この本で解ける疑問は?
- 最先端のコーチングとは?
- シリコンバレーで数々の成功企業を生み出したコーチングの極意、原理原則とは?
https://www.amazon.co.jp/dp/4478107246
『1兆ドルコーチ』って?
Apple創業者ののスティーブ・ジョブズや、Google創業者のラリー・ペイジなどの偉人に絶大な影響を与えた人物がいるそうです。
それは、伝説のコーチ「ビル・キャンベル」。
この名を聞いたことがある方は、おそらくほとんどいないはずです。
なぜならば、彼は、表舞台に出るのを拒み続けた人間だからです。
ですが今回、本書『1兆ドルコーチ』が出版されたことにより、彼のコーチング手法の全貌が解き明かされています。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 1兆ドルを生み出したコーチングスキルの正体を解き明かすには、次の4つの論点を解くことが重要になってくる。
- 第一の論点は、マネジメントスキルを、どうやって細部に至るまで正しく実践するか?例えば、チームメンバーの連帯感を生み出し、高めるために、旅の報告など仕事以外のプライベートな話題からスタッフミーティングを始めることなどの積み重ねが、マネジメントスキルの細部を作り上げていく。
- 第二の論点は、一緒に働く人たちとどうやって信頼関係を構築するか?まずは、相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを先回りして考えず、質問を通して核心に迫ることが大事である。
- 第三の論点は、どうやってチームを構築していくのか?例えば、問題や機会に直面したら、最初のステップとして、適切なチームを適所に置いて問題に取り組むようなアプローチをしていく必要がある。
- 第四の論点は、どうやって職場に愛を持ち込むか?人を大切にするためには、人に関心を持たなくてはならず、プライベートな生活について尋ね、家族を理解し、大変なときには駆けつけることが大事になってくる。
いかがでしたでしょうか。
1つ1つの書いてあることは、「まあ、それは確かに大事だよね」と思うことばかりでした。しかも、簡単に実践できそうな内容も多く記してありました。
ただ、裏を返すと、たとえシリコンバレーの成功企業だとしても、成功に必要な行動一つ一つは、別に目から鱗が落ちるような目新しいことにあらず。むしろ、「ごく、当たり前の積み重ねなんだ」ということに気付くことができました。
この「当たり前がなぜ大事か」を、豊富な具体例と共に解説している点は、非常に価値が高い本だと感じました。
コーチングする立場の人にとって、当たり前の原理原則が書かれた「バイブル」といえるでしょう。
学び
やはりキーワードは「心理的安全性」
実は、本書の中で頻繁に登場するキーワードがありました。それは「心理的安全性」です。
心理的安全性とは「自分らしさを発揮しながらチームに参画できるという実感」のことを指します。
本書では、チームメンバーの心理的安全性を担保するための心構えやアクションが数多く記述されています。
実は、この「心理的安全性」は、色々な著書の中で指摘されているんですね。
例えば、次の名著たちです。
例えば『THE CULTURE CODE』でも、チームづくりでまず第一にやるべきことは「安全な環境を整備すること」だと指摘されていました。
また、Googleの成功のメカニズムを解き明かした『世界最高のチーム』でも、「何よりも重要なのは、心理的安全性である」という主張が見受けられます。
世界の最先端の企業を研究し尽くした彼らが口を揃えて主張しているわけですから、
組織やチームづくりにおいて「心理的安全性」が一番大事である
こう言い切っても良いのかもしれません。
もちろん、「偉い人たちが言っているからそうだ」と結論付けるのは早計だと思いますので、自分の身の回りで実践してみて、検証してみたいと思います。
近い将来、「年収の高い企業ランキング」や「有給取得率が高い企業ランキング」などの表層的なうわべだけのランキングではなく、「心理的安全性が高い企業ランキング」などの本質的なランキングが流行るかもしれませんね。(いつだろうか…)
明日から取れるアクション1つ
- 身の回りの「心理的安全性」を高めるアクションを10個書き出してみる