この本で解ける疑問は?
- どんな知識やスキルもあっという間に会得するための自習法とは?
- つめ込み型の学習法から脱却するために必要なメソッドとは?
『超・自習法』って?
一言でいうと「知識やスキルのインプット方法を網羅的に見直すためのチェックリスト」といったところでしょうか?
数々の研究結果からはじき出した「効果的な自習の原則」が9つの観点で整理されています。
いずれも「なぜこの原則が重要か」「原則に沿って取るべき戦術は何か」といったWhy・Howの説明が丁寧になされています。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 第一の原則「メタ学習」
〇メタ学習とは「学習について学習すること」である
〇実利のために学ぶのか、興味のために学ぶのかを明確にする
〇「概念」「事実」「行動」に分けて学習対象を把握する
〇「ベンチマーク」と「強調/除外法」を使って学び方を具体化させる - 第二の原則「集中」
〇「先延ばしにしようとしている自分」をまず認識する
〇クリエイティビティが求められる仕事をするときは、あえて集中を緩める
〇気を散らしたいという衝動は、それに抵抗するたびに弱まる - 第三の原則「直接性」
〇「講義を受ける」よりも「試験問題を解く」ことに時間を割く
〇プロジェクト型学習する(例:自分でゲームを開発してプログラミングを学ぶ)
〇没入型学習で、積極的に学習に取り組む人が多いコミュニティに身を置く
〇過剰アプローチで、要求のハードルが高くなる環境に身を置く - 第四の原則「基礎練習」
〇1つのスキルに「一点集中」して能力を伸ばす
〇学びたいスキルや知識を分解していき、難易度や重要度が
高いものから集中して学習する
(あるいは、難易度が低いものから集中して学ぶ方法もある)
〇すでにあるものをコピー(真似)しながら、
伸ばしたいポイントだけ集中練習する - 第五の原則「回想」
〇学習直後より時間を置いてからテストする方が効果的
〇フラッシュカードを使う
〇読書後や授業後に、覚えていることをすべて
白紙に書き出してみる
〇情報源をあえて参照できないようにする
〇「質問形式」でノートを取る - 第六の原則「フィードバック」
〇即時性、正確性、厳しさのあるフィードバックを求める
〇フィードバックを迅速かつ大量に求める
〇ネガティブなフィードバックには「慣れ」が必要
〇フィードバックには「結果」「情報」「修正」の
3種類があることを心得る - 第七の原則「保持」
〇つめ込むよりも「繰り返す」ようにする
学習計画に「メンテナンス」も組み込む
〇日々の「手続き」の中に、学びたい要素を取り入れて
「手続き化」する
〇完璧を超えるまで過剰に学習する - 第八の原則「直感」
〇難しい問題を簡単にあきらめない
あきらめたくなったら、タイマーを10分セットして、
もう1度問題と向き合ってみる
〇実際に自分で証明したり説明したりしてみる
〇具体例から学び始めてみる
〇怖がらずに「バカな質問」をする - 第九の原則「実験」
〇新しい制約をつくって、古い方法を使えなくする
〇2つのスキルを組み合わせてみる
(例:プレゼンが得意なエンジニア)
〇1つの問題に対して複数の手法を試して、
比較してみる
いかがでしたでしょうか。
「え、そんな方法があるの?」と思う箇所もあれば「それ、わかってるんだけど、実践できてないな」と痛感する部分もあったかと思います。
僕も「あ、それ本で読んで"やってみよう"と思ったまま、やってなかった…」とドキッとしてしまう学びもありました。
自分の学習スタイルを見直すのにうってつけの本ですので、是非チェックリストがてら読んでみてはいかがでしょうか。
学び
過剰学習できるテーマこそ「才能」なのでは?
本書に何度か出てくるキーワード「過剰学習」。
これは、完璧なレベルを超え切るまで過剰に学習することを意味します。
ただですよ、何でもかんでも過剰なレベルで学習はできませんよね。
どうしても嫌いで、逃げ出したくなるテーマだってあります。
一方で、「過剰なくらい、寝食も忘れて没頭できるようなテーマ」が1つでもあるとすれば、それは一種の「才能」といってもいいかもしれません。
僕も、次の事項は過剰なくらい反復練習しました。
- 美しいスライドの書き方とパワーポイントの高速処理
- 様々なビジネス書の読み解きとサマリーの作成
- 職場で目にする「むむ?」と思えるような事象の構造化
たぶんというか間違いなく、これらのことが大好きなんだと思います。
何か1つでもいいので、「このテーマだったら、多少睡眠時間を削ってでも、過剰なくらい学習したい」「このテーマは絶対誰よりも詳しくなりたい」と思えるテーマを見つけること。
これが一番の「超・自習法」では?と思います。