以前、『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』という神本を紹介しました。
(書評は以下をご覧ください)
【朗報】やっと出た文章術の決定版!『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
その著者が、今度は「話し方」についてもまとめてくれました。
「プレゼンテーション」「対話術」「雑談の技術」と名のつく本100冊から、40個のスキルを順位付けしている。
まさに「話し方の本、決定版」といえるでしょう。
今回は、話し方のスキルについて、1位~3位をご紹介します。
先にペライチも載せておきます。
話し方の重要スキル1位:会話は「相手」を中心に
「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、一番大事なスキルはこれですよね。
会話は「相手」を中心にする。
話し方において一番重要なのは、「聞き方」である
例えば「話す量は、相手が8割、自分は2割」という黄金の法則が紹介されていました。
これ自体は、別に目新しい内容ではないですよね。
ただ、ここで重要だと思ったのは、話し方のスキル第1位のページに、「聞き方」の説明が書かれていたことです。
「話し方を磨くために一番重要なのは、聞き方を磨くこと」
そんな強いメッセージが込められているように感じました。
では、どうやって話を聞けばいいのか?
どんな聞き方を心がければいいのか?
この論点については、正直なことを申し上げると、この本よりも、『LISTEN-知性豊かで創造力がある人になれる-』をオススメします。
「聞く」というテーマについて、これほど精緻に書かれた本は他にない。
そう断言できるくらい素晴らしい本ですので、ご紹介させていただきました。
「自分が話したいこと」ではなく「相手が聞きたいこと」を話す
これも、非常に重要なスキルですね。
話し手にとって楽なのは、「自分が話したいことを、思いついた順番で話すこと」でしょう。
「~なので、~なので、~ですが、~ではあるので、~なんですけど、~なので、~です」みたいな話し方をする人がたまにいますが、これは明らかに「自分が話したいこと」を話しているケースですね。
こんな話し方をされたら、聞く側からすると、たまったもんじゃありません。
あるいは、上司に「作業の進捗が遅れていること」を伝えないといけないシーンを考えてみましょう。
このときに「今日中にこの分析作業終わらせる予定だったんですが、使いたいデータが全然見つからないんですよね。あと、どの関数を使えば集計できるかもわからなくて・・・」と報告したとします。
これ、最悪の話し方ですよね。
自分が話したいことを、話しちゃってる。
上司が知りたいのは
- お願いしていた作業は今日中に仕上がるのか?
- 仕上がらないとしたら、いつまでに何をクリアできれば仕上がるのか?あるいは代案があるのか?
この2点であって、「言い訳」には1mmも興味がないわけです。
「相手が聞きたいことだけを話す」
簡単そうで難しい、奥が深いスキルですね。
話し方の重要スキル2位:「伝える順番」が「伝わり方」を決める
第2位として紹介されていたのが、「話す順番」についてです。
具体的には、話す順番の型として、以下のテクニックが紹介されていました。
- 結論→理由の順番で話す
- PREP法で話す
- P:Point(結論)
- R:Reason(理由)
- E:Example(具体例)
- P:Point(結論・まとめ)
どれも、基本的で重要なテクニックです。
しかし、実は「これだけでは不足している」かなとも思います。
『トヨタの会議は30分 ~GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術』で紹介されていたテクニックがあってですね。
結論からではなく、「何の話か」から話す。
これです。
いきなり結論から話されても、ちゃんと前提を共有できていないと「え、それ何の話?」と思われてしまいます。
ですので、
- 「聞き手が持っている情報は何か?」を想像し
- まず「今から何について話すのか」を伝えながら、視界を共有し、
- それから「結論とその理由」をお伝えする
というステップを丁寧に踏んであげる必要があります。
・・・こんな感じで、他の本からの気づきも交えながら読んでみると、新しい発見がありますね。
話し方の重要スキル3位:話し方にメリハリをつける
第3位のスキルが「話し方にメリハリをつける」です。
特に最近はコロナ禍でリモート会議がほとんどなので、余計にこの「メリハリをつけて話すスキル」の大切さを痛感しますね。
では、どうすれば「メリハリ」をつけて話せるのか?
具体的には、
- 間を取る
- リズムを変える
- 大事なことは、ゆっくり大きな声で話す
などのテクニックが書かれていました。
・・・が、この「メリハリ」については、『もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法』を使いながら補足しておきたいなと。
本書によると、「メリハリをつける」とは
- 「自分が言いたいこと」は強調して話す
- 「言いたいことの付け足し情報」は軽く流す
この説明のほうが、本質的かつ実用的じゃないでしょうか?
・・・と、所々ツッコミを入れながら紹介してきましたが、この『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の一番の価値は、
「山ほどある"話し方テクニック"に、優先順位をつけてくれていること」です。
ですので「話し方を鍛えたい」とお考えの方は、本書をハンドブックがてら持っておくと、非常に便利かと思います。