この本で解ける疑問は?
- よい人生の条件とは?
- 運やお金はどれぐらい大事なの?
- 人生が成功する「たった一つの法則」は存在するか?
https://www.amazon.co.jp/dp/4763137247
『Think clearly』って?
記事のタイトルの問いに対する結論は、「人生が成功するたった一つの法則なんて存在しません」です。
「あっそ、もう読むのやーめた」という声が聞こえてきますが…
少しお待ちください。
筆者は、「古代の伝統的な思考モデルから最新の心理学研究の結果、ストア主義をはじめとした哲学やバリュー投資家の思考」を総動員したうえで、この結論を出しているわけです。
そして、人生が絶対にうまくいく法則は無いものの、「人生がうまくいく可能性をあげる52の思考法」を自信を持って提案してくれています。
「たった一つの法則」とか言われるよりも、よっぽど潔くて信用できませんか?
…というわけで、今回は『Think clearly』を紹介していきます。
まず本書の前提を掻い摘むと、次の通りです。
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世界は複雑で、ひとつの理念やいくつかの原則だけではとても把握しきれない
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ひとつの理念や原則は無いのだから、いろいろな思考法がつまった「道具箱」が必要
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すべての思考法をつめ込まなくても、52種類あれば、人生の質を向上させるのに十分
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一度に使う道具は二種類か、多くても三種類程度
ですので、52の思考法を体系的に整理するのは諦めました。
そもそも「法則はない」わけですので、共通項を抽出して「ペライチ」に整理するのは不可能です。
それよりも、「明日から実践したいこと」をいかに忘れにくい形式でアウトプットして、実践につなげていくかがポイントでしょう。
したがって「個人的に、明日から実践したいこと」を、切り口とか抜きにして羅列してみたのが図1です。
この5点のうち最低でも1つは、明日から試行してみようと思います。
…とこのように、『Think clearly』は、「読み手によって違った、かつ実践的な学び」が得られるはずです。
「え、それで本当にうまくいく?他人に嫌われない?」と思う思考法も紹介されていますので、目から鱗が落ちること間違いなしです。
体系立っている本ではないので、「部分読み」にも適した本です。
なので、気軽に手に取って、処世術の辞書的に使っていくのがオススメです。
学び
このビジネス書で特に学びが大きかったのは次の2点でした。
1. 「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるわけではない。「何を避けるか」が大事
「勝つ」というよりは「負けないことが大事」ということなのでしょうね。
負ける要素を1つ1つ排除していくことが、勝つ秘訣。
私が『キングダム』という漫画で大好きなキャラクターである「王翦」も同様のことを言っています。
「私は"絶対に勝つ戦"以外興味はない」
このセリフが大好きなんですよね。
史実にも、この王翦は登場しますが、春秋戦国時代の後半において「最強の武将」として知られています。
秦の始皇帝登場に、大きく貢献した人物です。
若干話が逸れましたが、「負け戦をしない」というマインドセットが一つの真理なのでしょうね。
2. 質問に「わからない」と答えてもよい。頭の中で「複雑すぎる質問用」のバケツを用意する
これは目から鱗が落ちました。
「わからない」と答える姿勢は「無知」「思考停止」を示す。だから「わからないと答える=悪いこと」だと思っていたためです。
ですが、「考えたうえで、わからないと答える」という方法もあるようです。
自分の中で「答えない質問用のバケツ」を意図的に用意しておく。
そうすると、自分が考えるべきことに集中的に思考投入できます。
限られた資源を有効活用するために、戦略的に「わからない」と答えていく姿勢も必要なのでしょう。
まさに、戦略論で重要な問い「何を捨てるか?」に繋がる示唆ですね。
明日から取れるアクション1つ
- 52の思考法のうち、上述した5つの思考法を試してみる