この本で解ける疑問は?
- 期待を超えるマネジャーとは?
- 期待を超えるマネジャーに必要な力とは?
- 期待を超えるマネジャーであり続けるためには?
『これからのマネジャーの教科書』って?
「良い管理職とは?」
ありきたりですが、こんな問いを抱いて、本書を手に取りました。
というのも、「悪い管理職」のイメージは明確ですが、「良い管理職」については輪郭がハッキリしていなかったためです。
強いて言えば、ドラマの「半沢直樹」の主人公が、「良い管理職」のイメージに近いでしょうか。
今回は、この「良い管理職」の解像度を上げるために、『これからのマネジャーの教科書』を紹介していきます。
- トップや部下とのしがらみの中、関係者を味方につけて、いかなく困難も成長の糧として自己変革し続けながら、周囲の期待を超える成果を上げるビジネスパーソンこそが、「期待を超えるミドルマネジャー」といえる。
- 「期待を超えるミドルマネジャー」になるには、1)スキル=組織で成果を出す力、2)ウェイ=仕事に対する想いの力、3)ギャップ=周囲との考え方の違いを乗り越える力、の3つが必要。
- 3つの力を獲得するためには、「自己認識レンズ」を通して、「自己認識」「都合のよい解釈」「持論形成」を行うとよい。
- 3つの力を獲得した後も、「期待を超えるミドルマネジャー」であり続けるためには、「維持」「回復」「強化」の術を心得て、習慣化しておくことが重要。
ここまで概論を紹介してまいりましたが、実は本書の約半分は「ミドルマネジャーの事例」で構成されています。
業界・職種・年齢・性別・マネジャーのタイプのバランスが考慮されているため、自分の実情に当てはめながら読み進めることができます。
人は、自分が知っていることや経験と紐づけながら物事を理解していくので、事例が豊富なのはありがたいですね。
学び
若いうちから「視座」を高くしておく利点
本書を読みながら、「ところで、20代など、若いうちから、トップやマネジャーの視座を意識する利点は何だろう?」と考えを巡らせていました。
マネジャーでもない平社員の我々にとって、トップやマネジャーの立場を理解することに、どんな意味があるのでしょうか?
あえて汚い表現を用いるとすると、「自分の意見を好き勝手に通しやすくなる点」に意味があるのではないでしょうか。
- トップの考え方や価値観を理解していて、その下のミドルマネジャーが持っている苦労や想いも汲み取っている。
- トップの立場でも、ミドルマネジャーの立場でも、「意思決定する場面」を想像することができる。
このように、トップやマネジャーと同じ景色が見えてくると、「自分がやりたいことを、どんな文脈で、どんな順番で、どのタイミングで説明していけばいいか」がわかってきます。
この「意思決定の力学」を掴めると、自分がやりたいことを通しやすくなるはずです。
「自分がやりたいことをやっている時間の割合を、どれだけ増やせるか?」
何事も、この問いと結び付けて考えてみると、意外と自分事化できるものです。
明日から取れるアクション1つ
- まずは、身近なマネジャーの「ウェイ」を探ってみる