この本で解ける疑問は?
- 仕事は何を選んでいいのかわからない…何を軸に選べばよいか?
- 今の会社にずっといていいのか?
『苦しかったときの話をしようか』って?
『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』を読んで以来、すっかり森岡 毅氏の本にハマりました。
著者は、日本を代表するマーケティングのスタープレイヤーですので、必然的にマーケティング本を多く書いておられるのですが、一冊だけニュアンスが異なる本を発見しました。
それが本書『苦しかったときの話をしようか』です。
この本、実は「著者が、就職活動に悩む娘さんに向けて書かれた手紙」のようなものだったそうです。
ですので、特定の1人に向けて書かれたメッセージなだけに、とても具体的で生々しいストーリーです。
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学校では教えてくれないが、実は人間は、みんな違って、極めて不平等である。そんな我々は、「欲」を本質とし、「競争」を構造とする「資本主義」の世界の中で生きている。だからこそ、「周りとの違い=ユニークな特徴=強み」にいち早く気付き、強みを「稼げる職能」にまで育て上げることが大事。
自分がナスビかキュウリなのかに早く気付き、ナスビならナスビとして育っていくことに集中すべし。 -
強みに気付くには、自分が「Thinking型」「Communication型」「Leadership型」のどれに当てはまるのかを分析してみるとよい。
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強みがわかったら、その強みを集中的に使って生きていけるよう、普段から「自分をマーケティング」しておくとよい。マーケティングのフレームワークに沿って、周囲の関係者に、自分のキャラクターを徹底的に認知させる。
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それでも苦しくなるときがある。そんなときは、「ナスビはキュウリにはなれない。ナスビとして育つしかないんだ」と原点に立ち返ってほしい。
本書が伝えたい本質を一言で抽出すると。
「ナスビであることに気付き、ナスビとして育つことにこだわれ」
…これだと理解しています。
やはり、向き不向きは存在するのです。
ナスビが無理に「キュウリとして美味しくなろう」と頑張っても、キュウリには勝てない。
それよりも、ナスビとして美味しくなることに集中投資できるよう、普段から自分をマーケティングし続ける必要がある。
「あいつは、ああいうやつだけど、〇〇はすごいから、しょうがない」
この認知を周囲に埋め込むことができたなら、こっちのもの。
堂々とナスビとして、すくすくと育っていける。
…こんな方法論を、心に染み込ませることができました。
とはいえ、本書は「元々は手紙だったもの」なので、文脈とセットじゃないと、本書の魅力が半減してしまいますね…
是非、飛ばし読みせずに、時間をかけて読んでいただきたい一冊です。
学び
このビジネス書を通して、次の学びを得ました。
まずは「自分がナスビなのかキュウリなのか?」に気付かないと始まらない
この問いは、早く気付くことに越したことはない。
むしろ、「どれだけ早いタイミングで気付けるかが大事」だと思いました。
この問いの答えがブレていると、人生に占める「ナスビがキュウリになろうと辛い時間」の割合が、どんどん大きくなっていくからです。
何事も、まずは「自分の凸凹」を認知することから始まるのだと、改めて実感しました。
次の「どんなナスビを目指すか?」が難しい
次の難所は、「どんなナスビを目指すか?」でしょう。
ナスビはこの世にたくさん存在します。
僕自身は、かなり偏った「Thinking型」ですが、「Thinking型」の人間は山のように存在します。
そんな中で、「オンリーワンなナスビ」に育っていくためには、「かけ算」が大事になってきます…が、これが難しい。
「Thinking型×〇〇」の〇〇が中々見つからない。
Thinking系の仕事の周辺を、根気強く探っていく必要があります。
例えば「Thinking型」でも、マーケティングが好きな人もいれば、ファイナンスが好きな人もいる。
「Thinking型×マーケティング」なのか「Thinking型×ファイナンス」なのかは、実際に手を動かしてみないとわからない。
もしかすると「Thinking型×〇〇」の〇〇は、二番目に得意な「Leadership型」に眠っているかもしれない。
…途方もないですね。
ただ、逆の見方をすると、「可能性がたくさんあって、ワクワクする」。こんな感情が湧いてきました。
ワクワクが消えないうちに、今日も色々チャレンジしてみようと思います。
明日から取れるアクション1つ
- 自分のスキルや経験を棚卸して、「〇〇×〇〇」の仮説をいくつか書き出してみる