この本で解ける疑問は?
- そもそもチームはなぜ必要なの?
- チームの力を最大化させるために、必要なものは?
『THE CULTURE CODE』って?
「チームの力は、足し算ではなく掛け算によって最大化される」
僕はこの言葉の意味は理解できても、納得はできずにいました。
チームプレイで取り組むような仕事をやったことがないため、いまいち「チームの力が最大限発揮された状態」をイメージできなかったことが原因です。
例えば、コンサルティングファームなんかは、まさに個人商店の集まりです。
「個の力が全て」と言い切るコンサルも多く見かけましたし、事実、私も未だにそう思っています。
しかし、「個の力が全て」と結論付けられちゃうと、何だかつまらないですよね。
人間ならではの化学反応がきっと存在するはず。
今回は「チームの力が掛け算で発揮されるカラクリ」を解明すべく、『THE CULTURE CODE』を読んでみました。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 最強のチームを作るためには、「安全な環境をつくる」「弱さを共有する」「共通の目標を持つ」の3つの柱が必要。
- 第一に、「安全な環境をつくる」ためには、チームメンバーに「帰属意識を高めるようなシグナル」を繰り返し発信するとよい。
- 第二に、「弱さを共有する」ためには、まずはリーダーから弱さを見せるなど、弱さを共有できる空気感を醸成するとよい。
- 第三に、「共通の目標を持つ」ためには、価値を言葉にして伝え続けるなど、常に目標をシンプルな状態で見える化しておくとよい。
こう聞くと、「本当にこの3つ」だけでよいのだろうか…と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この3つの柱は、膨大な量の研究結果に支えられています。
翻訳本の特徴ですが、ページ数の大半が研究結果の説明に割かれています。
本書の醍醐味は、この研究結果の面白さに触れることだと思いますので、是非一度手に取ってみてはどうでしょうか。
チームビルディングにお悩みの方にオススメです。
学び
チーム力の「掛け算」とは何か?
本書の3つの柱を読んで、「ああ、こうすれば、チームメンバー1人1人の力を最大限に引き出せるのか」と、多くの示唆を得ることができました。
しかし、これだけでは、「確実に、足し算し切ること」で終わってしまうのではないかと思います。
- まず、「安全な環境をつくる」ことで、10の力を持ったメンバーがちゃんと10の力をフルで使えるようにする。
- 次に、「弱さを共有する」ことで、マイナスを打ち消す。
- さらに、「共通の目標を持つ」ことで、足し算が分散しないようにする。
こんな風に理解すると、まずは「確実に、足し算し切ること」にフォーカスする必要があるのでしょう。
では「足し算以上の効果」を得るためには何が必要なのでしょうか?
ここで「掛け算効果」について考えてみます。
僕は「チームメンバー個々人が、自分が持つ力以上のものを発揮できている状態」を、「足し算以上の効果=掛け算効果」だと捉えています。
そのためには、「メンバーの多様性」が不可欠だと思います。メンバーが持つ強みや考え方がバラバラの状態ですね。
この状態であれば、個々人が「自分一人では思いつきようのないアイデア」を考えつく可能性がグッと高まります。
一方で、「メンバーの多様性」がマイナスに働くと、意見が全く噛み合わず衝突し過ぎてしまいます。
そうならないためにも、本書の3つの柱が不可欠なのでしょう。
とはいえ、まだまだ「チームの掛け算」は半分消化不良なので、引き続き科学してみます。
明日から取れるアクション1つ
- 次は『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』を読んでみる