この本で解ける疑問は?
- 昔から「いい質問」ができないんだけど、どうすれば?
- そもそも「いい質問」ってなに?
- 質問力はどうやって鍛えればいい?
『最高の結果を引き出す質問力』って?
「いい質問」に関心を持ったきっかけは、先日の『教養としての「世界史」の読み方』の記事でも述べた、ある学びです。
それは、"歴史からの学びには、優れた「問い」が必須"、という学びです。
この学びから「問い」や「質問」そのものに興味を抱きました。
そこでAmazonで「質問力」で調べて、一番上に表示されたのが『最高の結果を引き出す質問力』だったわけです。
-Why-なぜ書かれたのか?
この本が目指すところについて、「はじめに」で次のように述べられています。
この本では、あなたを大きく変えていく質問や、その具体的な方法についてお話していきます。大胆に言えば、質問によって、自分自身を変える、自分の環境を変える、ひいては世界を変えることを目指しています。
(5ページ)
つまり「質問によって、自分自身を変える、自分の環境を変える、ひいては世界を変えるには?」という問いに答えを出すことが、本書の目的といえます。
その目的を達成するにあたり、3つの問いに細分化して見ていきましょう。
- なぜ質問力が必要か?
- 質問力とは何か?
- どうやって質問力を磨くのか?
-What-なにをすべきか?
そこで、先ほどの問いに答える形で、先に「ペライチ」を示します。
図1をご覧ください。
これが本書の全体像です。
なぜ質問力が必要か?
シンプルにいうと「自分を変え、世界を変えられる人になれるから」です。
その根拠として筆者は、「いい質問ができる人」「悪い質問をする人」「質問ができない人」の3パターンそれぞれの特徴を挙げています。
本書の帯の裏にも書かれていることなので、重要なメッセージなのでしょう。
図1をズームインしてみます。
これで、「質問力が、人生に必要だ」ということがわかりましたね。
質問力とは何か?
次はこの問いを解きます。
筆者は第2章で、この問いに答えているのですが、ざっくりまとめると図3のようになります。
どうやら「感情力」「メタ認知力」「論理力」の3つが必要のようです。
ここで「かけ算(×)」で表現したのは、どれか1つでも欠けると、質問としての価値が著しく低下してしまう、と解釈したためです。
ここで、個人的に気になったのは「メタ認知力」です。
キーワードとして、「認知的不協和」という概念を理解する必要があるので、筆者の説明をそのまま引きます。
実際に、アメリカの心理学者、レオン・フェスティンガー博士により、こんな実験が行われました。
それは、単純でつまらない作業を長い時間させたのちに報酬を与えるというものです。ある人たちには低い報酬が渡され、別のある人たちには高い報酬が渡されます。その後、「この仕事はどのくらい楽しかったか」というアンケートに答えてもらいます。
驚くべきことに、同じ作業をしたにもかかわらず、低い報酬をもらった人たちは、高い報酬をもらった人たちよりも、「楽しい仕事」だったと答えました。(59ページ)
(中略)
居心地の悪さを解消しようとして、ムリに正当化してしまう。これを「認知的不協和」と呼びます。(60ページ)
筆者は、この「認知的不協和」には注意すべきというスタンスを取っています。
それがわかるのが次の記述です。
「感情」から「自分の中の真実」がつくられます。自分の世界の見方は、感情に左右されています。
だからこそ、自分の感情をごまかさないで、ありのままに気づくこと、すなわち自分の感情を素直にメタ認知することがとても大事なのです。
(60ページ)
自分の素直な感情に気づく「メタ認知力」が低いと、おのずと質問力も低下します。
この「メタ認知の重要性」は、大変重要な気づきでした。
-How-どのようにすべきか?
どうやって質問力を磨くのか?
次にこの問いの答えについて、図4をご覧ください。
本書では次の2点が紹介されています。
- 悪い質問といい質問の特徴
- 質問力を高める8つのアクション
中でも、先述の「質問力」が総合的に求められるのは次の図5の問いでしょう。
具体的には、
- 「自分が一番心地よくなれるのは、どんな生き方だろう?」
- 「今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしていることをやるだろうか?」
…という質問を自らに問うことを指します。
普段から、
- 「好き、嫌い」という感情を素直に抱き(=感情力)
- 「好き」を正しく言語化し(=メタ認知力)
- 「好きを増やすためには、どうすべきか」を考える(=論理力)
…という習慣を持っていないと、先ほどの質問は、答えに窮するでしょう。
「自分の生き方を問う」質問が、なぜ「いい質問」なのか?が、これでわかりましたね。
学び
本ビジネス書を通して、次の学びを得ました。
本書の「質問力」は「内省」に使える
先述の「なぜ質問力が必要か?」とところで、筆者は次のように述べていました。
脳の可能性を広げ、
自分にとっての快適な生き方、
充実した人生を自らつくり出す(帯の裏の紹介文より)
私なりに言い換えると「自分にとっての快適さを認知し、実現するための質問力」が、本書における「質問力」であると解釈しています。
この「自分にとっての快適さを認知」するための作業こそが、「内省」です。
例えば、就職活動中の「自己分析」も、一種の「内省」です。
私は「会社の都合による全国転勤有」という考えが大嫌いでした。
就職活動中は、何となく「大嫌いだ」で済ませていました。
しかし、本書をきっかけに、今一度、「なぜ、全国転勤有という考えが嫌いか?」と自分に質問して「メタ認知」してみます。
なぜ嫌か?
答えは「自分の住む場所を、会社に決められるのが嫌だから」でした。
では、なぜ、自分の住む場所を、会社に決められたくないのか?
答えは「プライベートまで、会社に干渉されたくないから」でした。
この「プライベートまで、会社に干渉されたくない」という発見ができると、
なぜ「いい」のか?
それは、先ほどの転勤事情以外にも、
- 業後の飲み会は多いか?
- 休日の社内行事はあるか?
- 部署や勤務地について、希望は出せるか?通りやすいか?
…といった、「自分にとっての快適な生き方」を手に入れるための視点を手に入れることができるからです。
これからも、「メタ認知」を意識的にやってみようと思います。
明日から取れるアクション1つ
- 「今日のメタ認知」というテーマで、日記を毎日1行