した体系的なプログラムが必要。
- イネーブルメントを成果に繋げるためには、次の3つのステップがある。
第一に、「学習する」である。新製品の理解、ビジネススキルの会得、業界知識のキャッチアップなどをしていく必要がある。
第二に、「実践・適用する」である。新製品知識を顧客に提案したり、プレゼンテーションスキルを実践してみたりする必要がある。
第三に、「効率的に動く」である。成果を上げている人のノウハウを試してみる、提案書テンプレートを活用する、競合対策ツールを使うなどのアクションが求められる。 - 上述のステップを支えるための柱が4つ存在する。それが「①トレーニング」「②コーチング」「③ツール/ナレッジ」「④システム」である。これら4つをスケールさせていくために、マネジャー・コンテンツ・システム(SFAやMA)といったリソースを効率的に配分する必要がある。
- 以上のイネーブルメントを行う専門部隊は「支援対象の営業人員の1~3%」を目安に配置するとよい。イネーブルメント専門部隊の評価は、「社員の営業生産性の伸び」を使って測定する。
いかがでしたでしょうか。
本書の何より一番のメッセージは、「営業に"特化"した育成の仕組みを整備せよ」ということです。
中途半端なe-learinigとか、外部研修とか、マナー研修ではダメです。
徹底的に営業エースの成功パターンを科学し、再現性を持たせたうえで、全社に展開して定着させる。
それくらいの覚悟を持って、「営業特化の育成部隊」を整備する必要性を訴えています。
「自社にはまだ、そんな仕組みはないよ」と感じられた方は、是非本書を読んで、経営層に必要性を提案してみてはいかがでしょうか。
それくらい価値のある本だと思います。
学び
営業初心者の私も、イネーブルメントの威力を体感
前職はコンサルでしたので、あまり「営業とは何たるか」を全く理解しないまま、社会人生活を送っていました。
ところが最近は、営業に近しい役割も担うようなってきたので、「営業とは何たるか」をイチからキャッチアップする必要がありました。
そんなとき、運よく、社内に「営業のスペシャリスト」の方に目を掛けていただき、みっちり1on1で、営業のナレッジを伝授していただきました。
週に1回ずつ、1ヶ月間ほど、丁寧にロープレなども重ねていただきました。
その成果が見事に実りまして、2~3ヶ月で、人並み程度には営業の動き方ができるようになりました。
以上の経験を踏まえ、次のように思うようになりました。
次の3つのサイクルを回し続けるだけでも、強固な営業組織が出来上がるのでは?
- 社内の「営業スペシャリスト」を捕まえて、その方の暗黙知を「形式知化」することに力を注ぐ
※社内にスペシャリストがいない場合は、社外からの調達も視野に入れる必要がります - 「形式知化」した営業ナレッジを、チームや全社に展開して、とにかく「使ってもらう」
- 使ってもらった結果をフィードバックしてもらい、ナレッジを改良する
このサイクルは、どの組織にとっても必要なはずです。
私も「物事に再現性を持たせること」を強みにしていきたいので、上述のような「ナレッジ化」にもどんどん挑戦していきたいと思った次第です。
そのためにも、身近の「スーパーマン」を捕まえて、仲良くなって、一緒に「再現性」を作り上げていく人材になりたいものです。