いまちょうど『文章力が、最強の武器である。』という本を読み終えたところです。
これで、ついに出そろいました。
長らく追い求めていた「文章力」の理想郷。
どうやらそこには、4人(冊)の四天王がいらっしゃったようです。
これまで「文章力」「文章術」「書き方」と検索して、約20冊近く読んできました。
その中から選び抜かれた四天王をご紹介します。
入門編『文章力が、最強の武器である。』藤吉 豊
最初に四天王の1人目、入門編で待ち構えているのがこの『文章力が、最強の武器である。』。
まず何と言っても、章立てがすごく魅力的なんですよね。
第1章は、文章力が劇的に上がる「3つの視点」。
- おもしろい
- わかりやすい
- 読みやすい
この3拍子が揃った文章こそが、「良い文章」なのだと筆者は語っています。
その後、先ほどの3拍子それぞれを伸ばしていくための考え方・型・コツが紹介されています。
そして最後の第5章では、文章力を身につけた先に待っている景色を描いてくれています。
以上を概観すると、本書は、「マインドセット編」「スキルセット編(何を、どう書くのか)」を全て網羅していることがわかります。
しかも、1つひとつの章が、深くて実用的です。
中でも、第3章の「文章をわかりやすくする"5つの型"」は、読んだ直後からすぐに使えて、効果も抜群だと思います。
入門編として、これ以上に頼もしい本があるでしょうか。
マインドセット編『書くのがしんどい』竹村 俊助
次は、マインドセット編として『書くのがしんどい』をご紹介します。
本書は、「文章の書き手」としてのマインドセットを、300ページかけて叩き込んでくれる本です。
具体的には、まず、私たちが「書くのがしんどいなー」と思ってしまう理由を5つ突き付けてきます。
- 書くことがなくてしんどい
- 伝わらなくてしんどい
- 読まれなくてしんどい
- つまらなくてしんどい
- 続かなくてしんどい
そして、この5つの「しんどさ」との向き合い方を丁寧に1つひとつ教えてくれます。
この中でも特に印象的だったのが、次の一言です。
わかりやすい文章とは「読む速度と理解する速度が一致する文章」のこと。
なるほど、言い得て妙だなと。
確かに、何を言っているかわからない文章は、読むスピードに理解が追い付きません。
あるいは、簡単に理解できる内容なのに、長ったらしい文章で書かれていることもあります。
読む速度と、理解する速度。
この両者を天秤にかけながら、文章を書いていかねばならないと。
そんなマインドセットを教わった一冊でした。
去年読んでみて本当に感動した本ですので、ぜひ手に取って見て頂けると、嬉しく思います。
もう少し本書のことが気になる方は、以下の書評もご覧ください。
スキルセット編
何を書くのか編『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』古賀 史健
さて、お次はこの本。
最近何度かご紹介しておりますが、個人的には「2021年に入ってから読んだ本で、最も素晴らしい一冊」でした。
本書は、「何を書くのか?」「ライターとして、文章とどう向き合うのか?」を500ページ近くかけて教えてくれます。
しかも、ただの方法論ではなく、「良いコンテンツを見つけ、作るための考え方」をとにかく徹底的に解説してくれます。
そんな本書の全体像は、以下の通りです。
この本で特に印象的だったのは、「何を書くのか?」と同じくらい「何を書かないのか?」についても深く論じられていたことです。
何を書いて、何を書かないのか?書かなかったのはなぜなのか?
ライターは、これらの問いに対する説明責任を果たさねばなりません。
こういった「コンテンツ作りの厳しさと魅力」をナマナマしく教えてくれる、良本中の良本でした。
もし、本書に興味を抱かれた方は、以下の書評もご覧ください。
どう書くのか編『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』藤吉 豊、小川 真理子
最後に「具体的な文章術」が断トツで充実している本をご紹介します。
本書では、全部で40個もの文章術が記されています。
そのなかでも上位7位に選ばれた文章術はこちらです。
中でも印象的だったのが、「接続詞の減らし方」について。
- なくても意味が伝わる場合は、接続詞を削除する(順接は特に)
- 「逆説」の接続詞は、あったほうが、文意が伝わりやすい
帰宅中の電車で読んだときに、思わず「へー、接続詞ってこんなに削れるのか」と独り言をいって、恥ずかしい目にあったことを思い出しました(笑)
…と、これくらい深い文章術が40個近くまとまっているわけです。
文章をちょっとでも良くしたいなら、買わない理由がありませんよね。
それくらい、胸を張ってオススメできる一冊です。
もし、本書についてもう少し知りたい方は、以下の書評もご覧ください。
いかがでしょうか。
私が知る限り、今日ご紹介したこの4冊は、「文章術」「文章力」を語った本の頂点に位置すると考えています。
ぜひ、騙されたと思って、1冊だけでも手に取ってみてはどうでしょうか。
追記
まさか、こんなに多くのはてなブックマークがつくとは…
肯定的なコメントを多くいただき、ありがとうございました。
一方で、「谷崎 潤一郎らの『文章読本』を読んだほうがいいのでは」というコメントも多くいただきましたので、早速読んでみました。
そこで得た学びを綴っておりますので、よろしかったら是非ご覧ください。