マインドセット 書評

【要約・書評】『参謀の思考法』荒川 詔四

この本で解ける疑問は?

  • トップに信頼される「参謀」に求められる思考法とは?
  • 頭脳的なイメージがある「参謀」の真の役割とは?

『参謀の思考法』って?

「参謀」と聞くと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?

おそらく、キレッキレの戦略家を浮かべる人も少なくないでしょう。

しかし、本書『参謀の思考法』でいう「参謀」は違います。

私の中では、本書を読む中で「参謀=フォロワーシップとリーダーシップを兼ね備えた実践者」だと理解しました。

フォロワーシップとリーダーシップを兼ね備えるとはどういうことなのか?

今回はこの問いに迫ってみたいと思います。

 

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(画像をクリックすると、PDFが開きます)

  • 上司を「機関」と考える
    ★「人」だと思うから、相性が合わないと、さまざまな「ネガティブ感情」に苦しめられる
    ★事業目的を達成するために組織された会社のひとつの「機関」だと捉えると、「好き」「嫌い」関係なく関わることができるようになる
  • すべては「合目的的」に考える
    ★仕事のスタイルはとことん上司に合わせつつも、上司とは異なる「自律性=独立した思考力・判断力」を持つ必要がある
    ★手柄を上司にあげるのは、効率のよい「投資」である。自己顕示欲を露わにしない
  • 「理論」より「現実」に学ぶ
    ★本で学んだ「知識」で、「現実」を動かすことはできない
    ★教科書に書かれていない奥深い「知識」が現場にある。「現場」と真摯に向き合うことが、正しくモノを考える出発点である
  • 「原理原則」を思考の軸とする
    ★「生命を大切にする」「嘘をつかない」など、小学生にもわかる当たり前の尺度を軸にモノを徹底的に考える
    ★強度の重圧がかかったときに、”ほんの少し”だけ「原理原則」を逸脱してしまう…この”ほんの少し”を食い止める強さが大事
  • 人間関係を「達観」する
    ★「人間関係は悪いのが普通」と達観する
    ★人間関係に振り回されず、「合目的的」に、「原理原則」を軸として仕事をやり抜く

いかがでしたでしょうか。

実際に本書を読むとわかりますが、「理想論を語りつつも、現実論の血が通った文章」は言葉にできないほど重みがあります。

この本は、幾多もの修羅場をくぐり抜けた筆者にしか書けない「現場感」に満ち溢れていました。

 

「トップや上司に信頼されるプロフェッショナルのあり方」

少しでも気になる方は、他の本を差し置いてでも読むべき一冊だと思います。

学び

「合目的的で説明責任が果たせるか?」で意思決定すればよい

本書を読んでいく中で、自分なりの意思決定のモノサシが言語化できた気がします。

そのモノサシとは「合目的的で説明責任が果たせるか?」です。

 

合目的的とは「目的に適っていること」を意味します。

目的が果たせるのであれば、多少の恥は惜しまない。

自分の提案が通せるのであれば、時には他人に花を持たせることも厭わない。

それくらい「目的に忠実」であることが大事。

それが、『参謀の思考法』で学んだ一番の要素です。

 

加えてもう1つの要素が「説明責任」です。

「目的さえ果たせればそれでよいのか?」と問われると、当然Noですよね。

目的を達成できれば、どんな不正をしても許される…なんてことはありません。

きちんと、他人に説明できる内容じゃないとダメです。

家族や子どもにも説明できるような内容か?

Yesであれば、自信を持って意思決定できます。

 

文字にしてみると、至極当然なのですが、「合目的性×説明責任」が、自分の中の確固たる意思決定の軸となりました。

本からは沢山の気づきがありますね。

 

  • この記事を書いた人

Yusuke Motoyama

外資系コンサルティング会社を経て、経営大学院に勤務。年間300冊読むなかで、絶対にオススメできる本だけを厳選して紹介します。著書『投資としての読書』。 Books&Apps(https://blog.tinect.jp/)にもたまに寄稿しています。Amazonアソシエイトプログラム参加中。 執筆など仕事のご依頼は、問い合わせフォームにてご連絡ください。

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