この本で解ける疑問は?
- 会議で結論を出し切るためには?
- 内職ゼロにするためには?
- 短い時間で効率よく会議を進めるためには?
『世界で一番やさしい会議の教科書』って?
「社会人の必読書にしたい」
それくらいオススメしたいのが本書『世界で一番やさしい会議の教科書』です。
なんせこの本は
- 決まらない会議
- 内職だらけの会議
- 時間内に終わらない会議
…こういった会議を駆逐する基本的な技を惜しげもなく伝授してくれます。
私は「ABC(当たり前のことを、バカにせず、ちゃんとやる)」を信条としてますが、まさに「会議におけるABC」を語った本です。
(画像をクリックすると、PDFが開きます)
- 会議には「準備」「導入」「進行」「まとめ」の4段階がある。中でも最も重要なのが、「準備」である。準備段階では4つのP「Purpose」「People」「Process/Property」を揃える必要がある。
- Purposeでは、会議の終了条件を具体的に定義する必要がある。「どういう状態になったら"会議終了!"と言えるのか?」を言語化する。例えば「〇〇についての解決策が洗い出されていて、優先度・担当者・期日まで決まっている状態」など。
- Peopleでは、「終了条件を満たすために必要な参加者は誰なのか?」を過不足なく洗い出す必要がある。参加者は多すぎると「内職者」が増え、少なすぎると「○○さんがいないから決められないね」とグダグダになる。
- Process/Propertyでは、「議題(終了条件に向けて何を議論するのか?)」「議論の進め方(具体的にどう議論を進めるのか?)」「必要なモノ(何を用意しておくか?)」「時間配分」を事前に考案しておくとスムーズに進む。
いかがでしたでしょうか。
準備段階だけでも、これだけやることがあります。
他にも「影のファシリテーションの技術」など、導入段階や進行段階で明日から使える、かつ本質的なノウハウが惜しげもなく披露されています。
「当たり前のようで難しいことを、どうすれば実現できるか?」が記された、何とも稀有な本です。
そして、日本の低い生産性の救世主になり得る本でもあります。
自信を持ってオススメできる一冊です。
学び
ブルドーザー型の会議は良い会議なのか?
ファシリテーターが「自分が練ってきた案で進めて良いか合意を取る会議」を「ブルドーザー型会議」と名付けてみました。
これまで、私はこのブルドーザー型会議を良しとしてきました。
- 会議のときは、自分なりの確固たる意見をドキュメントに落として臨むべし
- 色々な反論に耐えうるロジックを作ったうえで会議に臨むべし
…と、自分が主催する会議には、毎回こんなマインドで挑んでいました。
しかし、本書を読んでみて、「進め方はファシリテーターが提示するけど、議論の中身は参加者に埋めてもらう形式」の方が、参加者の納得感を得られそうだなと感じました。
具体的には、
- 発散型の会議(ブレストなど)は、進め方だけファシリテーターが提示して、アイデア出しは参加者に委ねる
- 収束型の会議(意思決定など)は、解決策や意思決定基準のオプションをファシリテーターが提示して、選択するための議論を参加者に促す
…などの工夫が必要なのでしょう。
「意見の反映度」「自己決定感」が、納得感を作り出す鍵なのかもしれませんね。
改めて、会議の進め方を深く深く考えさせられる良書でした。